ねえ、自分の好きな場所ってある? わたしはね…
朝起きると、隣にいるはずの息子がいない!? 慌てて飛び起き部屋中を探してみると、壁とふとんの隙間に転がっている。またある朝は、部屋のスミにある椅子の足の間に転がっている。またある日はふすまと布団の隙間に……これはまだ息子が寝返りを覚えたばかりのあかちゃんの頃の話。
少し大きくなって、自分で本を読むようになったのはいいけれど、その場所はいつもベッドと壁の間にできる隙間。やめなさいと言っても、気がつけばそこいる。
どうやら息子は「隙間」が好きらしい。無自覚で気がつけば「はさまっている」というのだから仕方がない。
そういえば、自分にも家の中で落ち着く場所ってあったな。一番はリビングの足の低いテーブルの下。気がつけばそこに潜り込んで寝ていたんだから、ベッドの隙間よりもタチが悪い。2番目はソファーの裏。とにかくそこで絵を書いたり妄想をしたりして……意外にもクリアに覚えているからびっくり。
そんなふうに「お気に入りの場所」を思い出すのって、結構楽しいのです。それはきっと幸せを感じていた時間だったからかもしれませんよね。
この絵本を読んでいて、ふと思い出したのでした。
ここがすき
ねえ、自分の好きな場所ってある?
そこにいると、なんだか安心する場所。
お砂場、すべり台のてっぺん?
それとも、おかあさんのひざの上?
いぬさん、かえるさん、かめさん、ねこさんにも
お気に入りの場所があるんですって。
そういえば、気が付いたらいつもおんなじ場所にいることって多いよね。この絵本では、そっと横にいって彼らの目線の先を見せてくれます。すると見えてくるのは、納得の理由。くさはらだったり、日の良く当たる石の上だったり。きっと風が気持ちいいんだろうな、とか。お庭や家の人がよく見えるんだろうな、とか。
じゃあ、わたしのすきなところはどーこだ?
ふふふ、わたしだけのひみつの場所。
どんなところだろうね、絵本を見てのお楽しみ。
なんだか、みんなの好きな場所も聞いてみたくなってきました。
きたやまようこさんの柔らかくて優しい絵と文章はとっても心地良くて、絵本の中にも「お気に入りの場所」をつくってくれているみたいですね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちなみに、今はと言えば。
ヒーターの目の前に置いてあり、暖かい風があたり続け、一旦座ると二度と動けなくなる為に「魔の椅子」と呼ばれている場所。そこを息子と激しく奪い合いをしている毎日です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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