春って…いいにおい!
そろそろくるかな、くるかな。春がくるかな。だって、なんだか「いいにおい」がするんだもん……嬉しいな。春の訪れを描く絵本を読んでいると、なんだか心がウキウキしてきますよね。
おきておきて、もうはるよ。『おねぼうさんはだあれ?』
「おきておきて、もうはるよ」うさぎのミミナちゃんが、冬ごもりから起きてこない友だちを起こしに出かけます。でも誰もなかなか目を覚ましません。そこで、いいにおいの花束を枕元へおいていくと、やがて友だちも花のにおいに気づいて…。春の訪れを温かい筆致で描いた絵本です。
読んであげるなら3歳から、ひとりで読むなら小学低学年から。
<編集部よりひとこと>
友だちを起こしに行ったはずのミミナちゃんが、ぽかぽか陽気でお昼寝してしまうところがユーモラス。物語のおしまいには、みんなで遊んでいる様子が描かれ、喜びがあふれているのも魅力的です。
「おねぼうさんはだあれ? 」と我が子に優しく語りかけてあげたい、そんな気持ちにも寄り添ってくれる作品です。
<著者について>
◆片山令子
1949年群馬県生まれ。詩人、絵本作家。夫・片山健さんとの絵本に『たのしいふゆごもり』(福音館書店)がある。ほかに『ゆきのひのアイスクリーム』(柳生まち子・絵 福音館書店)など。2018年、病気のため他界。
◆あずみ虫
1975年神奈川県生まれ。絵本作家、イラストレーター。安西水丸氏に師事。アルミ板をカッティングする技法が独特。絵本『わたしのこねこ』(澤口たまみ・文 福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。
みんなが向かっている先は…?『はなをくんくん』
静かに雪の降る森の中、動物たちは体をまるめて冬眠中です。野ねずみも、くまも、ちっちゃなかたつむりも、りすも、山ねずみも、みんな目を閉じてぐっすり……。おや? でも、目を覚ましたようです。そして、ちょっぴり寝ぼけまなこで鼻をくんくん、何かに向かって走り出しました。いったい、何が起きたのでしょう……。
雪に埋もれた森の中、冬眠から目覚め、次々と走り出す動物たち――。その静から動への変化がページを追うごとに、鼻を「くんくん」という擬態語に乗ってワクワクする気持ちを盛り上げていきます。最終場面では、白と黒だけで表現された雪景色の中にあって唯一の彩色となる黄色が効果的に使われ、春を見つけた彼らの喜びが可愛らしく描かれます。動物たちと一緒に鼻をくんくんさせながら、春を待ち焦がれる気持ちを分かち合いたい作品です。
春の香りと春の味がいっぱい『おなべおなべにえたかな?』
きつねのきっこがスープの番を頼まれて「おなべおなべにえたかな?」と何度も味見をするうちに、お鍋はからっぽになってしまいます。さあ大変! 春の香りと春の味がいっぱいの絵本。
待ち遠しい!春の絵本
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