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絵本ナビニュース2021

災害時に人々を助ける、頼れる車が大集合『さいがいで かつやくする くるま』

「まえとうしろ どんなくるま?」シリーズ『さいがいで かつやくする くるま』

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=160087

偕成社から、絵本『さいがいで かつやくする くるま』(こわせもりやす 作・絵)が3月に発売されました。

東日本大震災から10年が経ちます。「3.11」を経験していない小さな子どもたちにも、また災害がふりかかる日が来るかもしれません。本作では、災害時に大活躍する車が紹介されています。「かっこいい!」と楽しく眺める絵本の中の車、人々の存在は、来たる時の心の支え・知識にもつながります。節目を迎える今年、「はたらく車」という観点から、災害を改めて考えてみるのはいかがでしょうか?

さいがいで かつやくする くるま

くるまのまえとうしろ、ちゃんとみたことある?
これ、どんなくるま?
車の「前面」「背面」、そして「横面」や車と働く人をばっちり見られるシリーズの4巻目。今回は、災害がおこったときにかけつけて、みんなを助けてくれる車が続々と登場します。

<この本にでてくるくるま>
・救助工作車 ・中型水陸両用車(レッド・バスティオン) ・排水ポンプ車 ・81式自走架柱橋 ・スーパーアンビュランス(特殊救急車) ・給水車 ・野外炊具 など

災害時、わたしたちを助けてくれる頼もしい車。そこに乗って働く人の姿は、心の支えにも。

『さいがいで かつやくする くるま』で紹介されている主な車は、以下の7種です。(※本文ではすべてひらがな表記)
・救助工作車
・中型水陸両用車〈レッド バスティオン〉
・排水ポンプ車
・81式自走架柱橋
・特殊救急車〈スーパー アンビュランス〉
・給水車
・野外炊具1号(改)


陸でも水の中でも活動できる車や、渡れなくなった川に橋をかける車など、どれも災害が起きたときに大活躍する車ばかり。それぞれの車の特徴を、わかりやすく示して紹介されています。

メインの車のほかにも、一緒に活動する車、バイク、ヘリコプターなども登場します。(両側に大きく開く、観音開きのしかけページより)

実際にその車に乗って活動されている方々へ取材するなど、協力も多数いただいています。
協力:国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所/埼玉県県央広域消防本部/坂戸、鶴ヶ島水道企業団/東京消防庁/千葉県山武郡市広域行政組合消防本部/陸上自衛隊

また、車と一緒に働く人々の姿も、細かく丁寧に描かれています。本作では車とともに、子どもたちのヒーローでもある働く人の姿を描くことで、よりその車の特徴を引き出し、リアリティをもって伝えています。

シリーズはほかに3冊! 車を「前・後ろ・横」からじっくり見られるのが人気の「まえとうしろ どんなくるま?」

『さいがいで かつやくする くるま』は、はたらく車の絵本のシリーズ「まえとうしろ どんなくるま?」の4作目です。シリーズはこれまで下記3点を刊行しています。

既刊3巻。『どうろこうじのくるま』『きんきゅうしゃりょう』『まちではたらくくるま』

大きな特徴は、シリーズ名の通り、車を「前面」「後面」「横面」の3つの視点から描いてあり、全体をじっくり見られるということ。「まえと うしろ どんなくるま?」というフレーズで前面・後面を見せ、ページをめくると横面があらわれ、車の名前や細かい特長、はたらく人たちの様子がわかる、明快な構成です。

『さいがいで かつやくする くるま』より

細かい部分まで見られるのはイラストならではであり、車好きの子どもたちから支持を得ています。

<シリーズ既刊について、読者からのおたより>

・絵で魅力いっぱいなので、「まえとうしろ〜」の決まり文句だけで読みすすめられるのが助かっています。
本物そっくりな絵が気に入ったようです。
・細部の説明もあり、実際に車が働く姿が思い浮かぶような気がして、親子で楽しい絵本です。
・メジャーな車だけでなく、マイナー(失礼ですが)な車も取り上げられているので、親も勉強になって嬉しいです。
(いずれもご家族から。読者年齢は2歳〜3歳ごろ)

<今作『さいがいで かつやくする くるま』について、Net Galleyに寄せられたレビュー>

・車が好きな子どもが楽しめるのはもちろんだと思うが、親子で災害について話をするときの橋渡しになってくれる気もする。
・前と後ろから見たものと横から見たものでは全然印象が違ってとても面白かった。 見せ方が上手な絵本です。
・災害が起こったときに出動する車なので、本当は出動しないことが一番なのかもしれませんが、絵本ならはたらく車を心置きなく堪能できますね!

今年は東日本大震災から10年となる節目の年。『さいがいで かつやくする くるま』をきっかけに、主な読者となる小さな子どもたちと、震災について考えてみてはいかがでしょうか?

書籍紹介

書名:『さいがいで かつやくする くるま』
作:こわせ もりやす
定価:1,200円+ 税
対象:3歳から
サイズ:25cm×21cm
ページ数:36ページ
ISBN コード:978-4-03-232540-9
発売日:2021年3月5日

著者プロフィール

作:こわせ もりやす
1976年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学芸術学部洋画コース卒業。第180回ザ・チョイス展入選(2011年)、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選(2012年、2013年)。雑誌、書籍、グッズなどのイラストレーションで活動。「まえとうしろ どんなくるま?」シリーズ1作目『どうろこうじのくるま』で絵本デビュー。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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