どろんこいいな、どろんこ大好き! 絵本で楽しむ「どろんこ遊び」
最初はちょっと水がかかっただけでも大騒ぎ。そのうち、なんだか面白くなってきて。気が付いたら、全身どろんこ。どうせだったらそのままどろんこの中へ…バッシャーン! ……ああ、気持ちいい。
どろんこ遊びって、だいたいこんな感じ。なってみると、味わったことのないその感覚に驚いてしまいますよね。でも、なかなか体験できないのもどろんこ遊び。いいなあ、やってみたいなあ。そんな憧れの気持ちも含めて絵本を楽しんでくださいね。
絵本で楽しむ「どろんこ遊び」
いつのまにか…どろんこだらけ!
いいですね 、とっても とっても いいですね…『どろんこおばけになりたいな』
どろんこって気持ちいいですよね。
茶色でやわらかくて……おひさまが当たるところはあったかくて……。
そんな土の感触をのびのび描いた、どろんこ絵本です。
「いいですね いいですね とっても とっても いいですね」
ゾウが足元のどろを、鼻と足先で触りながら入っていった……と思ったら。
「ずぶり ごろん ごろ ごろ ごろ」
どろに背中をすりつけ、嬉しそうなゾウさん。
そして……「どろんこおばけ~」。
まあ、ゾウさんたら本当にどろだらけ。
そこへやってきた子どもたち。
「なりたいな なりたいな どろんこ おばけに なりたいな」
わぁ、子どもたちも負けていません。
「ずぶり ごろん ごろ ごろ ごろ ……どろんこおばけ~」
そしてやってきたのは……本物のおばけ?
絵詞(えことば)作家、内田麟太郎さんによる、子どもとどろんこの“いのちの讃歌”。
「いいですね いいですね」とニヤニヤしちゃいます。
絵は石井聖岳さん。のびやかで素直な、土遊びの喜びがあふれています。
飛び跳ねて、ころがって、頭のてっぺんから足の先まで、あったかいどろんこに包まれます。
きれいさっぱり洗い流すまで、歌うように読み終えて、最後はやっぱり「いいですね」。
エンドレスで読みたくなる、どろんこバンザイの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
動物たちだって、どろんこ大好き!
彼が何よりも好きなのは…?『どろんこ こぶた』
お百姓さんのうちの、お庭の小屋に住んでいるこぶた。彼は、食べるのも、駆けまわるのも、眠ることも好きですが、何よりも何よりも……やわらかーいどろんこの中に、座ったまま沈んでゆくことが好きなのでした。お百姓のおじさんとおばさんは、彼を「世界一可愛いこぶだ」だと言って、それはそれは可愛がっていたのです。
ところがある朝、おばさんが張り切って大掃除を始めます。最初は家の中だけだったのですが、そのうち外の汚さが気になって、牛小屋を、馬小屋を、鳥小屋までも大掃除していきます。そして、とうとうこぶたの大事な「どろんこ」を掃除機で吸い上げてしまったのです! 「こんなうち、ぴかぴかすぎて、つまらないや。」かんかんに怒ったこぶたは、うちを飛び出してしまいます。その先でこぶたが見つけたのは……。
ローベルの作品の中でも、特に小さな子どもたちにも人気のあるこのお話。その理由は、こぶたがどろんこ遊びをしている時の顔が、それはそれは嬉しそうだからに違いありません。好きなことをしている時の顔って、こういうものです。だけど、少しの行き違いで、大変な出来事が起きていきます。ハラハラしますよね。でも大丈夫なのです。だって、おじさんもおばさんも、やっぱりこぶたを愛していますから。
どろんこに入っているのが好きだなんて、ちょっと変? いえいえ、それこそが一番「こぶた」らしいですよね。ローベルの描く動物たちは、本当に魅力的です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
どっちがしろねこちゃん?どっちがみけねこちゃん? 『にげろ!どろねこちゃん』
あそぶの大好き、いたずら大好き、しろねこちゃんとみけねこちゃん。水たまりを見つけて、大はしゃぎ! 夢中で遊んでいたら、あーあー、すっかりどろんこ。これじゃあ、しろねこちゃんもみけねこちゃんも、どちらもどろねこちゃんね。
「おふろに はいりなさーい」
おかあさんに言われたけれど、走って逃げるどろねこちゃん。タンポポの上を飛び越えて、かえるさんやぶたさんの上まで飛び越えて。そこらじゅうにぺたぺた足跡つけながら、とうとう……?
びっくりするほど、見事に全身どろんこの二匹。お母さんの大きな悲鳴が聞こえてきそうです。だけど、やっぱりこれが楽しいのです。絵本の中をのびのび自由に駆けまわる、元気いっぱいのこねこの絵本。明日もまた遊ぼうね、どろねこちゃん。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
上手にどろんこ遊び
ももんちゃんがつくりあげたのは?『どろんこ ももんちゃん』
さてさてももんちゃん、あめあがりのどろんこで、何をつくっているのかな~?
「どろんこ こね こね
こね こね どろんこ」
この繰り返しが心地よいリズムになって、ページをめくるたびにももんちゃんたちは何かをぺんぺんとたたいたり、よいしょよいしょとまるめたり、なでなでしたり。できあがったのは「どろんこじどうしゃ」!
さあ「ぶる ぶる ぶる ぶる ぶっぷー ぶ~~~~」と出かけます。
ももんちゃんのうんてんで、どこへ行くのかな?
とっても自由なももんちゃん。おでかけも、お友だちとばいばいまたね、も、ももんちゃんがひとりでできるんですよ。そうしておうちへかえったら、お母さんが待っていてくれるのかな。子どもの羽ばたく心が詰まっているなぁ~・・・と、かわいいももんちゃんの表情をたくましく感じる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ほかにもたくさん!
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