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絵本ナビニュース2023

『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている』共感すること、寄り添うことを描いた絵本

ガーディアン紙のBest Children's Books 2022(2022年に出版された中でもっともよかった子どもの本)選出

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178708

岩崎書店から『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている』(作:ジャーヴィス 訳:万木森玲)が、2023年1月19日に発売されました。

ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

ぼくのともだちは、あたまに はながさいている

ぼくの友達デイビッドは、頭に花が咲いている。デイビッドは、ふんわりしてて優しいんだ。
ぼくたちは、いつも いっしょに遊ぶ。
でも、ある日デイビッドの頭の花が散ってしまい・・・。

「ぼく」は、デイビッドの頭に花が咲いていること、その花が散ってしまったこと、その訳は問わず、悲しそうな友達のために胸を痛め、どうすればいいか考えます。
相手の事情を想像し、その立場にたってみること。
共感すること、ともだちにやさしい気持ちで寄り添うこと。
これらを、ちいさな子どもにもわかるように描いた絵本です。

やさしさにつつまれる絵本

ぼくのともだち、デイビッドは あたまに きれいな はながさいている。
デイビッドは、ふんわりしてて やさしい。あたまの はなびら みたいに。
ぼくたちは、いつも いっしょにあそぶんだ。
そんな あるひのこと——

どうしてこの男の子の頭に花が咲いているのか、なぜ散ってしまったのか。
その理由は、読者が想像するしかありません。「ぼく」にとっては、それはどうでもいいことのようです。
確かなのは、花が散って以来、ともだちに元気がないこと。どうすればいいのか、「ぼく」は一生懸命考えます。
大人にとっては、頭に花が咲いているなんて、唐突に感じられます。
しかし、この絵本のページを開くと、さまざまな子どもたちが一緒にいるインクルーシブな世界がそこにあります。困難な状況にあるともだちのことを、頭の花やそれが散ることで表現することによって、小さい子どもにも「ぼく」のともだち、デイビッドの苦境が理解できるようになっているのではないでしょうか。

今、日本や世界で、「共感」や「相手の置かれた立場に立ってみること」、「エンパシー」といった言葉が、注目されています。それはおそらく、異なる境遇に置かれた人のことを想像するのが難しくなっていること、難しい社会になっていることの裏返しではないでしょうか。
『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている』は、このように、多くのことを感じさせ、考えさせてくれる絵本ですが、最後に、シンプルでとても素敵な答えを「ぼく」が教えてくれます。

「ぼく」があなたの中のやさしさを引き出してくれるかもしれません。
ぜひ、この絵本を手に取って読んで、やさしさにつつまれてみてください。

内容紹介

ぼくのともだちのデイビッド。あたまにはきれいなはながさいている。

 

ぼくたちは、いつもいっしょにあそぶ。そんな、あるひのこと――

はなびらがとれてしまい……

《賞歴》
・The Guardian(ガーディアン紙)が選ぶ2022年のBest Children's Books 2022
(2022年に出版された中でもっともよかった子どもの本)
・2023年 Yoto Carnegie Awardイラスト部門(旧ケイト・グリーナウェイ賞)候補

書籍紹介

『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている 』
作:ジャーヴィス
訳:まきもり れい
出版社:株式会社岩崎書店
ISBN:978-4-265-85203-1
体裁:B4変型判
定価:1,760円(本体1,600円+税)
発売日:2023年1月19日

著者プロフィール

作:ジャーヴィス
グラフィックデザインを学び、レコードジャケットのデザイン、ウェブデザイン、アニメーション監督の仕事を経て絵本作家になる。『アランの歯は でっかいぞ こわーいぞ』『もぐらのモリスさん おうちにかえりたい!』『ホッキョクグマと南極のペンギン』『ついておいで フロー!』『トロピカル テリー』『クリスマスツリーをかざろう』(すべてBL出版)など多くの作品が刊行され、世界中で親しまれている。

訳:万木森 玲(まきもり れい)
神戸市に生まれる。広告会社、旅行出版社などを経て、長年、絵本や児童書の編集に携わる。翻訳作品に『おまえたち、くっちゃうぞ~!わにがめのアルとちいさなさかなたち』(岩崎書店)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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