【保育士がっちょに聞く】幼稚園・保育園で、入園・進級時に先生が読みたい絵本3選
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社が運営する保育園にて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
入園・進級時の読み聞かせのポイントとオススメ絵本3選
入園・進級時は楽しみな気持ち反面、不安で泣いてしまったり、保護者から中々離れられなかったり、様々な想いが入り混じる時期です。先生の関わりによって、不安な気持ちが和らぎ、園生活に慣れていきます。
子どもたちへの読み聞かせのポイントとオススメの絵本をご紹介していきたいと思います。
【1】膝の上でスキンシップを図りながら絵本を読む。
不安な子どもは、体を密着させることで、安心します。気持ちが落ち着いたタイミングで、絵本など視覚の刺激を入れることで、絵本の世界に入り込み、気付けば笑っているなんてことがよくあります。保護者の方に、家庭で読んでいる絵本を事前に聞いておいて、その絵本を読むことで、「知っている」「家にある」などの気持ちがより安心感に繋がります。
オススメしたい絵本の1つは『ばななせんせい』です。ばななせんせいは、私自身が理想とする素敵な先生です。
「保育園で先生とたくさん楽しいことができる」と想像を掻き立ててくれます。ばななせんせいの真似をして遊んでみれば子どもの心を掴むこと間違いなしです!
【2】興味・関心のある絵本を選ぶ。
当たり前じゃないか!と言われてしまいそうですが、絵本を選ぶときは、子どもの興味・関心あるものを見極め、選べると良いと思います。興味があることや関心が高いことは、大人ものめり込みやすいのと同じように、子どもも興味・関心するものの方がよりのめり込みやすいです。
保護者の方に好きな絵本や家で読んでいる絵本を事前に聞いてみても良いかと思いますし、子どもたちの身近なことに焦点を当ててみると、選ぶヒントがあるかもしれません。
入園・進級時は身支度の支度などを自分で行ったり、やり方が変わったりすることがあります。
そんな時は、『いろいろおしたく』がオススメです。
園に行くまでの様々なおしたくが描かれている1冊!読み終わったあとに、どのようにおしたくしているか、聞いてみても楽しいかもしれませんね。
【3】絵本の時間が安心できる時間にする。
年齢が低ければ低いほど、保護者と離れる不安が強くあります。絵本が安心の時間に繋がるよう、繰り返し同じ絵本を読んでみたり、泣いている時は1対1で読んでみたりするなど、「絵本の時間=安心」となるように意識してみましょう。例えば、保育園に来たら1冊読む、子どもの好きな絵本を毎日読むなどルーティン化することで、安心して園生活を送れることがあります。子どもによって違いはありますが、試してみる価値はあるのではないでしょうか?安心して園生活ができることで、園生活が楽しくなったり、ワクワクしたりします。
ワクワクする絵本のオススメとして『はじまる はじまる』をご紹介します。
こちらの絵本は、椅子をみんなで運び、椅子に座って、暗くなると…楽しいことが始まります。
楽しいことが始まる前に、読むと盛り上がるかもしれません!
入園・進級時は焦らず子どものペースを意識する。
1年を通して、子どものペースを考えた上で、子どもたちと関わるかと思いますが、入園・進級時はより意識して子どものペースを大切にしてあげると良いかと思います。子どものペースに合わせることで、子どもの実態がよく見えてきたり、信頼関係を早く築けたりします。先生がせわしなくしていれば子どもも落ち着きません。新年度の始まりこそ、ゆっくり丁寧に関われるように意識してみてくださいね。
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社が運営する保育園にて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。
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