<2025 岩波少年文庫フェアで3冊選ぶなら> 話題の作品から? それとも新刊から?

ただいま絵本ナビでは、「2025 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」を開催中!
子どもたちに「いつか出会って欲しい」
大人になってからも「いつか読みたい」
そんな名作が揃っている「岩波少年文庫」シリーズ。この特別なフェアの機会にお手元に揃えてみませんか。
こちらの記事では、話題の作品から新刊まで、今おすすめしたい作品をご紹介します。
「2025 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」その内容は……?
今回の特典は、エーリヒ・ケストナーの『ふたりのロッテ』『エーミールと探偵たち』の表紙をモチーフにした特製アクリルキーホルダー。
テーマ「岩波少年文庫」の中から、どれでも3冊お買い上げの方、先着120名様に1点プレゼントいたします。
※こちらの特典は、なくなり次第終了となりますので、お早めにチェックしてみてくださいね。
対象の「岩波少年文庫」作品はこちら
テーマ「岩波少年文庫」から、お好きな作品を自由に3冊お選びください。
特典のアクリルキーホルダーはこちら

購入の際、ご注意ください。
- テーマ「岩波少年文庫」から、岩波少年文庫3冊お買い上げにつき、特製アクリルキーホルダーを1個プレゼント致します。
※キーホルダーは『ふたりのロッテ』か『エーミールと探偵たち』のどちらかをお届けします。
※キーホルダーのお届けはランダムとなります。ご指定いただきましても対応が難しい旨、予めご了承ください。
- フェアの対象は、単品でのお買い上げに限らせていただきます。今回、セット商品は対象にはなりません。
- テーマ内作品3冊以上となる場合には、何冊購入でも、1注文につき特製アクリルキーホルダーは1個のお届けとなります。
フェア対象の3冊、どう選ぶ?
今年の話題作から選ぶ
2025年、今年の話題作は、ずばり「ゲド戦記」シリーズ! なぜなら、作家ル=グウィンの没後に公表された〈ゲド戦記〉最後のエピソード『火明かり』が5月末に発売されるのです。こちらは、最後のエピソード「火明かり」他、未邦訳短編の「オドレンの娘」、『夜の言葉』よりエッセイ3編、講演「「ゲド戦記」を“生きなおす”」などが収められた、日本語版オリジナル編集による別冊なのだそう。
『火明かり』は発売前のためフェアの対象とはなりませんが、「ゲド戦記」シリーズをいつか読みたいと思っていた方はこれを機に読んでみませんか。また、映画の「ゲド戦記」しか知らないという方にも原作を読んでみることをおすすめします。
またすでに「ゲド戦記」のファンという方も、あらためて読み返す機会にしてみませんか。
5/末に発売される「ゲド戦記」シリーズの最新巻!
まどろみながら彼は、はてみ丸のことを考えていた。あの小さな舟で旅した日々を――。作家の没後に公表された〈ゲド戦記〉最後のエピソード「火明かり」。ほか、未邦訳短編「オドレンの娘」、『夜の言葉』よりエッセイ3編、講演「「ゲド戦記」を“生きなおす”」などを収めた、日本語版オリジナル編集による別冊。解説=中島京子
「ゲド戦記」とは……
「ゲド戦記」は、アメリカの作家アーシュラ・K・ル=グウィンによるファンタジー小説シリーズ。舞台は、アースシーと呼ばれる、たくさんの島々と広い海からなる世界。そこでは、風や波と同じくらい自然に「魔法」が存在しています。
主人公はゲド。ある小さな島で生まれた少年で、並外れた魔法の力を秘めています。その才能が認められ、魔法使いの学校「ロークの学院」へと送られるのですが、若さゆえの過ちで自らの<影>を呼び出してしまいます。シリーズが進むにつれて、視点はゲドだけでなく、女性たちや子ども、社会の中で声を持たなかった人々へと移っていきます。
「ゲド戦記」は、児童書として取り上げられることも多くありますが、子どもの頃に読んでワクワクした人も、大人になって読み返すとまた違った意味が見えてくる、人生のさまざまな時期に出会いたい哲学的で奥の深い魅力が詰まった物語です。

フェア対象の第1巻から6巻はこちら
『岩波少年文庫 ゲド戦記(1) 影との戦い』
大魔法使いオジオンに、才能を見出された少年ゲド。自分に並はずれた能力がそなわっていることを知ると、魔法の力にさらに磨きをかけようと、魔法の学院に入る。得意になった彼は禁じられた呪文を唱え、自らの〈影〉を呼び出してしまい、〈影〉との果てしない戦いに引き込まれていくことになる。大賢人ゲドの若き日の物語。
『岩波少年文庫 ゲド戦記(2) こわれた腕環』
魔法使いのゲドが〈影〉と戦ってから数年後、アースシーの世界では島々の間に紛争が絶えない。ゲドは平和をもたらす力をもつという腕環を求めて、アースシーの東、アチュアンの墓所へゆく。墓所を守る大巫女アルハは、幼い頃より闇の者たちに仕えてきたが、ゲドとの出会いによって、自らの世界に疑問を抱きはじめる……。
『岩波少年文庫 ゲド戦記 (3) さいはての島へ』
大賢人ゲドのもとに、ある国の王子が知らせをもってきた。彼の国では魔法の力が衰え、人々は無気力になり、まるで死の訪れを待っているようだと。ゲドは若い王子を連れ、再び旅に出る。
『岩波少年文庫 ゲド戦記 (4) 帰還』
ゴント島で一人暮らすテナーは、魔法の力を使い果たしたゲドと再会する。大やけどを負った少女も加えた共同生活がはじまるが、3人は領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれてゆく。
『岩波少年文庫 ゲド戦記 (5) ドラゴンフライ』
ある少女が、自分の持つ力をつきとめるため、大賢人不在の魔法の学院ロークを訪れる。表題作を含む五つの物語と、作者自身による詳細な解説を収録する。『ゲド戦記外伝』を改題。
『岩波少年文庫 ゲド戦記 (6) アースシーの風』
故郷で暮らすゲドのもとに、まじない師が訪れる。ふたたび竜が暴れ出し、緊張が高まるなか、テハヌーは王宮に呼ばれ、使命を与えられるが……。アースシー世界を救うのは誰か。
2024年と2025年の新刊から選ぶ
まず、今年2025年の新刊から『木曜生まれの子どもたち(上・下)』をご紹介します。こちらは、2023年に同じく岩波少年文庫で刊行された『ナイチンゲールが歌ってる』の続編です。自身もバレエ教室を開いていたというイギリスの作家、ルーマ・ゴッデンによる代表作で、『バレエダンサー』というタイトルでも愛されてきた物語の新訳となります。
主人公は、同じ時にバレエ学校に入学することになった、姉と弟。弟は姉の受験にただついていっただけなのに、先生にその才能を見初められて……。
あとがきによれば、なぜ「木曜生まれ……」かというと、出どころは、イギリスのわらべ歌「マザーグースのうた」だそうです。新訳を手掛けられた脇明子さんのタイトルに込めた思いも感じながら、物語を楽しんでみませんか。
『岩波少年文庫 木曜生まれの子どもたち (上)』
美しく才能にめぐまれたクリスタルは、バレリーナをめざす少女。でも、舞台で賞賛されるのはなぜか、放ったらかしで育った弟のドゥーンばかり――自意識に葛藤する姉と、孤独をかかえながら才能にみちびかれる弟。困難にぶつかりながらダンサーを目指す二人の十年間。『バレエダンサー』として愛された物語の新訳。
『岩波少年文庫 木曜生まれの子どもたち (下)』
姉クリスタルに続き、バレエ学校〈クィーンズ・チェイス〉に入学したドゥーン。夢に見たバレエの園で、さっそく王立バレエ団の子役に抜擢される。悔しさを隠せないクリスタルは、ドゥーンの活躍を阻止しようとするが……。自身もバレエ学校をひらいていたゴッデンの代表作を、新訳で。『ナイチンゲールが歌ってる』姉妹編。
次に、2024年の新刊『山のバルナボ』をご紹介します。こちらは、『岩波少年文庫 古森のひみつ』を描かれたイタリアの作家、ディーノ・ブッツァーティのデビュー作で、日本初邦訳の作品だそう。主人公は、イタリア北東部の山岳地帯で任務にあたる、若き森林警備隊員。十二人の隊員とともに仕事をしていますが、彼だけがなぜか「バルナボ」と名前で呼ばれています。ある日、バルナボは不運としか言いようのない事件で職を解かれてしまい、苦悩の日々がはじまります。
登山家としても知られるディーノ・ブッツァーティの自然や動植物の描写の美しさも魅力の一冊です。
『岩波少年文庫 山のバルナボ』
若き森林警備隊員バルナボは、山岳地帯にある火薬庫が盗賊に襲われたとき、怖気づいて岩かげに隠れてしまう。解雇され山を離れたあとも、恥の意識に囚われつづけるバルナボに、やがて名誉挽回のチャンスがおとずれるが……。峰々のそそり立つ美しい自然を舞台に心の苦悩と平安を描きだした、イタリアの人気作家のデビュー作。
2023年の新刊から選ぶ
こちらは、『トウシューズ』として愛されたルーマ・ゴッデンの名作の新訳。2025年に刊行となった『木曜生まれの子どもたち(上・下)』へとつづく物語です。主人公は、生まれるのとひきかえにバレリーナだった母親を亡くし、母親の姉さんである「おばちゃん」に育てられ、親ゆずりの才能を明らかにしつつある少女、ロッティ。タイトルのナイチンゲールは、ロッティが、かつて偉大なダンサーだった、マダム・ホルバインから、「ナイチンゲールをきくのよ」という言葉を、遺言のように託されたからだそう。網中いづるさんの華やかな色合いの表紙が目を惹く本作。脇明子さんの新訳で、踊ること、生きることのよろこびに目ざめる少女の姿をお楽しみください。
『岩波少年文庫 ナイチンゲールが歌ってる』
バレエに打ちこむロッティは、おばちゃんとふたり暮らし。才能を認められ、寄宿制の王立バレエ学校を受験します。ところが一匹の子犬と出会ったことから、心に大きな秘密をかかえることに……。さまざまな出来事をのりこえ、踊ること、生きることのよろこびに目ざめる少女の姿。『トウシューズ』として愛された物語の新訳。
「いちばん大切なのは、楽しかろうが悲しかろうが子ども時代だ。忘れられないことは忘れてはいけない!』今回のアクリルキーホルダーのモチーフとなった作品を生み出した、エーリッヒ・ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝。主にケストナーの15歳までのことが書かれています。
『岩波少年文庫 ぼくが子どもだったころ』
貧しい家に生まれたひとり息子は、両親の愛情をまっすぐに受けとめて育ち、働きづめの母親を懸命に支えた。大好きな体操、個性的な先生たち、つらかったクリスマス、大金持ちになったおじ、母親との徒歩旅行……軽妙かつ率直に語られる数々のエピソードが胸に迫る。ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝、待望の新訳。
北欧の国フィンランドで、世代をこえて人々に愛されてきた13編のお話。作者は、フィンランドで「童話の女王」と呼ばれるアンニ・スヴァン。作風は、子どもたちの想像力をかきたてて、物語の世界を心ゆくまで楽しんでもらえるような、お話のおもしろさを重視しているのだそう。モノクロのペン画で書かれたルドルフ・コイヴ(児童書のすぐれた挿絵に贈られるルドルフ・コイヴ賞も創設されているそう)の挿絵とともにお楽しみください。
『岩波少年文庫 夏のサンタクロース フィンランドのお話集』
フィンランドの「童話の女王」アンニ・スヴァンの作品集。民話的なファンタジーと、現実の風景や暮らしを融合させた童話は、およそ百年前から人びとに親しまれてきました。春をむかえにいくお話、妖精や魔物の登場するお話、ドラマチックな愛のお語など、色とりどりの13編をえりすぐり、美しい挿絵とともに紹介します。
「オルコット一家」というのは、『若草物語』の作者オルコットのこと。こちらは、ドイツから移民としてアメリカへやってきた少女ロッタが、オルコット一家に出会ったという想定で書かれた、ドラマチックな物語。けれどもロッタはフィクションの少女なので、ロッタとオルコット一家が実際に会ったわけではなく、この物語はフィクションとノンフィクションが混ざり合っているところに面白さがある作品です。巻末にはこの物語に出てくる料理のレシピ集がついています。平澤朋子さんによる挿絵も、物語にとても合っていて1枚1枚をじっくり眺めたくなる素敵さです。
『岩波少年文庫 ロッタの夢 オルコット一家に出会った少女』
1848年11月。12歳のロッタは、ボストンの街をさまよっていた。祖国ドイツから約束の地にやってきたのに、父さんは酒びたりで仕事もうまくいかない。母さんが望む教育も、貧しい移民だから受けられない。失意の日々のなか、ロッタは貧民救済活動を行うオルコット一家と知り合い、自らの道を見つけだす。史実に基づいた成長物語。
今回、特典としてお届けするのは、岩波書店さん特製のアクリルキーホルダー。二十世紀ドイツ文学を代表する作家「エーリヒ・ケストナー」の『ふたりのロッテ』と『エーミールと探偵たち』がモチーフとなっています。バッグやポーチにさりげなくつけて持ち歩きたい、かわいらしいデザインです。


秋山朋恵(絵本ナビ副編集長・児童書主担当)
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