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考えよう!明日の地球とこどもの未来。はじめよう!今しかできないできること。

第1回 2100年の日本はどうなってる?未来からの天気予報!

酷暑が続く日本列島。気象庁も「災害と認識している」と発表し、話題になっています。

予測のできないゲリラ豪雨や竜巻の発生、気温の上昇によるさまざまな影響が災害となり、わたしたちの身近なくらしに大きな被害をもたらしています。近年では世界に誇れる日本の四季にさえ、目に見える、肌で感じる異変がおきています。まさに天変地異とはこのこと?今、わたしたちの地球になにが起きているのでしょうか?

 

そんなときです。驚くニュースがわたしたちの未来から届いたのです!

2100年の未来の天気予報。そこに書かれていた予報とは・・・?!

衝撃!?わたしたちの子どもや孫が生きる未来のお天気予報

緊急報告!2100年未来の天気予報を入手!

「2100年 未来の天気予報をお伝えします!~夏~」

「2100年の夏も全国的に猛烈な暑さです。

特に西日本や東日本では気温が上がり、高知県四万十市では、44.9度、名古屋で44度、東京でも43.6度と観測史上1位の記録を更新。この暑さの影響で、今年は今日までに熱中症で全国12万人が病院に搬送されています!昼間の気温が30℃以上の真夏日ですが、那覇で183日と6ヶ月、大阪で142日、5ヶ月近く、東京で107日、札幌でも47日となっています。この記録的な暑さはまだまだ続きそうです。」

まだまだ続く、衝撃の災害予測

そして、夏の異常な暑さに加え、冬でも夏のような気温が続きます。年々上昇していることはわかっていても、このように数字で認識すると本当にびっくりしてしまいますね。気温の上昇だけではありません!未来では、いろいろな災害が今まで以上にわたしたちに襲いかかります。

大雨情報、河川の氾濫に土砂災害、台風、そして干ばつ

「大雨情報です。

上空には強い寒気が入り、大気の状態が不安定になっています。全国の所々で、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り、河川の氾濫や土砂災害など被害が発生しています。」

 

ここでいう1時間に100ミリとは、20ミリ以上30ミリ未満で通常のどしゃぶり、50ミリ以上80ミリ未満の雨で滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)、80ミリ以上だと、息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感ずるレベルと考えると、大変おそろしい量の雨が全国で降っているということになります。

「大雨が降る地域がある一方、関東地方では、雨が降らず農作物が枯れるという被害が発生しています。」

大雨情報、干ばつによる被害に加え、突発的に台風がやってきます。

「ただ今、台風情報が入りました。

日本の南海上に、大型台風10号が出現しています。中心気圧は、895ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は、65メートル。

瞬間的には、90メートルという竜巻のような猛烈な風を吹かせる力を持った台風です。このあと、台風は、北上を続け、西日本から東日本の太平洋側に上陸する恐れが高くなっています。これまでに経験の無いような大雨、暴風、高波、高潮の被害が発生する恐れがあります。最大級の警戒が必要です!」

「以上、2100年から、未来の天気予報をお伝えしました!」

 

ちょっと衝撃的な内容のこの情報は、将来起こるかもしれない異常気象を小学生の子どもたちにわかりやすく伝えるため作成されたものです。正確な予測データに基づいた「未来の天気予報」は、決して大げさなものではないということ、大人のわたしたちこそ、このことについてもっと認識しないといけないのでは?とハッとさせられる情報なのです。

現実に今起きていること

気温の上昇が農作物にも影響!?

地球の気温が上昇することによって氷河や雪、氷がとけることはもちろん、それによる海面上昇や、陸の動植物、海の生物の絶滅の危機、サンゴの白化など地球全体への影響が出はじめています。さらに、わたしたちの身近な農産物にも影響が現れているのです。

 

昨今の夏の高温により、米の内部が白く濁ったり、米が割れるといった現象が起きています。

秋に色づくリンゴは、その時期に高温だといい色に色づきません。そのため大きく収穫時期にも影響がでているのだそうです。リンゴや米に限らず、様々な農作物に影響が出ているのです・・・

● 白米の異常

 

夏の高温で粒の内部が白く濁った米(左)と、正常な米(右)の断面

出典:環境省他「適応への挑戦2012」

● リンゴの異常

 

高温で色づきが悪くなったリンゴ(気温が高いほど影響が大きい)

出典:農業・食品産業技術総合研究機構「農業分野における温暖化の影響と適応策」(2014年)

原因は地球温暖化?

地球温暖化の原因をちゃんと子どもに説明できる?

温室効果ガスの謎? 二酸化炭素の性質を知る!

これだけわたしたちをとりまく環境を変化させてしまっている「気温上昇」の背景には、地球温暖化という現象が大きく影響しています。そして、温暖化の原因は、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類)の増加です。中でも「二酸化炭素(CO2)」の影響が最も大きいといわれています。

 

それでは、なぜ二酸化炭素などの温室効果ガスが温暖化の原因になるのでしょうか。

太陽光を吸収して暖められた地表面から熱(赤外線)が放射されます。この熱を温室効果ガスが吸収して、その一部を再び地表面へ放射します。この熱がさらに地表面や大気を暖めます。もし、温室効果ガスがなければ、地球の平均気温はマイナス18℃に下がってしまうといわれています。

しかし、温室効果ガスが増えすぎると、暖める効果も大きくなりすぎます。これが地球温暖化の主な原因といわれています。

この二酸化炭素は、電気を作ったり、ガスやガソリンを燃やすときなどに多く発生します。人間の活動が盛んになるほど、二酸化炭素も多く排出されているのです。そう、なにも考えず二酸化炭素をどんどん出し続ければ、将来的に気温はますます上昇・・・ということになってしまうのです!

このまま何もしなかったらどうなるの?

最大4.8度も地球の気温が上昇?!

さて、みなさん、過去132年(1880年から2012年)の間に世界の平均気温が何℃上昇したかわかりますか。

答えは、0.85℃です。1年間、気温には上下の変動があるので意外と小さいと思った人もいるかもしれませんね。それでは、同じ過去132年の間に日本の平均気温と東京の平均気温は何℃上昇したでしょうか。

 

実は、日本の平均気温は1.14℃、東京の平均気温は3.2℃上昇していたんです。世界全体の平均気温よりも上昇率が高いということ!!これは、かなりショックな事実です。

 

それでは、このあと世界の平均気温はどうなっていくのでしょうか・・・。

出典: IPCC AR5 WG1 政策決定者向け要約を基に編集

上の図は、地球温暖化分野の科学者など国際的な専門家が作る組織(IPCCといいます)が示した世界の平均気温の変化を予測です(1986年~2005年の平均気温を基準に、どのように平均気温が変化するか様々な分析結果をもとに作られたものです)。

 

図の青い部分はわたしたちが頑張って厳しい温暖化対策を取った場合の結果、赤い部分は有効な温暖化対策が取られなかった場合の結果となります。幅があるのは、分析によって結果の違いがあることを示していますが、全体的には同じような傾向を示しています。

子どもたちが大人になった2050年、孫たちが大人になった2100年の未来

今の子どもたちが大人になった2050年はどうでしょう?

実は、温暖化対策の有無によらず、同じように気温が上昇すると予測されています。温室効果ガスはすぐに大気中からなくなるものではないのです。それなので、これまでに人間の活動によって出されてきた温室効果ガスが影響して、気温はどうしても上がってしまうのです。

 

 でも、今わたしたちが頑張らないと、それがさらに将来へ影響していくのです。

それでは、孫たちが大人になった2100年は?

 

わたしたちが頑張った未来は少し気温の上昇が抑えられていますが、何もしないと大きく気温が上昇してしまうと予測されています。わたしたちがなにも対策をしなければ、冒頭でご紹介した未来の天気予報は本当の予報になってしまうのです。21世紀末には地球の気温が現在よりもなんと最大で4.8℃も上昇してしまうといわれています。

今、わたしたちにできることは?今しかできないできること!

子どもたちの未来を守るために今しかできない、できることがあります。

 

実は漠然とわたしたちが認識していたこの問題、もう、人事ではなくなってきています。

わたしたちが少しでも意識をして、行動することが、子どもたちの未来を確実に変える可能性をもっていること、忘れずにいたいです。

 

子どもたちにその大切さを伝えていくことが、今を生きるわたしたち大人のできることでもありますよね!

ぜひ、今日から今できることやっていきましょう。

二酸化炭素をださない!へらすためには?

二酸化炭素をださない対策としてはいくつかあります。知っておいてほしい大きな対策から身近にすぐできる環境にやさしい対策までご紹介します。

1.森を増やそう

 

二酸化炭素を吸収してくれる、緑や森を増やしましょう。

わたしたちも植林活動のボランティアや、寄附などができるかもしれませんね。

2.自然の力を利用しよう

 

太陽光発電、風力発電など、二酸化炭素をあまり出さないエネルギーを利用しましょう。屋根に太陽光パネルが乗っているお家もよく見かけるようになってきました。

3.自転車や公共交通機関を使おう

 

近所の外出は、車でなく、なるべく歩いて行ったり、自転車を利用すると二酸化炭素を出さない上に健康的!マイカーでなく、バスや電車など公共交通機関を使うのもエコになります。マイカー派のみなさんは、走るときに二酸化炭素をださない、電気や水素で走る車なども選択肢にいれてみるのもよいですよね。

4.エネルギーの無駄使いをやめよう

 

エネルギーを無駄にしないで大切に使うようにしましょう。見てないテレビ・パソコンや必要のない電気は必ず消しましょう。冷暖房の温度設定や冷蔵庫の開けっ放しにも注意。省エネの心がけは今すぐ実践できますね!

5.エコな商品をえらぼう

 

商品を作って・使って・捨てるまでに色々なところから二酸化炭素が出るのですが、あまり二酸化炭素を出さないような工夫をした商品もあるんです。もし、そんな商品を見かけたら積極的にえらんでみましょう。買い物の際に、エコバッグを使うのもよいかもしれませんね。

注:本記事の「2100年未来の天気予報」は、環境省が実施するIPCC report communicator事業で作成された資料を基にしています。

・ IPCC report communicator事業についてはこちら>>>

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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