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絵本をもって旅に出よう~絵本と過ごす、いつもと違う1日~

【絵本と旅に出よう】秋の海辺で親子のはじめて哲学絵本

秋の海辺ではじめる哲学の絵本

誰でもはじめられる「考えること」は「哲学すること」

秋の海は、夏とはまったく違う大人びた表情を見せてくれます。

静かな波音と灰色の海は、去ってしまった夏の落とし物がないか、ふと探してしまうような寂しささえ感じます。それでいて、なんだか不思議と心を落ち着かせてくれるので、ちょっとした考え事をするにはピッタリの場所のようです。そんな秋の海に、お気に入りの絵本を持ってお子さんとおでかけしてみませんか。お家の中で読む絵本が、いつもと違う言葉で語り掛けてくるかもしれません。目の前にはいつもと違う景色が広がるかも。「絵本と旅にでる」をテーマに、絵本を持ってでかけてみましょう。いつもと違う場所で絵本をひらいてみたら・・・。

 

今回は、秋の海辺で哲学してみようと思います。「哲学」ときくと、なんだか堅苦しくて難しいことのように思われがちですが、「哲学」のはじまりは、「考えること」。すごく身近な簡単なことでいいのです。お子さんと一緒になって、子どもに戻った気持ちで、はじめての哲学に挑戦してみましょう!舞台は、考えることにピッタリの秋の海。

 

では、早速ためしてみましょう。

秋の海が語る波の音に耳を傾け、哲学してみる

少しひんやり湿った風が肌寒いくらい。まずは、テトラポッドに腰をかけて、なければ砂浜に座って、波の音に耳を傾け、潮の匂いを感じてみましょう。海はどんな色?波はどんな感じ?

秋の風にすっかり表情を変えた静かな海は、哲学するのにピッタリ

1冊目は、文字のない絵本『アザー・サイド』(作・絵:イシュトバン・バンニャイ 出版社: 復刊ドットコム。)難しいことは考えず、この絵本を開いてみましょう。絵本には、一切説明がありません。こちら側とあちら側が描かれた、とても不思議な世界が広がっています。まずは、お子さんと一緒に、絵本の情景を観察してみましょう。

 

こちら側では、女の子は何をしている?

誰とどこにいる?そこは、どんな場所?

 

次に、あちら側をみてみましょう。

あちら側は観客席かな?だれがいる?どんな様子?

なにを見ているのかな?

 

ページを見比べていくことで「視点」がどんどん変わります。あちら側とこちら側の景色、こんなに見え方が違うのです。私が見ている景色とあの子が見ている景色は、何が違うかな?同じものを見ているのかな?会話をすることで、どんどん「考える」が面白くなっていきますよ。

※残念ながら、現在この絵本は品切れ重版未定となっております。

向かい合った互いの視点を体験できる不思議な絵本『アザー・サイド』(復刊ドットコム)

同じ作者が描いた視点がどんどんと変わる絵本

ZOOM

ハンガリーの絵本作家バンニャイがアニメーションのズーム・イン、ズーム・アウトの技法を絵本に持ち込んだ不思議な世界。鶏のトサカを見る視点が家から牧場、牧場からさらに広がり続けて、最後は地球さえ点となってしまうまでズーム・アウトする自由なまなざしの冒険。谷川俊太郎さんが本書のための書き下ろした詩作品・推薦文付き。
――わずか31の画面で捉えられた限りない世界の豊かさの面白さ、詩のようだ、音楽のようだ(谷川俊太郎/推薦文より)。

 

『ZOOM』作・絵:イシュトバン・バンニャイ 出版社: 復刊ドットコム
どんどんと画面から遠ざかっていく『ZOOM』作・絵:イシュトバン・バンニャイ 出版社: 復刊ドットコム

「にわとり」が先か「たまご」が先か・・・?

2冊目は、文字のない絵本『にわとり と たまご』(ほるぷ出版)。

今度は、もう少し注意深く考えてみます。にわとりが、たまごをうんだ。たまごから、にわとりがうまれた。そして、にわとりがまた、たまごをうんだ。そのたまごから、またにわとりがうまれた。にわとりが先なの?たまごが先なの?はじまりはどっち?永遠の「いのち」のループに「考える」が止まらなくなります。絵本の絵をじっくりとよく観察しながら、考えてみましょう。さて、その変わらない永遠のループに何かの変化を気づけたかな?大人も一緒に頭をぐるぐるさせて、考えてみましょう。

・・・・にわとり なのか たまご なのか・・・?

鋭い考察力で何かに気づく『にわとり と たまご』(ほるぷ出版)
にわとり と たまご

にわとりかたまごか・・・。
にわとりの黄色の足からはじまるこの絵本。

出版されたのは1969年。
絵本作家のイエラ・マリ、デザイナーのエンゾ・マリご夫妻の
絵本として親しまれている「文字」のない美しい絵本です。
シンプルで潔いその斬新な構図と芸術的な色彩は、
見るものの頭から余計な雑念を一切排除してくれます。
哲学的ともいえるテーマを題材に
「イノチ」のつながりを視覚的に見せることに挑戦した本作品。

大人はいろいろと理屈をつけて考えてしまうものですが
そんなに難しいものではないのかもしれません。

絵からよみとる、よみとるというより感じる絵本。
どこからはじめてもぐるぐると「にわとり」が「たまご」をうんで、
「たまご」から「にわとり」がうまれて・・・。
ページをめくるたびに時間が経過していきます。ゆっくりとゆっくりと。
成長していきます。
一周したら、必ず後ろの見開きをみてから表紙をみてください。
きっと何かに気づくはず。

子どもと一緒に読んでみたい絵本です。
一体どんな感想をきかせてくれるのでしょうか。ドキドキします。

 

(富田直美  絵本ナビ編集部)

ちょっと難しそうなテーマも、考えるクセがつくと哲学できる

ちょっとばかり難しいテーマを考えてみます。

海外では小さな頃から、考える授業があります。大人顔負けのしっかりとした自分の意見を子どもがもっているのは、日頃から考えるクセがついているから。具体的な例をあげて、「なぜ?」「どうして?」と考えることでもうすでに哲学は始まっているのです。「どっちが正しいの?」「どっちが間違っているの?」一つのテーマの中で考えを巡らすと、それぞれの正反対の考えを理解することがいかに大切か教えてくれます。人にはいろいろな考え方があるのだと知った上で、子どもたちはどう考えるでしょうか?大人も思わず、ハッとさせられるのが哲学。子どもと一緒に大人も考えてみてください。

子どもだって哲学(2) 自分ってなんだろう

「自分らしく生きよう」「自分を見失わないで生きよう」などといわれるけど、本当の自分って何だろう? 
オンリー・ワンな自分って何なんだろう? いま目の前にいる自分自身を哲学してみよう。

カッコイイってどういうこと?

NHKのEテレで放送された番組の書籍化。人形のQくんと、ぬいぐるみのチッチの掛け合いで、物語が展開します。この巻のキーワードは「たとえば?」。様ざまな例をあげることで、漠然としていた自分の考えを明確にしていきます。画像やイラストもたくさん入り、楽しく読みながら深?く考えることができる本になっています。道徳の教材にも使えます!

頭の中を整理することが楽しくなる、子どものための哲学本

これだけじゃ、物足りない!そんなお子さんには、もっと「考える」を特訓しましょうか。

『考える練習をしよう』(晶文社)では、いろいろなレッスンを紹介しています。さて、一通りレッスンが終わったころには、哲学するクセがついているはず。考える楽しさをおぼえると、この世界のすべてが「不思議」で「未知」にあふれていることを実感できるはず。大切なことを忘れそうになっている大人にもちょうどいいのかもしれませんね。

質問することはカッコいいんだ!『考える練習をしよう』(晶文社)
もののみかたは一つきりじゃない『考える練習をしよう』(晶文社)
考える練習をしよう

頭の中がこんがらかって、どうにもならない。このごろ何もかもうまくいかない。見当ちがいばかりしている。あーあ、もうだめだ! この本は、そういう経験のあるひと、つまり、きみのために書かれた本だ。みんなお手あげ、さて、そんなときどうするか? こわばった頭をときほぐし、楽しみながら頭に筋肉をつけていく問題がどっさり。

秋の海で哲学

いかがでしたか?

ちょっとしたきっかけがあれば、日々「哲学する」ことができそうですよね?

特に、場所が変わると、絵本はびっくりするほどいつも以上の存在感を放ちます。子ども達はその世界にくぎ付けになります。是非、外で絵本に触れてみてください。絵本と旅にでる。絵本はいつもそこにいて、いつでも扉を用意しています。きっと、絵本を使って「考える」を経験をした子ども達は、その思い出を胸に、新しい世界の扉を開いていくことでしょう。

 

是非、お試しください。大人にもとても効く方法かもしれません!

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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