ヨシタケシンスケさんの絵本が愛されるワケ。大人気絵本作家さんを大解剖!
絵本界に新風を巻き起こす!ヨシタケシンスケさんの魅力
MOE絵本屋さん大賞を4年連続第1位という偉業を達成したヨシタケシンスケさん。その魅力は子どもだけでなく、むしろ大人がはまってしまう新しくて少しシュールな視点かも。
人気絵本作家であり、2児のお父さんでもあるヨシタケシンスケさんを大解剖しちゃいます!
衝撃のデビュー作『りんごかもしれない』。今までありそうでなかった視点
全てはここから始まった…
ヨシタケシンスケさんの絵本デビュー作はこちらの「りんごかもしれない」。
この絵本を出版される際、出版社の営業の方から「絵本ってそうそう売れませんので、あまり期待しないでくださいね」と言われ、ヨシタケさんもその覚悟はできていたそうです。
しかしいざ出版されると、全国の子どもたち、親御さん、書店員さん、読み聞かせサークルの方々、幼稚園保育園の先生など、いたるところで大反響!物事を多角的に考える、これまでになかった全く新しい絵本として人々を熱狂させ、この年の絵本賞を総ナメにし、大ベストセラーとなりました。
ヨシタケシンスケさんワールドはここから始まった!
ある日、男の子が学校から帰ってくると、テーブルのうえにリンゴが置いてありました。
しかし、そのりんごを見て、とある疑問を抱いてしまった男の子。
「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」
りんごがりんごであることを疑う男の子の想像は、とどまるところを知らずにどんどん大きくなっていきます。
これはりんご型のメカかもしれない!? 機能満載、リンゴメカの解剖図!
らんご、るんご、れんご、ろんご!? 奇妙キテレツな形のりんごの兄弟たち!
ほんとはオシャレがしたかった!? いろんな髪形、りんごのファッションショー!
はたしてこれは本当にりんごなのか??
男の子が思い切って、ひとくちかじってみると……
奇才ヨシタケシンスケさんの大ヒットデビュー作!
小さなひとつの疑問から展開される、まか不思議なアイデアと想像力の壮大な世界。
りんごひとつで、こんなに話が広がるなんて!
どのアイデアもとんでもなくトッピなのに、常識も予想もぶち壊しながら、どんどん大きくふくらんでいくその発想に目が離せません。
デフォルメが強く線もとても少ないのに、見ればすぐにヨシタケシンスケさんだとわかる独特の絵。
それが、大暴走する奇妙な発想に親しみやすさを与えていて、一見すると怖いとあるアイデアも、なんだかくすりとさせられる不思議な雰囲気になっています。
表紙と裏表紙の絵も、謎が謎を呼ぶ不思議なりんごのオンパレード!
りんごひとつから展開される想像力の大暴走に、ビックリ大笑いの一冊です。
これぞ、ヨシタケ作品の真骨頂。考える「発想絵本!」
ヨシタケ作品の大きな魅力は、どんなことでもこんな風に多角的に考えることができるんだ、というアイディアを与えてくれるところです。
『つまんない つまんない』と『このあとどうしちゃおう』の2冊は、世の中では「当たり前」と思われていることにもこんなに様々なものの見方、考え方があるんだということを、読者に見せてくれています。
これはまさに、小さいころから実践できる「哲学」。
ぜひお子さんと一緒に読みながら、頭をほぐして色々な発想を楽しんでみてはいかがでしょうか? お子さんの豊かで柔軟な発想に驚かされること間違いありません!
ヨシタケシンスケさん独特の視点が光る!
絵本作家、ヨシタケシンスケさんが「つまんない」を絵本にしたら!?
誰もが経験する「なんかつまんないな…」という退屈な気分を、人気絵本作家が四方八方から解体! ユニークな発想を詰め込んだ絵本です。
ソファで男の子が「うーん…」と寝転がったり、足をばたばたさせたり、ソファからずり落ちたり…。
「う~~~~~~~~~~ん」と、うなったあげく、お母さんに「ねえ。つまんないんだけど」と訴えます。
お母さんの返事は「…じぶんでなんとかしてちょうだい!」
もう最初のこの見開きページだけで、「ある、ある、ある」と3回くらい相づちを打ってしまいます(私だけ?)。
子どもの頃に「つまんない~」と親に言ったことも、大人になってから子どもに「つまんないんだけど~」と言われたことも数えきれないくらいありますが、そこであえて、「つまんないってなんだろう」とまでは考えなかったかも…。
ヨシタケシンスケさん、もとい、絵本の中の男の子は考えます。ぐるぐるまきにされるのも、ちょっとずつ座るところを変えてみるのも、おもしろそうだけど…やっぱりあんまりおもしろくない。
う~ん、たしかに。
いったい何が「つまんない」で何が「おもしろい」なんでしょうね?
絵本を読みながら、ぐるぐる考える「つまんない」自分は、想像するうちにダンゴムシになったり自動販売機になったりして、いつのまにか「つまんない」じゃなくなっています。
これって、どういうことだろう?
「ん?」「あれ?」「そうか!」「いや、やっぱり…」
大人になったらつまらなくなくなるのか、それとももっとつまんなくなるのか。子どもの頃、ちょっぴり想像したようなことが、細かなイラストと手書き文字で掘り起こされ、ばっちり絵本に描かれています。
やっぱりヨシタケシンスケさんの本っておもしろい!
頭のあちこちを刺激され、思考する気持ちよさ、クセになりそう。
でも絵本まかせで「そう、そう」と喜んでうなずいていたら…、子どもには「大人って、やっぱりつまんない!」と思われそう……。
おじいちゃんを亡くしたばかりの男の子。
彼はある日、おじいちゃんの部屋で一冊のノートを見つけます。
「このあとどうしちゃおう」
そう書かれたノートには、自分が将来死んでしまったら、どうなりたいのか、どうしてほしいのかが書いてありました。
ピザ屋さんもいいな、クラゲもいいな。生まれ変わったらなりたいもの一覧。
天国ってこんなところにちがいない。テーマパークのような予想図。
こんな神様がいてくれたらいいな。いろいろな神様たち。
ナゾナゾが書いてある!?ころころ転がっちゃう!?建ててほしいお墓のデザイン。
おじいちゃんの絵と文字でいきいきと描かれる、ユーモアたっぷりな天国の姿。
それを読んで、男の子はとってもわくわくしてきました。
「ぼくも天国に行くのが楽しみになってきた!
おじいちゃんは、死ぬのが楽しみだったんだろうか?」
でも、ふと男の子は考えるのです。
「ちょっと待てよ。もしかしたら、逆だったのかもしれない─」
大ヒット作『りんごかもしれない』、『ぼくのニセモノをつくるには』に続く、ヨシタケシンスケさんが独特の視点で描く「考える絵本」!
『りんごかもしれない』で目に見えるものについて、『ぼくのニセモノをつくるには』で自分自身について考えることを描いたヨシタケシンスケさんが、今作で描くのは「生きることと死ぬこと」。
過去作に劣らない、奇抜でおもしろい発想でいっぱいの一冊です。
「豊かな世の中とは、どんなテーマでも品のあるユーモアで、きちんとふざけられる世の中のこと」
本作についてのインタビューでそう語るヨシタケさんの言葉通り、生と死をテーマにしているのにまったく重たくなく、天国に思いをはせるおじいちゃんの数々のアイデアが、おかしくてかわいらしい作品です。
とくに、「いじわるなアイツは、きっとこんな地獄にいく」と題された地獄の世界の予想図がとっても愉快!
じわじわとイヤなことばかりで、「たしかにこれはイヤだな~」と納得してクスクスさせられます。
おじいちゃんと同じように、「このあとどうしちゃおう」ノートを作ろうとする男の子。
ところが、いざ何を書こうかと考えはじめると、今の自分に必要なのは別のノートだと気づきます。
「自分が死んじゃったあとのことを考えようとすると、今生きているうちにやりたいことがいっぱいあることにきづいた」
公園と男の子とを描いた最後のページ。
おじいちゃんの「このあとどうしちゃおう」ノートを読んだ人にだけ、その光景の中に、男の子を見守るおじいちゃんの姿が見えるんです─
こんな本があってもいいんじゃない?ヨシタケシンスケさんが考えた!
2017年に発売された『あるかしら書店』は、「こんな本、あってもいいんじゃないの?」という様々なアイディアが盛り込まれた、また違ったタイプの「発想絵本」です。「およそ70年前に発明された『月明りだけに反応してボンヤリ発光する特殊インク』で印刷された『月光本』」など、これは妄想なのか事実なのか、読んでいるとだんだんその境目がわからなくなってくる……という、不思議な感覚に陥る作品ですよ!
書店や本にまつわるイベントなど様々なアイディアが紹介されていて、その一つである「書店婚」というアイディアを読んで、絵本ナビスタッフが実際に本屋さんで結婚式を挙げたんです♪
ぜひ、あなただけの本のアイディア、あなたならではの本との付き合い方を、本書を読みながら膨らませてみてくださいね!
いつの間にか忘れてしまった「子どもの視点」をヨシタケ作品を通してもう一度。
ヨシタケ作品のもう一つの魅力は、絵本の中に「子どもの視点」がふんだんに盛り込まれているところ。
「わたしはいまおこってる なぜなら、おとなはいろいろとズルいからだ」で始まる『ふまんがあります』では、子どもが感じる大人の矛盾について描かれています。
『もうぬげない』では、脱ごうとした服が脱げなくなってしまった男の子が、脱げないままでも生きていってやる!と必死に模索する姿が描かれています。
子どもたちは自分の気持ちが表現されている絵本に心から共感し、大人が読めば「あぁ、そういえば、子どものころこんなことを思っていた!」と、自分の幼少期の感覚を思い出すのでは?
大人になるといつの間にか忘れてしまう「子どもの目線」を、ヨシタケ作品を通してもう一度取り戻してみませんか?
ヨシタケさんの絵本を読むと子どもの頃の思考回路がよみがえる…
ヨシタケシンスケさんには、『りゆうがあります』で思いっきり笑わせてもらったばかりなのに。
追い打ちをかけるように、今度は『ふまんがあります』だって。
表紙の女の子の、どう見ても不機嫌な顔と「ふまんがあります」の吹き出し。
どんな「ふまん」があるのか、聞きたいような、聞きたくないような……ちょっと怖い。
「わたしは いま おこっている。 なぜなら、おとなは いろいろと ズルいからだ。」
女の子は意を決して、パパの部屋のドアをバーンと開けます。
「パパ!! わたしは ふまんが あります!」
さあさあ、くるよ。ふまんがくるよ。
「どうして おとなは よるおそくまで おきているのに、 こどもだけ はやく ねなくちゃいけないの?」
パパ、ピンチです。
「それはねえ…」
…すると!? 思いもよらない場面が繰り広げられます。
パパ、予想に反してとっても口が滑らか。『りゆうがあります』の男の子のひねり出す「りゆう」に引けをとっていません。そんな展開だったとは?
あとは、ひたすら笑っちゃってください。
「ふまん」VS「りゆう」の白熱する戦い、それはそれは見ごたえあるのです。
さて、最後に笑うのはどっち?
読み終わった感想は、さすが大人です。そして、さすが子どもです。
プライベートでは2児の父としての顔も。ヨシタケシンスケさんの人柄も魅力的!
1973年生まれのヨシタケさんは2児の父。
2017年に出版された育児マンガ『ヨチヨチ父』では、初めての育児に戸惑うお父さんの気持ちが、率直に描かれています。中には、お母さんが読むとびっくりするというかちょっと衝撃を受けてしまう内容も……?
でも、いろんな経験をしながら少しずつ「お父さん」になっていく姿がとても愛しく、これからお父さんになるお友だちへのプレゼントにもお勧めです!
新米パパにプレゼントしてみるのもいいね!『ヨチヨチ父』
「赤ママ」人気連載! 待望の書籍化!!
はじめて「父」になった戸惑いを描くヨシタケシンスケ初の育児マンガ
赤ちゃんってサルに見えるよね、
ママっていつもイライラしてるよね、
パパって何か蚊帳の外だよね・・・。
パパになってわかったトホホな真実とは! ?
これからもヨシタケシンスケさんから目が離せない!
最新刊の「こねてのばして」は、今までのヨシタケ作品にはなかった“読み聞かせ向きの絵本”という発想のもと、作られたそうです。これからも更なる進化を遂げていくヨシタケシンスケさん。
次はどんなアイディア、どんな発想が盛り込まれた絵本が誕生するのか……ますます目が離せません!
ヨシタケシンスケさんをもっと知りたい!
- 笑い飛ばそう!毎日が楽しくなるヨシタケシンスケさんの本3選!
- 「もう ぬげない」ごっこってなに…?今最も熱い絵本作家ヨシタケシンスケ爆笑絵本をご紹介
- 新米パパママへ贈る 子育てはツライ!?楽しい!? 本音トーク座談会
ヨシタケシンスケグッズもあります♪
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |