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絵本ナビニュース2019

詩人アーサー・ビナードさんのはじめての紙芝居『ちっちゃい こえ』刊行記念イベント

アーサー・ビナードさん(埼玉県東松山市「原爆の図 丸木美術館」にて)

アーサー・ビナードさんのはじめての紙芝居『ちっちゃい こえ』(脚本/アーサー・ビナード、絵/丸木俊(とし)・丸木位里(いり)「原爆の図」より)が5月20日に童心社より刊行されました。その刊行記念イベントが埼玉県の「原爆の図 丸木美術館」にて5月17日に行われました。

アーサー・ビナード(あーさー・びなーど)

アメリカのミシガン州に生まれる。五大湖の魚と水生昆虫に親しんで育ち、高校生のころから詩を書き始める。ニューヨーク州の大学で英文学を学び、卒業と同時に来日、日本語でも詩作を始める。『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。翻訳絵本に『ほんとうのサーカス』(BL出版)などがある。

「原爆の図」は、丸木位里・俊夫妻が描いた15部にわたる大連作です。ビナードさんは、「原爆の図」を鑑賞するための美術作品ではなく、観る人を傍観者から当事者へと引き込む装置なのだと感じたそうです。そしてそれは、来日まもないビナードさんをひきつけた、観る者を巻き込む力をもつ紙芝居とつながり、本作の制作がはじまりました。「原爆の図」の絵をもとに、切り取り、再構成し、7年をかけて独自の物語を紡いでいきました。

 

イベントでは、ビナードさんによる『ちっちゃい こえ』の実演のあと、デザインを手がけた美術家・谷口広樹さん、丸木俊さんの姪であり著作権継承者でもある丸木ひさ子さん、「原爆の図 丸木美術館」の学芸員・岡村幸宣さんが登壇し、トークが行われました。

デザインを手がけた谷口さんは、「覚悟が必要な仕事でした。丸木俊さん、位里さんから応援してもらっていると思えてきて。お二人の絵は、どんなに手を加えても壊れない強さがあります。」と制作期間を振り返りながら語りました。

絵を切り取り、再構成していったことについて、丸木ひさ子さんは、「アーサーさんがこの作品でやろうとしたことと、丸木位里・俊が『原爆の図』でやろうとしたことが同じだと感じました。丸木位里と俊が生きていたら、『おもしろいんじゃないの』と誉め言葉として言うと思います」という言葉には、客席から大きな拍手が起きました。

学芸員の岡村さんは、「『原爆の図』が紙芝居になったのは初めてのこと。アーサーさんの創作の様子を近くで見てきたけれど、『原爆の図』をもとにしながら、詩人ならではの“宙返り”をして、すばらしい作品になったと思います。たくさんの方に演じていただきたいです。」と観客に呼びかけました。

どこにでもありそうで、なかった紙芝居

紙芝居 ちっちゃい こえ

生き物たちはいろんな声を出している。ネコとイヌとハトをききくらべれば、それぞれまったく違うし、ニンゲンどうしでも十人十色、独自の声をみんなもっている。
けれど、どんな生き物でも体の中にはちっちゃい声をかかえていて、ひたすら命をつくりつづける。
ヒロシマの生き物たちには何がふりかかったのか? わたしたちはどうすれば生きていけるのか? 美しい絵からひびいてくるそのこたえに、ひとりひとり耳をすます紙芝居。

「原爆の図 丸木美術館」では、7月20日~9月1日まで、『ちっちゃい こえ』の制作の秘密をたどる企画展「紙芝居ができた!」が開催されます。
8月17日にはビナードさんも来場され、実演の予定です。夏休み、お子さんと一緒に体験し、考え、語り合ってみてはいかがでしょうか。
>原爆の図 丸木美術館のサイトはこちらから

 

>童心社 5/17「ちっちゃい こえ」刊行記念イベントレポート

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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