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パパも絵本を楽しもう!

【パパも絵本を楽しもう!】絵本ナビパパスタッフが選ぶ12月・1月の絵本

「子どもに読んであげる絵本を、パパが選ぶのってすごく楽しい。パパ自身がもっと絵本を楽しんだら、いろんなことを子どもと分かち合えるし、自分にも返ってくる。ママとパパ、複数の目線で選ぶと、子どもの本棚はすごく豊かになるんです。」  そう語るのは、絵本ナビスタッフの奥平亨パパ。2児のパパで、イベントなどでの読み聞かせ活動歴10年以上、ロングセラー絵本の知識はもちろん新刊情報もいち早くキャッチしている絵本のプロです。
たとえば、好きな詩を共有するように、パパも絵本を通して子どもたちに思いを伝えられたらいいですよね。
気負わず楽しく、パパ目線で絵本選び。奥平パパから子育て中のパパたちに向けて、絵本を選ぶコツと季節のおすすめ絵本を紹介します!

パパが選ぶ クリスマス・お正月に読みたい絵本

絵本は世界の入口~翻訳絵本を読んでみる

2018年に公開された映画『リメンバーミー』でメキシコの「死者の日」を知った方もいらっしゃるかもしれません。僕はその前、2015年に公開された映画『007スペクター』のオープニングでその奇抜な扮装による「死者の日」を観ていたので、ああ、あれか、と思ったのですが、息子と娘にとってはおそらく『リメンバーミー』が初めての「死者の日」体験。僕にとってメキシコは、エキゾチックで、きらびやかで、色彩あふれる街、という印象だったのですが、一緒に映画を観たことでそんな感覚を共有できたのではないかと思います。

子どもに世界を教えたい!そんなときには絵本がピッタリ! 海外の絵本の場合、特にその絵は文化的な背景や特徴、表現方法の独特さなんかを視覚的に感じることができ、とても魅力的です。今回はそんな中でもこの季節に超おススメ、『セシのポサダの日 クリスマスまであと九日』をご紹介します。

他の国について子どもと語り合うきっかけに

クリスマスまであと九日-セシのポサダの日

もうすぐクリスマス。メキシコの小さな女の子セシは、ポサダという特別のお祝いを初めてしてもらえることになり、期待に胸をふくらませています。 コルデコット賞に輝くすばらしい絵本です。

各国のクリスマスってどんなだろう?この絵本は上にも書いたメキシコのクリスマスの習慣である「ポサダ」というお祭りを迎えるまでの主人公セシの日々を描いています。

絵は、『もりのなか』などで知られる、マリー・ホール・エッツ。この作品でコルデコット賞を受賞しています。

モノトーンをベースに、部分的に差し色として使われているカラーがとても効果的で、かえって強い色彩を感じます。細かく描き込まれた市場や公園などの「日常」がとても素敵です。僕はエッツへの関心からこの本を手に取ったので、最初は“セシ”も“ポサダ”も何を意味するのか全く分からなかったのですが、おかげでメキシコの素敵なクリスマスの習慣を知ることができ、「他の国のクリスマス」に興味を持つきっかけとなりました。さあこれを読んで子どもとメキシコを語ろう!

好きな作者で探してみる

絵本の選び方のひとつとして、自分の好きなもの、興味があるもので探してみることをおすすめします。子どもの好きなもの、じゃなくて、まずは自分が好きなもの。絵本は子どもと一緒に楽しめるコミュニケーションツールですが、子どもと遊ぶのに、せっかくなら自分も一緒に盛り上がりたい。なにか「自分が好きなところ」があるものをチョイスすると楽しいと思います。そうすることで、パパの興味が子どもの本棚に反映されていくのも、なんだか嬉しかったりするものです。

たとえば、村上春樹。毎年ノーベル文学賞の候補と言われていますね。最近の大作もいいですが、僕は特に初期の作品群、『羊をめぐる冒険』や『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』なんかをむさぼるように読んだ世代で、とても好きな作家です。彼は翻訳者としてもとても多くの著作を出していますが、絵本も何冊か手掛けています。翻訳する作品を選ぶことで有名な村上春樹が選んだその作品、『急行「北極号」』をご紹介します。

村上春樹翻訳の絵本

急行「北極号」

クリスマス前夜、サンタを信じる子だけが体験する不思議な旅を描いた絵本。コルデコット賞受賞作。
サンタクロースを待つ僕のもとに現れたのは白い蒸気に包まれた汽車、急行「北極号」。僕はその謎めいた汽車に乗り込み、クリスマス前夜の幻想的な旅が始まる。森を抜け荒地を抜け、山を越えて汽車は北へ北へと進み…。

この作品などは、村上春樹の訳から入って、素晴らしい絵に出逢えた、という感じがします。雪の夜の幻想的な汽車旅行で連れていかれた先は「北極点」!。雪の中を北極号が走る、その窓から、また街の家々の窓から見える光の漏れ具合が最高。紙の後ろから光をあてたかのように輝いて見えます。芸術的に楽しめるので、絵本は小さい子どものもの、と思っちゃいがちなパパにもすんなり受け入れられるのではないかな。

「サンタクロースを信じている子どもたちだけが味わえる素敵な体験」というおはなし。我が家の中2の息子はもうサンタクロースは信じていないけれど、今年、改めてこれを一緒に読んでみようと思います。彼も、そして僕も、もう一度何かを信じてみたくなる、かもしれません。コルデコット賞受賞作。

読み聞かせにピッタリ

子どもたちがすでに知っている話は読んでいて飽きられる? いえいえそんなことは全くありません、逆です。子どもたちは「自分が知っている話」は大好きです。それに人それぞれ声や語りのペースは違うので、よく知っているお話でも違う人が読めばまた印象も変わるもの。低い声のでるパパだったら、たとえばえんま大王やどろぼう、ライオンやクルマなんかが語りだすセリフは、より迫力をもって読むこともできますよね。

そんな中でも昔話は、もともと口承で伝えられてきたので、声を出して読む読み聞かせにとてもよいと思います。ただ、最近では「これは知っているだろう」というような有名な昔話も聞く機会が減ったのか、知らない子も増えているようですが・・・。

今の季節、年末から正月にかけてののおすすめは『かさじぞう』です。

パパの声で、昔話の雰囲気たっぷりの読み聞かせ

かさじぞう

編み笠を作って暮らしているじいさんは、正月の餅を買うために、笠を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。そのうちに日が暮れて雪も降ってきたので、しかたなく戻ってくる途中、野原に立っているお地蔵さまに雪が積もっているのを見て、持っていた笠を全部かぶせてあげました。翌朝、どこからか橇引きの声が……。赤羽末吉の最初の絵本。

お正月を迎える前に、じいさんがかさを売りに町へ出たが売れずに帰ってくる途中、地蔵様が雪にまみれているのを見かねて売り物のかさをかぶせて帰ってきたあと、地蔵様から恩返しをもらえる、というこの有名な話。知ってる話だからこそ、文章に注目したいですね。瀬田貞二さんの再話は、方言を含んでいて、一文一文が短く、ただ読むだけで昔話の雰囲気を醸し出します。「よういさ、よういさ、よういさな・・・」と地蔵が出す掛け声がとても心地よく、ついついリズムに乗せて読んでしまいます。そういえば以前、神奈川県の二宮町というところでこの本を読み聞かせしたことがあるのですが、中に出てくる「かみちょうから、しもちょうへ、しもちょうから、かみちょうへ・・」というところ、二宮町にもこの地名があるそうで、とても喜ばれたのを思い出しました。
もちろん赤羽末吉さんの絵も素朴で最高にかっこよいです。

『おとうさんのクリスマスプレゼント』は、サンタさんからの卒業ということを考えるのに最適な絵本。パパが読んだら必ず泣きます! 12歳くらいからの子どもたちにおすすめです。

『ちいさなもみのき』は、一目惚れのジャケ買いです!  内容も素晴らしくて喜びはひとしお。直感を信じよう!

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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