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小学生におすすめの新刊

【小学1、2年生におすすめの新刊】『魔女のうらないグミ』

ムカムカがスッとするお菓子はいかが?

いつも近くにいるきょうだいや友達。ちょっとしたことでも、ついムカッとしてしまうことってありますよね。もしくはこれまでの嫌なことが積み重なって、怒りがたまりにたまってしまったということもあるかも!? もし、そんなムカムカがスッとするお菓子があったら、あなたは試してみますか? 夏の読書感想文の宿題にもおすすめの作品です♪

2020年6月発売の最新刊は‥‥‥しかえしができる?グミのお話

どんなお話?

夏休み。主人公のタケルは弟のリュウタに大切なキーホルダーを失くされて怒っていました。リュウタは勝手に、タケルのものをお絵かきに使ったり、遊んだりするのです。「なくしちゃった」と悪気もなく言うリュウタに対して、タケルが「リュウタのばかっ。どっかにいってしまえ」とどなると、ママに叱られてしまいました。

腹が立って頭も体もあつくてたまらなくなったタケルはつめたいアイスを買おうと、家を出ます。

すると、「うらなっていかないかい?」と、小さな屋台を出しているおばあさんに声をかけられます。「うらないグミ」と書かれたその屋台では、四角い箱がいくつもならんでいて、それぞれ『今日』『恋愛』『友だち』『勉強』などと書かれていました。おばあさんが箱の穴から取り出したものは五百円玉ぐらいの大きさでしずくの形をしたキラキラしたグミでした。しかし、タケルは、「うらなっても今日は悪いことしか出ないよ」と、リュウタのことを話すと、おばあさんは1週間分の今日のうらないが入ったグミの箱を取り出し、こんなことを言うのでした。「箱をふりながら、弟がきらいなものを七ついうと弟のふるえがとまらないほどのこわいことばかりが書かれた、最悪なうらないグミになるんだよ」。さて、この怪しいおばあさんの正体は? そしてタケルはこのグミを弟に試してみるのでしょうか?

どんな子におすすめ?

対象年齢は、小学校1、2年生におすすめですが、3年生でも十分楽しめるお話です。すべてのページに楽しいさし絵がたっぷり入っているので、ひとり読みのはじめにも、易しく読めるでしょう。またお話の続きが気になってどんどん読めてしまうと思いますので、読み終えた後には、1冊読み終えた自信にも繋がるのではないでしょうか。「魔女」「手作りお菓子」「しかえし」「うらない」このキーワードが気になった子は、ぜひ読んでみて下さいね。女の子でも男の子でも楽しめます。

ここが面白い!

  • 「グミ」(3巻)「あめ」(1巻)「ラムネ」(2巻)など、身近なお菓子が出てくるところが親しみやすい。
     
  • 「グミ」がとっても魅力的でキラキラ美味しそう。
    「五百円玉くらいの大きさでしずくの形」
    「銀色のふたがついたとうめいのあさいカップに、赤くて丸いグミが入っている」
    「ママのおきにいりのゆびわのように、キラキラ」
     
  • お菓子を自分で作って完成させる、自分だけのオリジナルを作るところにワクワクします
     
  • お菓子を作るときに、弟のきらいなものを挙げていく場面にドキドキします
     
  • 不思議なお菓子を渡してきた魔女は、いったい、いい魔女なの? それとも 悪い魔女?
    魔女ののぞみは、子どもを助けることではなく、うまくいったら町じゅうにグミを広めて、人間たちの悲鳴や鳴き声を響かせることだそう。けれどもちょっぴりドジで失敗してしまうところに愛嬌が。なんとなく憎めない、気になる存在です。
     
  • 助手のカラスがおっちょこちょいなのも面白さのひとつ。それが原因で、最後は思いもかけない展開が!?
     
  • 読むと、主人公の気持ちを一緒に味わったかのような体験ができます。
    兄弟に腹がたってつい何かしてやりたくなる気持ち
    悪口を言う時にどこか感じる後ろめたい気持ち
    弟が本当に怖い目に遭ったかもしれないと不安になる気持ち

読者の声をご紹介します。

こちらの魔女シリーズ。これが確か3冊目だと思います。
前に出ていた2冊も楽しかったので期待して購入しました。
そして期待通り、読み終えた娘からは「楽しかった!」の声が。
内容的には、挿絵が多いので、小学1年生から読める児童書だと思います。
娘のように3年生でもまだまだ楽しめます。ぜひもっとシリーズで出してほしいです。
(りおらんらんさん 40代・ママ 女の子9歳、男の子5歳)

合わせておすすめ! 1巻と2巻も一緒に読んでみよう

1巻目は2019年の課題図書としても話題となった『魔女ののろいアメ』

魔女ののろいアメ

みどころ

家族のことを、好きかと聞かれたら?
この物語の主人公「サキ」は、今はとても「好き」だなんていえる気分じゃないようで……

「おねえちゃんなんか、だいきらい」

サキは、お友だちと遊びにいってしまったおねえちゃんの代わりに、借りた本を返すため図書館に向かっていました。
重たい本がたくさん入ったカバンのせいで、肩はズキズキ、心はイライラ……
「おねえちゃんの、ばか、ばか、ばか!」
おねえちゃんの悪口をいいながら道を歩いていると——

「おじょうちゃん、アメ、いらないかい?」

サキに話しかけてきたのは、なんと魔女の飴屋!

魔女はサキに、「おすすめの、とっておきのアメ」を売ってくれました。
それは、だれかの悪口を10個言いながら混ぜるととてつもなく不味いアメになるという、「のろいアメ」でした。
「のろいアメ」はあまりにもまずくて、それを食べた人は丸一日気絶したまま目覚めないといいます。

のろいアメを完成させるために、おねえちゃんの悪口を考えるサキ。
10個どころか、20個でも30個でも言えてしまえそうだと意気込むサキだったのですが——?
(続きはコチラ>>>

読者の声より

お姉ちゃんが図書館で借りた10冊もの本の返却を押し付けられて不満たっぷりの妹。そんな妹がアメ屋の魔女に出会う。魔女は、魔女から買ったのろいアメでお姉ちゃんを一日気絶させてしまえばいいというけれど・・・。のろいアメを作るのに必要なのは悪口10個。嫌いな相手でも悪口10個って意外と出せないものですよね。妹も悪口を考えている中で、逆にお姉ちゃんの良いところを言ってしまったり。その妹の姿に、兄弟ってけんかばっかりだけどちゃんと絆が育っているんだよなあとほほえましく思いました。何とか完成したのろいアメをお姉ちゃんが食べそうになったときは、私もハラハラドキドキ。結末にもオチがあって、最後まで夢中で読めてしまう本でした。

(花ズッキーニさん 30代・ママ)

2巻目は、いじめっこに仕返しするぞ! 『魔女のいじわるラムネ』

魔女のいじわるラムネ

出版社からの内容紹介

学校の帰り道、トモヤは後ろの席のワタルくんにされたいじわるを思い出して、イヤな気分です。ワタルくんは、授業中にトモヤのことをつっついてきたり、小さくて幼稚園の子みたいと笑ったりするのです。
トモヤが公園にやってくると、「ラムネ屋」と書かれた屋台を見つけました。すると、屋台の魔女は、「イヤなことがあったようだね」と言い当てました。トモヤがワタルくんの話をすると、「いじわるラムネ」をすすめてきました。それは、されたいじわるを言いながらつくるラムネで、食べるといじわるをされた時のように悲しくてくやしい気持ちになると言うのです。トモヤは、ワタルくんのいじわるを思い出しながらラムネを5こつくりました。
ラムネをつくり終わると、ちょうど公園の近くを通るワタルくんを見つけました。トモヤがワタルくんの後をついていくと……。

読者の声より

意地悪だと思っていたワタル君が、不器用なだけで、実は優しい気持ちも持っていたと分かり、思わずウルッと来ました。
私の息子も、幼稚園の頃はお友達との距離感がうまく掴めず、意地悪をしたと相手から誤解をされてしまい、しょげている事があったっけ。
トモヤ君はワタル君の優しさに気づくことが出来ましたが、人には二面性があるという事に気づくのは、小学生にとってはなかなか難しいもの。全国のワタル君にエールを送りたい気分になりました。

(miki222さん 40代・ママ 男の子8歳、女の子6歳)

いかがでしたか?

楽しくワクワクしながらも、主人公の気持ちを自分も体験したかのように感じられるのがこちらの作品の良さ。どんなに腹がたっていても、何かがきっかけとなって、きょうだいや友達の良いところに気づいたり、自分が実は相手を大切に思っていたことに気づけたり。自分の中にあるさまざまな気持ちと出会うきっかけにぜひ読んでみて下さいね。

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

掲載されている情報は公開当時のものです。
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