とろとろ、ぽったん。ぽたぽたぽた。お月さまが溶けたら…どんな味? おいしそうなお月さま絵本
夜空を見あげれば、そこに輝くまんまるのお月さま。黄金色のその姿を見ていると……あれあれ。なんだか美味しそうに見えてきた? お月さま、実際に食べてみたらどんな味がするのでしょうね。みんなが想像する「おいしそうなお月さまの絵本」を集めてみましたよ。
お月さまって、どんな味? 「おいしそうなお月さま絵本」
とろとろ、とろーり。月がたれてきた…!?『おつきさまのパンケーキ』
夜空にぽっかり浮かんだ、まんまるおつきさま。
「おいしそう。たべたいなあ」
あらあら、たぬきさんったら食いしんぼう。
すると……とろ、とろとろ。
「わあ」
なんと、おつきさまがとろとろ溶けだしてきた!
これは大変。慌てて用意したのは、フライパン。
バターも入れてね。とろけたお月さまで焼きあがったのは?
表紙に登場するのは、お月さま? それともパンケーキ?
黄金色に輝くお月さまもパンケーキも、とにかくとにかく美味しそう。
絵本の最初から最後まで、ずっと目が釘付けに。
ああ、早く満月の日にならないかな。
真珠まりこさんがお届けする、不思議なたべもの絵本。これは食いしんぼうさん達の秋の定番になりそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
あんまり暑くて、お月さんがとけてはるがな…『お月さんのシャーベット』
「それは それは ねぐるしい
なつの ばんやった。
あつくて あつくて ねるどころか
どうしようもあらへん。」
冒頭からすぐにその熱気が感じられます。そして、ぼんやりと浮かぶ月と、集合住宅の様子。表紙の絵からも、ペク・ヒナさんの独特の世界観が伝わってきます。
「ぽた……ぽた…ぽた
なんのおとやろ? お月さん とけてはるがな」
「えらいこっちゃ」しっかり者のおばあちゃんが、お月さんのしずくをたらいで受け取って、どうしたと思いますか? なんと、シャーベットの型に流し込み、冷凍庫に入れて凍らせるのです。ところが、エアコンや扇風機、冷蔵庫フル稼働の集合住宅が停電すると、おばあちゃんの部屋だけシャーベットの光がともっているではありませんか! それはとっても映像的でドラマティック。そして、集まってきた住民に、おばあちゃんがふるまった、シャーベットのお味は? 想像してみてくださいね。
さて、もう一つの難題「消えたお月さんをどうするか」。これもまた、不思議で、ロマンティックで、それでいて妙に納得の解決策ですのでお楽しみに。今夜のお月さんを見る目が変わるかもしれませんね。
『天女銭湯』『あめだま』などの作品で注目を集め、2020年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞されたペク・ヒナさん。インパクトのある粘土人形とアングルで独特な世界が印象的でしたが、今作は少し趣が違います。ペク・ヒナさん初期の作品で、紙で作った人形とミニチュア模型が織りなす世界です。長谷川義史さんの軽快で愉快な大阪弁も、世界観を盛り立てくれます。
このシチュエーションと表現方法だからこそ味わえるリアリティ。視覚、聴覚、味覚、体感フル稼働で楽しんでください。住民たちの個性豊かな部屋もサブストーリーとして見逃せませんよ。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
食べちゃう?
きれいなお月様のお話は結構ありますが、この本は真ん丸なお月様を食べちゃうお話です。たしかに1歳の次男はお月様を見るとパンといってますし、丸いまんじゅうやおせんべい、丸い食べ物ってたくさんありますね。お好み焼きにまでなっちゃうなんて驚きました。ソースとマヨネーズ!主人公の子が食べたいなっていう顔をして、にやっとしている嬉しそうな顔が子どもらしくていいな。
(もぐもぐもぐもぐさん 30代・ママ 男の子4歳、男の子1歳)
まんまるお月さまに会いたいな…
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