うっとりするような月夜の晩…。大人が味わう極上の絵本
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月の光が世界を照らす、静かで美しい満月の夜。
それは昼間の世界とは全くちがって…
うっとりするような月夜の絵本。
家族みんなが寝静まった後。
仕事を終えて、ゆっくりとベッドに入る瞬間。
自分だけのために絵本を開いて、贅沢な時間を味わってみてはいかがでしょう。
■ 秋の夜長のおともに選ぶのはどの絵本?
センダックが描く幻想的な夜の情景
くたびれたおひさまが、空から丘へ降りてくる。
すると……月がのぼった!
静かな暗やみの世界に満月が浮かぶと、
ひんやりとした庭に月明かりが差し込んでくる。
池ではきんぎょがぎんぎょと遊び、年寄りカエルが鳴きはじめる。
月の光に誘われてやってきたのは、はだしの子どもたち!
風に吹かれて髪がボサボサになるのもかまわず、みんな踊りだす。
夜の木に登り、歌をつくり、こわーい話をする。
草のうえでとんぼがえりだってする。
どんどんふくらむつきふうせん。
ジャンプすればさわれるかな。
ぼくたちはムーン・ジャンパーだ!
子どもたちは、満月に照らされた幻想的な夜の庭で、歌い、踊り、遊びます。
その夜の情景の美しさといったら……。
見ているだけで、冷たい空気、足の裏にささる芝生、ほほをなでる心地よい風を感じます。
『木はいいなあ』の作者ジャニス・メイ・ユードリーの詩的な文章に、他の作品とは少し趣の違う、繊細でうっとりするような色彩で絵を描いているのは『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダック。
生き生きとした子どもたちの言葉、躍動する身体から、彼らの喜びが伝わってきます。
子どもたちはきっと、読むたびにこの特別な夜の時間を体験していくのでしょう。
1960年コルデコット・オナー賞受賞作品です。
おつきさまがいいよるは
あかりをけしてごらん。
お月さまがまるくて明るい夜は、
そらがどこまでも青くてきれい。
おさんぽすると、お花も木もいきものも
みんな生きてる。笑ってる。
暗い森にも、お月さまの光がこぼれて
きこえてくるのは、お月さまのうた。
夜の静かな時間。
青くて月の美しい夜を描いた絵本です。
絵本の中で、幻想的な月夜とあそぶ子どもたち。
心があらわれるような優しい夜の世界が待っています。
『おつきさまなにみてる』のなかじまかおりさんの描く夜の世界は
いつまでもその中に包まれていたいような
ページをめくると、自分の中に月が満ちていくような気がします。
この絵本は、なかじまかおりさんご本人が作詞されたNHK「みんなのうた」の
『おつきさまのうた』をもとにあらたに絵本にしたもの。
なかじまさんの奏でる月のうたは、なんて心地よくてやさしいのでしょう。
見返しに譜面もついています。
眠るまえのひと時。やさしい声でやさしい気持ちで子どもに読んであげたい絵本です。
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友だちのいない青年とおつきさまとの絆を描く、現代ロシアの心あたたまる絵本
今晩はどしゃぶりです。
お月さまもびしょぬれ。
風邪をひいて、浮かんでいるのもつらくなったお月さま。
地面におりて湿った草の上で横になっていました。
その様子を偶然見つけたイワンさんは、
熱があるお月さまを連れて帰って看病することにしました。
お月さまとの交流を描いた優しく美しいお話。
作者は、ロシアの現代美術をリードするアーティストであり、
イラストレーターのレオニート・チシコフさん。
チシコフさんは、2003年から「僕の月」というアート・プロジェクトの中で、
光る三日月のオブジェを世界各地で撮影し、残しています。
現実の世界にお月さまが本当に地上に降りてきているような素敵な情景。
その世界観を絵本で表現したのが本作です。
お月さまとイワンさんが語らうシーンはなんとも幻想的で
居心地の良い上質な静かな時間が流れていきます。
二人の交流とどこまでもロマンチックで夢のある描写にうっとりとする絵本です。
静かに過ごしたい夜は…
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