あいはらひろゆきさんが遊びに来てくれました!
『くまのがっこう』シリーズでもおなじみ、絵本作家のあいはらひろゆきさんが絵本ナビに遊びに来てくれました。
あいはらさんは今年1月に、ちゅうがんじたかむさんとの絵本ユニット・たあ先生名義で『はっはっはくしょーん』という絵本を発売したばかり。たあ先生結成の経緯から『はっはっはくしょーん』が完成するまでのお話を、絵本ナビ代表の金柿がうかがいました。
意外な展開が読み聞かせ会にもぴったり!
【全国の幼稚園・保育園1000人の子どもたちとつくった絵本】
いたずら好きの くしゃ虫くん
かめさんに ぶ――ん
はっ はっ はっ
はくしょ――――ん!
全国の幼稚園・保育園での読み聞かせアンケートを元につくった絵本。「次はどうなるのかな?」と子どもたちの想像力がふくらみ、コミュニケーションがうまれます。
さあ、みんなでいっしょに はっ はっ はくしょ――――ん!
子どもたちの意見をダイレクトに取り入れた絵本
あいはらさん
「ある年の夏休み、旅行で行ったハワイのプールサイドでぼんやりしていたら、これまでの自分は“絵本”というものの半分の領域にしか触れてこなかったと気づいた瞬間があったんです。そして、これまで触れてこなかった領域こそが絵本の真髄なのではと。そのことを改めて考え、思いついたことを今回の絵本にまとめました。
『はっはっはくしょーん』は、私の出身地でもある仙台の保育園の先生や子どもたちとやりとりをしながら作った絵本です。
東日本大震災のあと、慰問で震災被害を受けた保育所を回り始めて8~9年経ちますが、その間に親しくなった先生に作品の途中経過を送り、動画などで子どもたちの反応を見せてもらいながらブラッシュアップしていきました。
絵本の読者は子どもたちですから。
自分は絶対受けると思ったアイデアが案外受けなくて、受けないと思ったものが大人気だったりと、子どもの意見をダイレクトに聞いて作るのは面白かったですね。最終的には27~8の園の子どもたちに意見を聞いて作りました」
金柿
「『はっはっはくしょーん』の魅力は、“単純に見えて、実は難しい”ところですね。
読みながら、次は「はくしょん」が来るだろうなと思ったらそれにプラスした要素があるので、知らない子は驚く。
そして、作品内での説明が最小限ですよね」
あいはらさん
「この絵本の読み聞かせの現場を見ていると、元気な男の子が立ち上がって「ああなる、こうなる」と言い出すんですよ。
読み聞かせが2回目、3回目になっても「次はこうなるんだぜー」と言いながら喜んでいましたね。ほかに、2歳半の子がお母さんにこの絵本を読み聞かせているのも見ました。
子どもは自分が読むことでお母さんが喜んでくれるのがうれしいんですよね。それくらい小さな子でも読み聞かせができるくらいシンプルな絵本なんです。
これの前に考えたのは風船の絵本で、「割れそう、割れそう、きゃー!」とハラハラするようにやってみたんですが、子どもたちに見せてみても全然受けませんでした。子どもたちは自分で風船をふくらますことができないので受けないんですよ。そういうことはやってみないとわからなかったですね」
「たあ先生」の名前の秘密と今後の予定は?
金柿
「かがくいひろしさんもご自身の体験を元に絵本を作っていました。
以前私も絵本を作ったことがあって、「できるかな?」「できた!」のような展開にしたのですが、子どもたちは全然見てくれませんでした(笑)。絵本は深い!」
あいはらさん
「『くまのがっこう』の読み聞かせでは、みんなが聞き入っているので「これでいいの?」という
ざわざわした気持ちでいます。
子どもたちが楽しそうに絵本を見てくれるのは初めての体験です」
金柿
「私もおはなし会を16年くらいやっていますが、シンプルな絵本でも、子どもたちの反応はものによって全然違う。読んでみないとわからないですよね。
『はっはっはくしょーん』は、カバーの見返しに園の名前が入っているのもいいですね。ちなみに、作者名の「たあ先生」とはどう決まった名前なんですか」
あいはらさん
「絵を描いた ちゅうがんじたかむ の「た」と あいはらひろゆき の「あ」で「たあ」。それに、保育園の先生たちと一緒に作った本なので「先生」をつけました。
5月にはサッカーの絵本を出す予定です。サッカーって、背の高さに関係なくボール1個あればできるスポーツでしょ。そういうサッカーの多様性みたいなものを表現した絵本です。子どもたちは4~5歳からサッカーを始めるけど、その頃に読める絵本がないんです。
だからそういう本があったらうれしいと思って。中村憲剛選手が監修してくれています」
金柿
「それは楽しみですね!ぜひまた、絵本ナビにも遊びに来てください。本日はありがとうございました」
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