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子どもと絵本のエピソード

【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!大人数での読み聞かせにおすすめな絵本5選

現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。

大人数(20~30名程度)向けの絵本5選

前回は少人数(1~5名程度)向けの絵本をご紹介しましたが、今回は、大人数(20~30名程度)向けの絵本をご紹介していこうと思います。1クラスの子どもたちに読む想定で絵本選びをしていますので、参考にしていただければと思います。

遠くからよく見える絵本

まずは、大人数でもよく見える絵本(遠目がきく絵本などとも言います)を選ぶということです。イメージ的には、小さい絵本は大人数には向かない印象があるかと思いますが、実はそんなことはありません。

 

偕成社の『どっちのてにはいってるか?』は、手に収まる程度の絵本ですが、大人数の読み聞かせの際には、重宝する絵本の1つです。

シンプルに見開き1ページに1人の登場人物だけ描かれているので、30人くらいの子どもたちと楽しめたりもします。ゲーム感覚で楽しめる絵本としてオススメです!
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あてて・あててえほん どっちのてにはいってるか?

どちらかの手になにかを隠して「どっちの手に入ってるか?」を当てるのは、
小さな子にもなじみぶかく、人気の手遊びです。これを絵本のかたちで楽しめるよう
構成しました。あたたかな色合いの絵で、親子一緒に楽しめる絵本シリーズです。

体を動かして遊ぶ絵本

次にご紹介するのは、ポプラ社の『はっけよーい』です。こちらは、絵本に登場する動物たちと相撲をしていく絵本です。みんなで、絵本に向かって「はっけよーい のこった のこった」と勝負をしていくと、ついつい夢中になってしまいます。

絵本があまり好きではない子どもも思わず引き込まれてしまうのではないでしょうか。読み手の先生も気付けば、ヒートアップして行司(相撲で進行・勝負の判定をする人)のように、熱が入ってしまうこと間違いなし?!

はっけよーい

「はっけよーい」「のこった のこった!」「えいっ!」の繰り替えしが楽しいおすもう絵本です。お子さんを膝にのせて、張り手をしたり、園やお話会でみんなでしこをふみながら、倒れる真似をしたり、さまざまな読み方で楽しめます。次はどんな対戦相手かな? とページをめくるワクワクが止まらないお話です。

うたって楽しむ絵本

こんな絵本もあります!最初から最後まで歌いながら物語が展開していく絵本。赤ちゃんとママ社の『うたう!ももたろう』と『どんぐりころころ おやまへかえる だいさくせん』です。

 

耳馴染みのある「ももたろうさん ももたろうさん おこしにつけたきびだんご~♪」や童謡の「どんぐりころころ」のメロディに合わせて物語が進んでいくのです。子どもたちも耳馴染みのあるメロディなので、気付けばみんなが絵本の世界に入って楽しんでいる場面を何度も経験した絵本です。

絵本を読んだあとは、フレーズを口ずさむ子ども続出!クラスみんなで楽しめる絵本だと思います。

うたう! ももたろう

うたう! ももたろう

よんで楽しい! うたって楽しい!
ぜーんぶうたえる「ももたろう」!

ご存知、あの「ももたろう」のお話が、全部歌える楽しい絵本になっちゃった!
読みきかせても歌いきかせても、いっしょに歌っても盛り上がります。
赤ちゃんからパパ・ママ、おじいちゃんおばあちゃんなどなど、みんなで歌って遊んでね!

どんぐりころころ おやまへかえるだいさくせん

どんぐりころころ どんぶりこ~
まるごと、うたえる絵本!

自分が楽しいと思える絵本

最後にオススメするのは、自分が読んで楽しいと思える絵本です。

子どもたちに絵本を読む上で「良質な絵本や長く読み継がれている絵本を読まなければ…」という気持ちはありませんか?昔の私は、そんなことを考えながら絵本選びをしていたように思います。

良質な絵本や長く読み継がれている絵本でも、自分が楽しいと思わなければ、子どもたちに絵本の楽しさを伝えることはできません。絵本の楽しさを伝えるためには、自分が楽しいと思える絵本を選ぶことも大切な要素の一つだと思います。

 

私が個人的に好きな1冊はこちら、BL出版の『チーターじまんのてんてんは』です。

この絵本は表紙に一目惚れ。くしゃみをすると自慢のてんてんがとんでいってしまうというストーリー展開。面白く、読んでいて気持ちの良い絵本です。

チーターじまんのてんてんは

「ハーックション!」
くしゃみといっしょにとびだしていった
チーターじまんのてんてんは、
かぜにふかれて
どうぶつから どうぶつへと、
ひらひら ひらひら。

「あのー、くしゃみ できますか?」

絵本選びは自分の感性を大切に

保育現場で絵本を読むのは、機械やロボットではありません。子どもたちの目の前にいる先生たちです。

読み聞かせでは、読み手である自分の感性を大切にして絵本を選ぶことが大切だと思っています。

また、目の前にいる子どもたちの実態をよく見極め、子どもたちの感性や興味のあることに寄り添うことも必要です。

先生も子どもたちも楽しいと思える絵本を繰り返し楽しむことで、素敵な時間が生まれるのではないでしょうか。まずは、先生自身が楽しんでみてくださいね。

大河原悠哉(がっちょ)

公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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