【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょが選ぶ!2021年の絵本ベスト10
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
がっちょが勝手に選ぶ今年の絵本ベスト10!
今年も残りわずかとなりました。みなさんにとって今年1年はどんな年になったでしょうか?
今年1年の振り返りも兼ねて、今回は、私がっちょが今年1年を通して面白かった・良かったと思う絵本を10冊選んでみました!
選んだ絵本は、今年発行された絵本に絞ってご紹介していきたいと思います。
『がっちょが勝手に選ぶ今年の絵本ベスト10!』いってみましょう!
第10位 『ぴぽん』
こちらの絵本は文章作家である内田麟太郎さんが、ご自身で初めて絵も描いた1冊です。
子どもが大好きなオノマトペに不思議な絵が絶妙な絵本です。乳児から幼児まで大人気!!
第9位 『チーターじまんのてんてんは』
こちらの絵本は、表紙に一目惚れした1冊です。絵本選びでは直観を大切にしています。
作者のみやけ ゆまさんは、保育士をしながら絵本制作を始めたとのことで、保育士として応援したい作家さんの一人。
「ハーックション!」
くしゃみといっしょにとびだしていった
チーターじまんのてんてんは、
かぜにふかれて
どうぶつから どうぶつへと、
ひらひら ひらひら。
「あのー、くしゃみ できますか?」
第8位 『お月さんのシャーベット』
この夏、不思議な世界観を感じた絵本の1つ。
紙で作った人形とミニチュア模型で構成され、何とも言えないリアルな世界観に心地よさを感じました。とりあえず手に取って感じてみてください!この不思議な感覚を。
真夏の夜のこと―― えらいこっちゃ、お月さん、とけてはるがな。暑くて暑くてねぐるしい夜、どの部屋も窓をしめて、エアコンびゅんびゅん、扇風機ぶんぶん。あまりにも暑すぎて、ついに、お月さんがとけだした。おばあさんはたらいにしずくをうけとめ、ひんやりあま~いシャーベットをつくります。ペク・ヒナが贈る愛のファンタジー世界。
第7位 『スパゲッティのうた』
オリジナルの音読記号がついた1冊。
音読記号って?音楽記号のようなもので、絵記号に沿って読んでいくと、ノリノリで歌っているように聞こえるとのこと。私がっちょは現在練習中。
お皿がスパゲッティに恋をした?? ナポリタンにボンゴレ、納豆にイカスミ。どんどん出てくる美味しそうなスパゲッティ。お皿は自分の注文が来るのを今か今かと待っている……。いいにおいがしてきそうなスパゲッティが食欲を刺激し、お皿を相手に奇想天外な展開をくり広げるお話。文章についている絵記号を使うと、ノリノリで楽しく読める。この一冊のために結成されたユニット「ぺこみそ」がおくる。新しいごちそう絵本!
第6位 『めんめんレース』
タイトルの字体から、麺を想像させる1冊。
個人的にこの絵本の注目部分は麺によって字体が違うこと。ちゅるん、つるん、ずるん、くるんでは、感じる印象が違うと思います。字体にも遊び心が詰まった絵本です!
第5位 『とうもろこしぬぐぞう』
「爽快!」という言葉がぴったりのシンプル絵本です。
ぬぐぞうくんが、服を脱いでいくというシンプルなストーリー展開ですが、とにかく気持ちいい!
この爽快感は、ぜひ手に取って感じてみてください。
とうもろこしの「とうもろこしぬぐぞう」さんが、葉っぱの服や、ひげであるかみの毛をバリバリ、ぶちぶちと潔く脱いでいくスカッとする絵本。その脱ぎっぷりや言葉のリズムに加え、墨ラインで描かれた力強い筆致が見るものの五感にうったえます。最後はおふろでおいしそうに温まるぬぐぞうさん。子どもに人気の「とうもろこし」へのさらなる興味をそそるだけでなく、毎日のお着替えやおふろの場面でもマネしたくなる、何度もめくりたくなる絵本です。作者のデビュー作。
第4位 『ひ~』
迫力のある表紙が印象的な1冊!
「ひ~」と言いながら逃げ回るヒヒ。ついついどんな展開になるのかと引き込まれてしまいます。
私はイラストに一目惚れし、原画を購入してしまいました。作者のりとう よういさんはこれからも注目の作家の一人です!
りとうよういさんの絵本
第3位 『あいたい あいたい あいうえお』
おくはらゆめさんと聞かせ屋。けいたろうさんの初コンビ絵本!
私が尊敬する人の一人でもある、聞かせ屋。けいたろうさんが文章を担当した、会いたい人に会いたくなる1冊。
イベントなどもご一緒させていただいていますが、けいたろうさんは絵本への愛をたっぷりとお持ちです。
この絵本が発行された際は「さすが…!」と思わず、唸ってしまいました。洗練されたリズミカルな文章が心地いいんです。
登場する動物たちも、こだわりを持って描かれています。ぜひとも手に取って楽しんでいただきたい!
あめ、あめ、あめ。きょうも雨。明日はきっと雨があがる。晴れたら山の上で待ち合わせ。あのこに会いたいあいうえお。
アナグマちゃん、イベリコブタくん、ウンピョウくん、エゾリスばあば……。みんなが会いたい相手はだれかな?
大人気ロングセラー絵本『まいごのたまご』訳者の《聞かせ屋。けいたろう》さんのリズミカルで、シンプルだけど染み入る文章と、受賞作多数のおくはらゆめさんのカラフルでかわいい絵がベストマッチ!
「会いたい」といういつの時代もみんなが心に抱いている普遍的な気持ち。そんな「会いたい」にやさしく寄り添う心温まる絵本です。
第2位 『エイドリアンはぜったいウソをついている』
この絵本を初めて知ったときは、衝撃でした!
表紙から非常に美しい1冊。1度読んだだけではわかりませんでしたが、2度3度と読んでいくと、「あっ」とびっくりするアハ体験的な絵本です。
色々な視点から見ることの大切さを身をもって感じさせられる絵本でした。
子どもたちにはもちろんですが、大人の方も一人でじっくりと読んでみることをオススメします!
エイドリアンはいつもひとりですわってる。机もぐちゃぐちゃだし、ぼんやり考えごとをしてるし、「うちには馬がいるんだよ」ってウソばかり話してる。でも母さんは「どうしてウソってわかるの?」って、わたしに聞くんだ……。自分とは「ちがう」ことを受け入れる子どもの心の葛藤や、想像の豊かさを、詩情あふれる絵と文で描く。
第1位 『もふもふちゃん』
栄えある1位は、赤ちゃん絵本のもふもふちゃん!
こんな経験したことある人、たくさんいるはず!という子ども目線に溢れた1冊です。
作者は赤ちゃん向け仕掛け絵本の第一人者といっても過言ではないひらぎ みつえさん。
私はもふもふちゃんがあまりにも好き過ぎて、オンラインイベントで自らオファーしてご一緒させていただきました。
実際の子育て経験から生まれたストーリー秘話を直接うかがい、ますます好きになってしまいました。1園に1冊、もふもふちゃん!
みなさんの今年のオススメは何ですか?
みなさんの好きな絵本や気になる絵本はありましたでしょうか?
今回は私がっちょの独断と偏見たっぷりの年間ベスト絵本をご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
感性は一人ひとり違います。自分にとってのベスト絵本を出してみると1年の振り返りになって楽しいものです!
今年もたくさんの素敵な絵本に出会えて幸せな1年でした。
また来年も素敵な絵本に出会えることを楽しみに、そして、保育者である方々に少しでも有意義な情報をお届けできるようにがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、良いお年を~
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。
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