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新しい世界へ踏みだそうとしている子どもたちへ、春を心待ちにしている大人にも…贈りものにしたい詩の絵本3冊。

少し心が委縮している時。緊張して一歩が踏みだせないでいる時。ゆっくりと声にだすだけで、ただ何となく眺めているだけで、少しずつ心が明るくなってくるような、そんな素敵な「詩の絵本」が新たに誕生しました。子どもたちにも、そして大人にも。贈りものにしたくなる3冊をご紹介します。

贈りものにしたくなる「詩の絵本」3冊

世界はこんなにも美しい。「ホスピタルアート」から生まれた詩と絵の本

うたをうたうとき

うたをうたうとき

「地球の用事」「チョウ チョウ」「空気」……。誰の心にもまっすぐと素直に届く、まど・みちおさんの詩の数々。

眺めているだけで心が浮き立つような、凛として愛らしいモザイクアート。

「世界はこんなにも美しい」

この美しい詩と絵の本は、2019年に山口大学付付属病院の小児病棟に設置された「ホスピタルアート」から生まれたのだそう。独自の世界観で活躍を続けるデザイナー渡邉良重さんが、まどさんの詩を17編選び、インスピレーションを受けながら完成された絵の数々。病院を訪れる多くの人々の心を包み込んでいるアートが、こうして私たち読者の手にも届けられたのです。

ちいさな自分、大好きなお花、巡る季節に歌う喜び。世界中の生き物と空から見守ってくれる星たち。その一つ一つをかみしめながら、心の内側がじんわりと明るくなるのを感じることができるのです。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon/174399/%E3%81%86%E3%81%9F%E3%82%92%E3%81%86%E3%81%9F%E3%81%86%E3%81%A8%E3%81%8D/
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「詩と絵がつくる特別な窓」
ある場所の白い壁に、詩と絵がある。それは言葉と絵なんだけど、まるで窓があるみたいだ。その窓からは、遠いところや、いま、ここ、自分のことや、あたりまえのことがどんなにかけがえがないかということが見える。ある小児病棟の壁に、そんな窓がかかっている。まど・みちおという詩人と、渡邉良重という画家が創った〈特別の窓ホスピタルアート〉。この本に並んでいるのは、その窓たちだ。 松田素子(編集者)
※推薦文より抜粋

「あかるいほうへ あかるいほうへ。」金子みすゞ童謡絵本シリーズより

あかるいほうへ あかるいほうへ

あかるいほうへ あかるいほうへ

「あかるいほうへ あかるいほうへ。」

くり返し何度も。声に出して読んでいるうちに、目線もあがり、気持ちも明るくなってくるのです。

「こんなにも、子どもの心を言葉に言い表せる大人の女性はいないだろうなと思います。」

そう語るのは、巻末でナビゲーターとして詩の魅力を語る女優上戸彩さん。「おやこでよもう!金子 みすゞ」は、小さな子どもたちから大人まで、ともに楽しめ金子みすゞの詩を10編、それぞれに画家が絵をつけた絵本シリーズです。本作では、みすゞファンを公言する人気絵本作家きくちちきさん。表題作の他、「私と小鳥と鈴と」「おさかな」などの詩の世界を柔らかなタッチで描きだします。

言葉のひびきを耳で楽しみ、絵を見て想像し、監修者の解説でその意味を味わって。そうやって絵本として何度も触れているうちに、金子みすゞの詩がいかに親しみやすく身近なものなのか、親子で体験できるのかもしれませんね。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

絵本作家せなけいこさんからの詩の贈りもの

せなけいこ詩画集 ちいさな世界

せなけいこ詩画集 ちいさな世界

絵本作家せなけいこさんからの詩の贈りもの、「ちいさな世界」。

折り紙のような正方形の装丁に、表紙には私たち絵本の読者が馴染んできた愛らしい子どもたちの顔。ワクワクしながらめくると、最初に登場するのは、せなさんが子どもの頃にはじめてつくったという「土星の詩」です。せなさんの絵本の元になっている世界観がぎゅっとつまっているようです。

さらに季節感あふれる自然の風景から、子どもたちの日常の言葉まで。せなけいこさんの代表作である数々の絵本の絵とともに、次々と登場します。なんて贅沢な一冊なのでしょう。

子どもたちへのあたたかなまなざしと、独自のユーモアセンス、そして声に出せば元気が出てくるリズム感。詩の世界からも存分に味わうことができます。巻末には歌人の穂村弘さんによる解説も。

この春届いた、せなけいこさんからの贈りもの。新しい世界へ踏みだそうとしている子どもたちへ、春を心待ちにしている大人にも。心を明るくしてくれるこの一冊。プレゼントにもぴったりですね。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

「詩の本と聞くと、なんだか敷居が高くて」そんな風に思っていた方の印象ががらりと変えてくれるような、親しみやすい本3冊ですよね。いつでも手に取れるよう、目の見える場所に飾っておこうかな……。

磯崎 園子(絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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