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季節のおすすめ読み物

新学期の読書におすすめ♪ 緊張をほぐしてくれるユーモア幼年童話

新しいクラスに新しいお友だち、新しい先生。ワクワクすることもあるけれど、なんだかそわそわ落ち着かない。ずっと緊張しているせいか家に帰るといつもよりどっと疲れている様子で……。まだ新しい毎日に慣れない新学期の子どもたちはそんな感じでしょうか。緊張でカチコチになった体と心をほぐすのに、ユーモアたっぷりの読みやすい童話はいかがでしょう。今回は、思わずくすっと笑ってしまうような幼年童話を4冊ご紹介します。

土の中で繰り広げられる種とあめのユーモラスなケンカ。さてその結末は!?

ある日、クラスで畑に種をまくことになったまあちゃん。先生からもらった5この種と一緒に、なめていたメロンあめを一緒に埋めてしまいます。その後、なまけもののまあちゃんは、種に水をやらずにほったらかし! でもこのメロンあめが意外な働きをしてくれて……。

お話の結末は、子どもたちがこんなことあったらいいな、なんて憧れてしまう展開に。大人だってうらやましくなってしまいそうですよ。

『みどりいろのたね』

みどりいろのたね

みどころ

まあちゃんのクラスでは、畑に種をまくことになりました。
先生からひとり5こずつみどりいろの種をもらいます。まあちゃんはその種となめていたメロンあめを一緒に埋めてしまいました。

さて、ここは土の中。
ちっとも水をやらないなまけもののまあちゃんの種は、暑くてのどが渇いて「ぶつぶつ」「ぶーぶー」。
でもメロンあめだけは水をもらえなくったって平気です。
なんだか様子が変だと気づいた種たちは、メロンあめに向かって、
「へーんなやつ!」
けれどもメロンあめだって負けてはいません。
「ぼ、ぼくはとびきり うまい メロンあめさ!」

種たちとメロンあめは、にらみ合ってにらみ合って、そしてとうとう……!

土の中でのユーモラスなケンカ。色や形は似ているけれどまったく違う種とあめ。
そこに思わぬ助け合いが生まれて、とびきりの奇跡!?を起こします。

水をやらないまあちゃんと土の中でのケンカ、まあちゃんの種はいったいどうなっちゃうんだろう? そんな読者の心配を一気に吹き飛ばすスカっと気持ちの良い展開。たかどのほうこさんが描く世界は、なんてユーモラスで心をホッとさせてくれるのでしょう。

『まあちゃんのながいかみ』「つんつくせんせい」シリーズなどの絵本を楽しんできた親子の皆さん、たかどのほうこさんによる物語は、小学1年生から中高生、さらには大人まで、それぞれの年齢で楽しめる作品がたくさんあります。そんなたかどのほうこさんの物語世界への入り口に、まずこちらから手にとってみませんか。

さらに太田大八さんによる挿絵にもユーモアがいっぱい。種やメロンあめの表情に注目しながら読んでみて下さいね。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

学校で、教室で、はじめて出会うものたちが身近な存在に!

小学校ではじめて出会う道具やものたちが、つぎつぎに登場! 「ふでばこ」「リコーダーとピアニカ」「あかしろぼう」「ランドセル」「うわぐつ」などなど、みんな実はとってもおしゃべり。どんなことを話しているのかちょっと聞いてみませんか?

1話の長さは見開き1ページ。好きなページから自由にどうぞ♪

『おはなし きょうしつ』

おはなし きょうしつ

みどころ

学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。

「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)

「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)

教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
1話の長さは見開き1ページ。親子での読み聞かせタイムや、学校でのちょっとした時間の読み聞かせにもちょうどいいボリューム。読み終わった後には「どのお話が好きだった?」と気に入ったお話を交流してみたり、お話のオチをクイズにして出し合ってみるのも面白そう。さらに何かお話を作ってみようかなと、子どもたちの想像力や創作意欲もかきたててくれそうです。

見ているだけで楽しくなるような明るい色使いで、愛らしい教室の仲間たちの様子をユーモラスに描いているのは、ことばあそび絵本『あっちゃんあがつく』でおなじみのさいとうしのぶさん。次は何が出てくるのかな?どんなお話なんだろう?と気になってどんどんページをめくってしまいます。あっという間に読み終わってしまったら、次は台所にある道具や食べものたちが活躍する第1弾『おはなしだいどころ』も合わせて、どうぞ。
(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

くしゃみからまきおこる不思議な大騒動を描いた、ユーモラスなファンタジー

想像してみて下さい。黒いねこの頭に白くて長いうさぎの耳が! 白いうさぎの頭には、黒くて小さいねこの耳が。大きい声が自慢の大きな犬の口から出てきたのは「ニャー」という小さい声。いったい何が起きたのでしょう? それもこれも、たまたま近くを通りかかったおじさんのすごいくしゃみのせい? おじさんになんとかしてもらおうと、おじさん探しに繰り出した三びきの前に現れるへんてこな光景。くしゃみのパワー全開のゆかいな物語がはじまります。

『くしゃみおじさん』

くしゃみおじさん

みどころ

災難は、いつふりかかるかわからない。
とつぜんもよおす、クシャミのように!

なに不自由なく幸せな、ネコ、イヌ、ウサギの三匹だって、よもやあんな大騒動に、まきこまれるとはつゆ知らず……。

「ヒャッッックション!
ハッッックチン!
ハッッップショーーーイ!」

とつぜんひびいた、クシャミ3発。
あたりが砂煙で見えなくなるほどの、とんでもなくおおきなクシャミです!

おどろいた3匹でしたが、おたがいの姿を見て、さらにびっくり!
ウサギの耳がネコに、ネコの耳がウサギについているではありませんか!
しかも、イヌはニャーと鳴き、ネコはワンと鳴くしまつ。

あのクシャミが原因にちがいないと考えた3匹は、急いでクシャミの主を探しにいくのですが──。

短編アニメ「頭山」や絵本『おやおや、おやさい』などで知られる、アニメーション作家、絵本作家の山村浩二さんが絵を手がける本作は、歴史あるアメリカの児童書シリーズ「リトルゴールデンブック」の人気タイトル! クシャミからまきおこる不思議な大騒動を描いた、ユーモラスなファンタジーです。

クシャミの主を追いかける3匹は、その道中で、他のクシャミ被害者たちと出会います。
靴が頭にくっついて取れなくなった少年や、トサカが取れてしまったおんどり……。
いったいなにがどうしてそうなったのか、しっちゃかめっちゃかな、クシャミ被害の数々。
笑ったらかわいそうなんだけど……やっぱりどう見てもちょっとオカシイ!

クシャミの主であるおじさんをたずねるたみんなは、これまたトンデモナイ方法で事態を解決へとみちびくのですが──。

「い、いかん! まだ、でる! ハッ……はやく、ハッ……にげろ!」

一難去ってまた一難……。
クシャミの声もその被害も、ぜんぶのページにヘンテコいっぱい!
絵本から読み物への移行にもオススメな、にぎやかでゆかいな一冊です。

(堀井拓馬  小説家)

こんな先生に会えたらいいな♪

緊張の一年生。でも先生にも一年生の時があるものですよね。遠足を子ども以上に楽しみにしていたり、夏休みの宿題を出し忘れてしまったり、運動会で居眠りをしてしまったり、やぎこ先生の周りには楽しい事件がいっぱい。先生もちょっと心配ぐらいの方が、子どもたちはたくましくなるのかもしれません。でもやぎこ先生がいるだけで学校はなんだかほっこりあたたかい場所になって。本のページを開いて、やぎこ先生に会いに行ってみませんか。

『やぎこ先生 いちねんせい』

やぎこ先生 いちねんせい

みどころ

今日はやぎやま小学校の入学式。
色とりどりのランドセルを背負っているのは、この春一年生になったばかりの八ぴきの小やぎたち。
そして一年生はもうひとり。校長先生のとなりで白いワンピースを着てかちんこちんになっているやぎこ先生です。
「は、はじめまして。たんにんのやぎこです。このはる、先生になりました」
このやぎこ先生、いったいどんな先生なのかちょっと教室の様子をのぞいてみましょう。

「はる」
毎日学校に着ていくワンピースの色で悩むやぎこ先生。授業もなんだかうわの空です。そんなやぎこ先生に、小やぎたちが考えたワンピースを着る順番は?

「なつ」
きゅうしょくの時間、にんじんがきらいなやぎこ先生は、好き嫌いがばれないようににんじんが大好きだとうそをついてしまいます。すると小やぎたちがにんじんをどんどんやぎこ先生に持ってきて山盛りに‥‥‥。困ったやぎこ先生のなみだにひとり気づいたベエきちくんがとった行動とは?

「あき」
うんどうかいの日、真っ白な校庭とたくさんの白いやぎと真っ白な体操着という白づくしの光景に、ねむたくて仕方なくなってしまったやぎこ先生は、ほしくさの中へ。そのうち「ほしくさ玉ころがし」が始まって、なんとやぎこ先生も一緒に転がされてしまって……。

「ふゆ」
かん字のテストをすることになったこくごの時間。細長くとんがった「山」は「トンガリ山」、川の下に3本のニョロニョロを書いて「ニョロニョロ川」。ほそながい「月」で「みか月」……。小やぎたちがどんどんユニークな漢字を生み出していきます。では学校の「校」はどんな漢字になった?

入学したばかりの元気いっぱいの小やぎたちと、楽しい事件を巻き起こすやぎこ先生のハラハラドキドキの一年間。季節を追いながら、全部で7つのお話が収録されています。子どものように純粋で無邪気なやぎこ先生の周りで小やぎたちはとっても楽しそう! そしてやぎこ先生の背中をみながら、たくましく成長していきます。

お話を描かれたのは、『おばけの長七郎』や『こだぬきコロッケ』など可愛らしくてユーモラスな作品が人気のななもりさちこさん。本作品にもななもりさんのユーモアと優しいまなざしが溢れています。大島妙子さんの描くやぎこ先生と小やぎたちには笑顔がいっぱい。自然豊かな校庭やのどかな教室のイラストも明るくほっこりとしていて、お話をいっそう楽しく彩っています。

こんな学校あったらいいな、こんな先生に会えたらいいな。とホッと気持ちをゆるませてくれるような学校のお話。入学前の子どもたちや、緊張している新一年生に読んであげて下さいね。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

子どもたちが学校から帰宅してホッとひと息ついた時間や、寝る前のちょっとした時間に、ひとり読みよりも大人が読んであげると、さらにリラックス感が増すように思います(大人もぜひ一緒にリラックスを)。そのちょっとした時間で、明日からの元気も変わってくるかもしれません。

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
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