「おはよう!」…欲しいのは、朝から元気になれる絵本
さあ、朝ですよ! 起きてくださいね。今日も一日始まりますよ。……わかっていてもぐずぐずしちゃう子、まだまだ寝たい子、いやいや起こすずっと前から目がぱっちりしている子。朝との向き合い方は、子どもたちによって色々ですよね。でもやっぱり朝は元気がいい。そんな願いを込めて、「おはよう絵本」をたくさんご紹介しますね。
朝から元気になれるって、どんな絵本? 「おはよう絵本」大集合
朝ですよ! 起きれるかな?
あさだ おはよう
「にんじんの かあさん ぐーぐーぐー。とけいが なったよ りりりりり」
「おめめ ぱっちり。あさだ おはよう」
ぴぴぴぴぴ、じじじじじ……いろんな時計が鳴ると、やさいたちがとびおきて元気に朝をむかえます。
ところが、えだまめの4きょうだいの時計は、いっしょにねちゃっているみたい。
みんなを起こしにやってきたのは……。
ページをめくると、やさいの葉っぱの柄の布団が、ページの真ん中から勢いよくめくれて見えます。
あかちゃんとの暮らしを楽しむ「あかちゃん ととととと」シリーズ。
今回は、さわやかな朝がテーマです。
「ぐーぐーぐー」と寝ているやさいたちの布団の柄を見ると、実はそのやさいの葉っぱの柄になっています。
なるほど、だから気持ちよく眠れるのかもしれません。
枕元にある時計も、それぞれ違った形をしていて個性的。
その時計が鳴ると、やさいたちは元気にとびおきて、おめめぱっちり!
朝がちょっぴり苦手な子も、ふとんをばっとはねのけて、まねしたくなるかも!
朝に読みたい
お野菜たちの朝のおはようの時間を紹介している絵本です。「あさだ おはよう」がくりかえされます。
はっきりとした絵と色で、赤ちゃんにもピッタリだと思います。寝起きのグズグズのときに読み聞かせて、ご機嫌がよくなってくれるといいなぁ…なんて期待してしまいます。
(じっこさん 40代・ママ 女の子10歳、男の子6歳)
おひさまおはよう
おひさまは、朝をみんなに知らせにいきます。
あたたかい日差しをいっぱいにそそいで…。
「にわとりさん おはよう」
「いぬさん おはよう」
「かなへびさん おはよう」
にわとりは、コケコッコーと力いっぱい鳴き、犬はしっぽをぶるんぶるんふって、「おひさま おはよう まってたよ」と答えます。
あれ? かなへびさんはどこへいったのかな?
あ、いたいた。大きな石にするするっとのぼって、朝の空気をかいでいます。
とんぼや、朝日に揺れるコスモスや、のびをするねこや…。
ページをめくるたびに、朝の空気の中で、生き物がしあわせそうにくつろいでいる姿があらわれます。
そしておひさまは、まだ布団で眠っている、そうちゃんのところにも、朝を知らせます。
「そうちゃん おはよう」
目を覚ましたそうちゃんは…?
そうちゃんのおうちの部屋の中に、小さな庭に、おとずれる朝の光。
起きあがったそうちゃんが、鶏小屋にかけこんで見つけたたまごにも、朝の幸福感がたっぷり詰まっています。
手のひらに、大事そうにたまごをのせたそうちゃんの姿を、ぜひ絵本でご覧下さい。
鶏、犬、昆虫、植物などの姿は、あたたかいリアルなタッチで描かれています。
光のぬくもりまで伝わってきそうな絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
朝ごはんはしっかり食べてね!
あ・さ・ご・は・ん!
「さあ、あさだ。おなかがすいた。あさごはん!!」
お米をあらって、炊飯器でスイッチオン。その間におみそ汁。お湯を沸かして、材料切って、出汁も忘れずに、まとめてぐつぐつ。主役のしゃけにお塩をひとつまみ。フライパンでじゅーじゅーじゅー。お鍋ぐつぐつぐつ、炊飯器ごとごとごと。あちらこちらで美味しいにおいと美味しい音!
しゃけがいい感じに焼けてきたころ……ぴぴぴっぴぴぴっ。全部ほかほか、出来たて、炊きたて、おいしそう。お茶碗によそって。
「みんな! ごはんだよー!」
「武田美穂のたべもの絵本」シリーズ、待望の第4弾。『ハンバーグハンバーグ』『パパ・カレー』『オムライス ヘイ!』ときて、今度の主役は「あさごはん」。ご飯におみそ汁にしゃけがあって、なんだか今までより大変そう? いえいえ、そんなことはありません。大事なのは段取りとリズム。ぶつぶつ言いながら作っているうちに、心も体も元気になってきて、すっかり目が覚めた頃に食卓を囲んで「いただきます!」。これなら毎朝いいスタートがきれそうです。
武田美穂さんの手にかかれば、お料理だって、洗いものだって、炊飯器でさえも、全部がエンターテイメント。湯気の演出だって効果的。あとは気持ちを乗せるだけ。このおいしいおいしい絵本シリーズが、作る人のことも食べる人のことも応援してくれますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おちゃわんかぞく
表紙を見るだけでなんだかにんまりしてしまう、「おちゃわんかぞく」。
おちゃわん おちゃわん
おちゃわんかぞく
おちゃわんかぞくが きましたよ
ちゃぶ台の上にみんなで手をつないできましたよ。
とっても仲良し!お茶碗家族。
でーんと でっかい おとうちゃわん
おとうちゃわんは、富士山柄
すーっと すわった おかあちゃわん
おかあちゃわんは、梅の花
UFOがついた、ちょっと ちっちゃい おにいちゃわんと
サクランボがかわいい、いちばん ちっちゃい おちびちゃわんが続きます。
おはようさん!
朝食の時間です。
おちゃわんかぞく、おはしかぞく、おわんかぞくもそろったわん!
準備ができたら、お椀にお豆腐とわかめのお味噌汁。
お次は、待ってましたよ。おちゃわんかぞく。
おおもり、ふんわり、やまもり、ちょびっとごはんがもられていただきまーす!!
読んでいるだけでお腹がすいちゃう。
みどころは、なんと言ってもそれぞれの選んだ朝ごはんの食べ方と
美味しそうな朝ごはん。みんなの朝ごはんはどうでしょう?
最後はちゃんとみんなで仲良くお風呂にはいっちゃわんで、あらっちゃわん。
きちんとお茶碗を洗ってふいて、もとにあった場所に戻すことも教えてくれます。
家族の決まったお茶碗を並べてお手伝いするのも楽しくなりそう。
林木林さんの何度でも繰り返したくなる気持ちいい言葉のリズムにのって
いぬんこさんの描く温かいユーモラスなおちゃわんたちが
陽気に可愛らしく素敵な日本の朝ごはんを演出してくれます。
おすすめしたい朝ごはん絵本の一冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
しっかり食べてね♪
今日はどんな一日になるのかな。
あさになったので まどをあけますよ
「あさになったので まどをあけますよ」
子どもたちが、部屋の窓をあけます。
新しい一日を迎えるために、毎朝、窓辺に立つのです。
「やまは やっぱり そこにいて
きは やっぱり ここにいる」
そこから見えるのは、いつもと変わらない風景。
もちろん、窓を開けてそこにあるのは山ばかりではなく。
にぎやかな街が見える窓だって、のんびりと流れる川が見える窓だって。
たくさんのお花が目に飛び込んでくる窓や、風が気持ちのいい窓だってあります。
どこかの知らない国に住む、あの子の窓辺はどんな景色だろう。
そこには、いつもと変わらない景色がある。
だから、ここが好きなのです。
晴れている街もあれば、雨がふっている場所もあるでしょう。
君のところはどう……?
何気ない日々の繰り返し、毎日変わらずにある景色の中にいる自分。そこにこそ、その中にこそ、生きることの喜びがある。そんな強い思いが込められた、荒井良二さんのこの絵本に登場する景色には、すべてに明るい朝の陽ざしがふりそそぎ、とても清々しく、読む人の心をまっさらにしてくれます。
「ああ、今日もまた新しい一日がはじまる。」
そう思えることの幸せ。
私たちは、絵本を開くたびに味わうことができるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
どんな いちにち
一人で早起きした男の子が、パジャマからお洋服に着替えてカーテンをあけると、外にはさわやかな朝の風景が広がっています。
「だれが いちばんに いうのかな?
『おはよう』って いうのかな。」
男の子がまず「おはよう」を交わしたのはとなりのおばあちゃん。植木に水をあげながら男の子とにっこり手をふりあいます。
おばあちゃんは、散歩中のおじいちゃんとも「おはよう」とおじぎを交わし、公園の犬は「ワン ワン」、塀の上のねこ同士も顔をあわせ「おはよう」をします。
ゆっくり目覚めていく町。「おはよう」がつながっていく町。
だんだんと景色が広がっていく絵のなかで、男の子の家から幼稚園までの風景が自然に描かれます。
町の「おはよう」を感じたぼくは、朝、どんなふうに支度をして幼稚園に行くのでしょうか。
先生にどんな顔で「おはようございまーす」って言うのかな?
細かく描かれたたくさんの「おはよう」と「にっこり」に、それぞれの人たちの暮らしがわかる絵探しも楽しめます。
ジョギングする人、登校する子どもたち、牛乳を配達する人、ごみ収集車の働く人たち、お茶を飲む人、お店を開ける準備をする人……。
見返しの地図「ぼくのまち」で、男の子がどの道を歩いたのか、お子さんと一緒にたどってみるのも楽しそうですよ。
あいさつや笑顔が、いろんな人やものとつながる最初の一歩なのかもしれません。
明るくはつらつと、すがすがしい心で1日をスタートできたら、どんなに楽しい1日になることでしょう。
お子さんと一緒に読み、おしゃべりすることで、心を見つめるひとときとなりますように。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
今日はどんな一日?
朝が苦手な子も、これなら元気が出せそうかな。まずは大きな声を出してみよう。
「おはようーー!」
さあ、いい事がある予感がしてきましたよ。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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