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“きもち”を知り、癇癪対策や感情コントロールにつながる絵本 より抜き5冊

子育て家庭必見!癇癪対策や感情コントロールに。子どもの感情教育も絵本から

子どもがなぜ癇癪を起こすのか、それは「自分が感じているきもちが何かわからない」「感情をどう表現すればいいかわからない」など、感情をじょうずに伝えコントロールできないことが原因だと言われています。子どもの感情の発達にとって大切なのは、自分と他者の感情を適切に理解し、表現して伝えるということ。最近、これらの感情能力を高める「感情教育」に関心が高まっています。

 

この感情教育の第一歩として注目されているのが「絵本」です。

今回は、子育て中のママやパパの多くが対応に悩む“癇癪”に着目。癇癪対策や感情コントロールにつながる絵本を、さまざまな局面から選んでみました。対象年齢を「3歳から」とする絵本も多く、小さいお子さんも楽しむことができますよ。

子ども自身がきもちと向き合えるようになるハウツー絵本

子どもの癇癪の対策やじょうずな感情コントロールに向けた第一歩となる絵本。きもちや感情を知り、自分の言葉で伝える力を身につけるハウツー本を紹介します。感情コントロールの方法やアンガーマネジメントのメソッドを知ることができる絵本もありますよ。

きもちの理解への第一歩。研究にもとづいた感情教育の絵本『たくさんのきもち』(対象年齢:3歳~)

http://www.ehonnavi.net/ehon00adv.asp?no=23938

対象年齢:3歳〜

 

まずご紹介するのは、『たくさんのきもち』です。自分の感じているきもちをどう表せばいいか、どのように言えば伝わるのか。きもちの基本を学ぶことができる絵本です。

 

この『たくさんのきもち』には、3〜6歳の子どもたちがよく使う「きもちのことば(感情語)」が50個登場します。

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きもちを伝える50の言葉の例

すき、ありがとう、びっくり、きらい、いや、おこる、どきどき、さびしい、かなしい ……など

この感情語は、子どもの言葉と心の発達を研究するNTTコミュニケーション科学基礎研究所の調査研究によってセレクトされた言葉です。よく使う言葉といっても、実際子どもが使う感情語はその一部だけになりがち。普段使う言葉のほかに、どんな感情語があるのか。絵本を通して学び、自らのきもちと言葉を紐づけることができます。

 

『たくさんのきもち』は、1冊の中で「絵本編」と「図鑑編」の2つのパートで構成されているのも特徴です。

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前半の絵本編には、文字がありません。絵本を開いて、いろんなきもちを自由に感じながらお話を作ることができます。ママやパパと一緒に眺め、きもちを知る機会になるでしょう。

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後半の図鑑編は、絵とともにきもちに沿った言葉が登場します。子どもが持つ基本的な感情である「喜」「悲」「怒」「怖」のカテゴリに分け、きもちを伝える50の感情語をわかりやすく解説します。

 

絵本編と図鑑編の2つのパートを照らし合わせながら、自分のきもちを表現する力を身につけていくのです。

 

もうひとつ大きな特徴は、名入れができ、自分が主人公になれるパーソナル絵本ということ。

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注文時に名前や愛称を入力し、絵本の表紙や中面に名前が印刷されて届くので、自分だけの本として興味を持って眺めることができます。

『たくさんのきもち』

作・絵:かしわらあきお

監修:渡邊直美(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

NTT印刷

2,970円(税込・送料込)

フランス発の怒りや恐れを手放すメソッド絵本『おこりたくなったらやってみて!』

『おこりたくなったら やってみて!』は、子どもが自身のきもちや感情を知り、じょうずに向き合えるようになるための方法が書かれた絵本です。「ガストンのきぶんをととのえるえほん」シリーズとしてフランスで発行されるやいなや、ヨーロッパ各国で話題になりました。日本でも7冊が刊行され、人気を博しています。

この絵本の主人公は、ガストンというユニコーンの子どもです。ガストンが「すごくはらがたつ!」と自分の感情がおさえきれなくなるとき、試してみたのは息の仕方を変えることでした。この絵本に書かれているのは、怒りを追い出すメソッド。ガストンと一緒に呼吸の仕方を覚えながら、ネガティブな感情を追い出すことができるでしょう。

 

絵本を通して身につけられるのは、自分がいまどんなきもちを持っているかを知ること。そして気分を切り替える意識を持つことです。「はらがたつ!」「イライラする!」という感情に振り回されず、対処することができるようになります。

『おこりたくなったら やってみて!』

著:オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ

訳:垣内磯子

主婦の友社

1,078円(税込)

感情コントロールのメソッドを紹介する『いらいら ばいばい 3歳からの感情マネジメント絵本』(対象年齢:3歳〜)

対象年齢:3歳〜

 

怒りの感情と付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」。大人が行う印象がありますが、そのメソッドは未就学児の子どもから実践することができます。

 

『いらいら ばいばい 3歳からの感情マネジメント絵本』は、怒りが抑えられないかいじゅうの子どもが、ひとりの女の子と出会って怒りの感情を静める方法を教えてもらうお話です。

 

「どうして暴れるのか」「ぷんぷんする原因はどこにあるのかな」と、怒りやイライラ、嫌なきもちを知って向き合えるお話です。また、きもちを落ち着かせるとっておきの方法も紹介。「深呼吸をする」「ジャンプする」「6まで数える」といったメソッドを、絵と言葉で分かりやすく展開しています。

 

監修は日本アンガーマネジメント協会。アンガーマネジメントの手法を絵本を読みながら身につけていける1冊です。

『いらいら ばいばい 3歳からの感情マネジメント絵本』

作・絵:つむぱぱ

監修:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

鈴木出版

1,100円(税込)

物語を通して、自分と相手のきもちに気づく絵本

次に紹介するのは、さまざまな感情を知り、癇癪の対策やじょうずな感情コントロールにつながる“物語仕立ての絵本”です。絵本の絵を眺めたりお話を聞いたりしながら、自分のなかに生まれるきもちや感情を発見することができるでしょう。絵本を通して親子で会話をすることで、きもちを言葉にして伝える機会も生まれます。

谷川俊太郎さん作、長新太さんの絵による『きもち』。いろいろなきもちを考える字のない絵本(対象年齢:4歳〜)

対象年齢:4歳〜

 

やさしいきもちや怒るきもち、恥ずかしいきもちなど、谷川俊太郎さんが投げかけるさまざまなきもちが、長新太さんの絵を通して語りかけてくれる絵本『きもち』。それぞれの状況で変わっていく“ボク”やまわりの人たちのきもちや感情を、じっくり考えられる1冊です。

この絵本には、文字がほとんどありません。絵を通して、自分の中に生まれては消えるいろいろなきもちを知り、人のきもちとの違いを考えます。子どもと一緒に読みながら、感じたきもちを口に出して話しあってみましょう。きもちを知って言葉にすることで、我が子の意外な一面を発見する機会にもなります。

『きもち』

作:谷川俊太郎

絵:長 新太

福音館書店

990円(税込)

おなじみのねずみくんシリーズ。思いやりや想像力の大切さを知る『ねずみくんのきもち』(対象年齢:5歳〜)

対象年齢:5歳〜

 

読み聞かせの本として、教育現場でも取り入れられているねずみくんシリーズ。子どもたちにも人気がありますよね。

 

その中に、きもちに特化したお話がありました。『ねずみくんのきもち』は、「おもいやりってなんだろう」と子どもたち自身が考える機会を得られる1冊です。

 

お話は、ねずみくんとふくろうさんの語りで展開。「おもいやり」と「想像力」の大切さを子どもたちに教えてくれます。

『ねずみくんのきもち』

作:なかえよしを

絵:上野紀子

ポプラ社

996円(税込)

まとめ:子育て中の感情教育は、子どもも入りやすい絵本で。癇癪の対応や感情コントロールに役立てよう

自分の感情を知って理解し、言葉にして伝えていく。子ども自身がこれらを少しずつ身につけていけば、癇癪の対策やじょうずな感情のコントロールにつながっていきます。親子のコミュニケーションはもちろん、さらに今後子どもの周りで広がっていく人間関係も、より楽しいものになるはずです。

 

今回ご紹介した絵本は、3歳、4歳、5歳……と幼児期はもちろんですが、小学校に入る6歳以上の子どもにもおすすめの作品もあります。癇癪を起されて困っているというご家庭も身近な絵本を活用しながら、おうちで感情教育を始めてみませんか?

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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