【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!さつまいも堀りにオススメの絵本4選
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
秋の行事といえば…さつまいも堀り!
暑かった夏も終わり、すっかり秋の陽気になりましたね。
私の園では、子どもたちがバッタなどの虫探しに夢中になっています。
一緒になって探しているとあっという間に時間が過ぎ、子どもたちが「もっとやりたい!」「もっと探したい!」と言うのがよくわかります。
さて、秋というとみなさんは何を思い浮かべますか?
個人的には「さつまいも掘り」をして秋がスタートしていくイメージです!
虫探しのように「もっとやりたい!」「もっと掘りたい!」と思うくらい、楽しい時間だなと。
さつまいも掘りがもっと楽しくなるような、さつまいもをテーマにした絵本を4冊選びましたので、ご紹介していきたいと思います。
つい口ずさみたくなってしまう絵本
子どもたちが読んでいて楽しそうにしている姿を見て、読むようになった1冊です。
なぜ子どもたちが楽しそうだったかって? それは、読んでいて気持ちよく、ついつい口ずさんでしまうフレーズがあるからです。
「いもいもほりほり いもほりほり」です。いも掘りに向かう際も、いもを掘る際も「いもいもほりほり いもほりほり」と。
色々な形のさつまいもが出てくるページも子どもたちは大好きです。
子どもたちの“好き”が詰まったさつまいも絵本。
読んでみたら、「いもいもほりほり いもほりほり」を口ずさんでいること間違いなし!
「季節と行事のよみきかせ絵本」シリーズ9巻めです。
こぶたが3匹、「焼き芋したい!」と出かけた芋ほり。ねずみが1匹ついてきました。芋ほりができるのは、やぎじいさんの畑。じろーり冷たい目をした、やぎじいさんに、勇気を出してねずみが談判に。「手伝ってくれたら、大助かりじゃ。」 予想に反し、やぎじいはウエルカム。
いもいも ほりほり いもほりほり。
どんどんほり続ける4匹。
わーい、どろだらけ、どろだらけ、どろだらけ。
いろんなかたちのお芋がたくさん掘れて、いよいよ焼き芋です。焼芋食べたら……、あれれ~。
・ 作/西村敏雄さんからのメッセージ
「いもほりのこと」
僕が芋掘りで思い出すのは、子供たちが小さかったころ、
千葉県の体験農園でさつまいも堀りをやったことです。
広い畑に、さつまいもの蔓と葉っぱが元気いっぱい伸びていているのを見ると、
「さあ いもをほるぞ!」と言う気持ちにさせてくれます。
体験農園では、係のおじさんが芋の掘り方を親切に教えてくれるので
だれでもすぐに芋が掘れるようになります。
掘れた芋はお店で売っているような、まっすぐできれいな形の芋だけでなく、
曲がっていたり、くびれていたり、いろんな形の芋がたくさん掘れました。
子供たちは変わった形の芋が掘れると歓声を上げて自慢そうに見せてくれました。
僕も一緒になって大きくて変わった形の芋を探して掘りました。
子供たちが「おとうさん すごいね!」といって感心してくれるとうれしくなって
また、大きくて変わった形の芋はないか探しました。
普段子供たちと一緒に土をいじる機会はなかなかありませんが、このときは汚れても
いい格好をして行ったので、泥んこになることを気にせず夢中になって掘りました。
芋掘りの楽しみは大きな芋が掘れた時のワクワク感もいいのですが、それと同時に土を
手で触っている時の心地よい解放感がたまりません。
また、芋掘りに行こうかな。
やってみたくなる絵本
この絵本は幼稚園教諭時代に、さつまいも掘りシーズンになると毎回のように読んでいました。
この絵本に出てくるさつまいものように紙をつなぎながら、子どもたちと共にダイナミックなさつまいもを描くのが楽しくって楽しくって!
毎年のように子どもたちとやっていましたが、毎年全然違うものができて、面白かったなぁ〜。
この童話は幼稚園で実践されていたものが基になっていることもあり、昔の子どもも今の子どもも変わらず、おおきなおいもが好きなことを感じます。
童話ではありますが、気軽に読める1冊ですよ!
楽しみにしていたいもほり遠足の日、雨が降って延期になってしまいました。残念がる子どもたちは大きな紙においもを描きはじめます。紙をつなげてつなげて、おいもの絵はどんどん大きくなります。大きなおいもは、ヘリコプターで幼稚園に運びます。プールに浮かべて船にしたり、かいじゅうにみたてて遊びます。たくさん遊んだあとは、天ぷら、焼きいも、大学いも、たくさん作っておいもパーティ! 大きなおいもをめぐる子どもたちの空想がつまった絵童話です。
展開が気になるドキドキ絵本
タイトルから、子どもたちは大盛り上がり! 子どもって「おなら」好きですよね。
おならをして遊ぶのが大好きなナーラひめを見て困り果てた王様がおなら遊びを禁止します。
そんな時、ネコのリリーが危険な目にあってしまいます。ナーラひめはどうするのか…と、面白い要素とドキドキする展開が絶妙な1冊です。
この絵本の面白さはそれだけではありません。
絵本をよーく見てみると、ナーラひめとリリーが必ず見開き全ページに出てきます。
探してみると楽しいですよ!
子どもたちに教えてもらった絵本の面白さです。
みんなはどっち派?絵本
はらぺこめがねさんの作品の中でも大好きな絵本の1つです。
月刊誌で出会い、子どもたちからたくさんリクエストされました。
毎回、読む度に子どもたちの中で、じゃがいもとさつまいものどっちがいいか、話し合いが始まり…絵本のような展開になることもありました。そんな子どもたちを見ながら、どっちも好きだな〜と眺めていたのは、私がっちょです。
みなさんはじゃがいも派? さつまいも派?
あるところにとっても仲の悪い姫たちがおりました。似た者同士のふたりは、いつもけんかばかり。ほらまたきょうもけんかが始まりました。でも、二人のけんかはちょっと面白くて…。ふかしたら、どっちがほくほくか勝負!? おいも対決の始まりです。
体験活動を大切に!
子どもたちがなぜさつまいも掘りを好きかって?
それは、土に触れたり、お宝を見つけ出すかのように、ザクザク土からさつまいもが出てきて、それを持ち帰り、保育園や幼稚園で食べたり、おうちに帰って食べたりと五感を使って楽しめるからではないかと思います。
さつまいもの形も、細いものや太いもの、小さいものもあれば、大きいものもある。
ときどきヘンテコな形を見つけて笑ったり。その時その時の面白さがあるからいいですよね。
そんな体験活動を大切にしてもらいたいですし、先生たちにも楽しんでもらいたい。
より楽しむには、絵本で気持ちを盛り上げていくことも必要だと思っています。保育現場では、ぜひうまく絵本を活用してみてくださいね!
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。
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