【今週の今日の一冊】知れば知るほど、もっと知りたくなっていく…「サンタクロース」の絵本
想像以上にドジをしてばかりのサンタクロース、どこまでもあかるく優しいサンタクロース、あっという間に願いをかなえてしまったり、子どもの願いをかなえるために時間をかけて準備をしていたり。知れば知るほど、もっと知りたくなっていくのが「サンタクロース」。今週は、クリスマスに大活躍してくれるサンタクロースが登場する絵本をご紹介していきます。
やっぱり、クリスマスが待ち遠しい……!
2022年12月12日から12月18日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
12月12日 こんな「ドタバタ」なクリスマスなんて見たことない!
「うちへ かえりたくなったよ」
そんなこと言わないで、サンタさん。ドタバタかわいいサンタのお話、今年も無事にクリスマスの仕事を終えられますように。
月曜日は『ドタバタ・クリスマス』
シルベスターさんのうちの屋根にやってきたのは、サンタクロース。今日はクリスマスの夜です。……あれ、ソリから落っこちて鼻をぶつけてる。大丈夫かな。
心配する間もなく、えんとつから転げ落ち、クリスマス・ツリーにぶつかって。ソファで休めばソファはつぶれ、立ち上がると今度はシャンデリアにぶつかって。どうやらこのサンタさん、とんでもなくおっちょこちょい。すでにシルベスターさんのおうちが大変なことに。
「うちへ かえりたくなったよ」
そんなこと言わないで、サンタさん。ふと後ろを見ると、小人のジェラルドが後始末に大忙し。「面白そうなドライブ」だからとソリに忍び込んでついてきたのだけれど、これじゃあ仕事だらけで楽しむどころじゃない。すると今度は大きなシロクマ!間違って袋に入ってきたみたい!? どうする、サンタさん。
こんな「ドタバタ」なクリスマスなんて見たことない! でもこのサンタさん、何をしてても愛嬌たっぷり。見ているだけで笑ってしまうのです。どうか、今年も無事にクリスマスの仕事を終えられますように。毎年のクリスマスが楽しみになる、ドタバタかわいいサンタのお話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
サンタクロースの存在って、子ども達にとっては不思議で謎なんですよね。我が家の子どもも学校高学年でサンタクロースの存在を疑い出し、そしてすっとぼけている親の私で、実に微妙な時期です。
いるのかいないのかわからない…どんな人なんだろう…そんな存在を絵本でたっぷり味わうのも子どもならではのことかもしれませんね。
こちらのサンタさんはおっちょこちょいでどこかドジな、でも憎めないサンタさんですね。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
12月13日 こりすは、自分もサンタさんにプレゼントをあげたいと思い立ち…
プレゼントを贈る相手がいるのは幸せなことだ言うサンタさんの話を聞いて、こりすは自分もサンタさんにプレゼントをあげたいと思い立つのです。でも、何を贈れば喜んでもらえるのでしょう。
火曜日は『こりすのクリスマス』
遠い遠い北の国、サンタさんの暮らす家があるその深い森に、こりすは住んでいました。こりすはいつも、もみの木からクリスマスのために準備をしているサンタさんの様子を見ています。プレゼントを贈る相手がいるのは幸せなことだと話しながら、サンタさんはビスケットをわけてくれます。コリスはそんなサンタさんが大好きなのでした。そして辺り一面が真っ白になる12月。
「では いってくるよ」
プレゼントを届けに出かける姿を見送りながら、こりすはふと、自分もサンタさんにプレゼントをあげたいと思い立ちます。でも、いったい何がいいのでしょう? 探しているうちに、夜が明けてしまい……。
相手が好きだからこそ、喜んでもらいたいからこそ、何を贈ればいいのかわからなくなってしまうこりす。その健気な姿を見守りながら、いつしか読んでいる私たちもプレゼントの本当の意味を考え始めてしまうのです。何しろ、相手の欲しいものをぴったり当てることなんて難しすぎます。だけど、サンタさんは絵本の中でちゃんと教えてくれます。素晴らしいプレゼントというのは?
小さく愛らしい主人公を、美しい風景とちょっぴり切ない物語で描き出す豊福まきこさん。そんな豊福さんが手がけるサンタクロースの姿はやっぱり魅力的。その世界を存分に味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声
サンタクロースが世界中に届けているのは「モノ」ではないんだ。
この一言に胸がじ~んとしました。
身近にくらしているこりすが、自分に何をプレゼントしようかと、思い悩んでいたことも、サンタクロースはお見通しでした。
心で感じる絵本です。
透明感のある絵も素晴らしいと思いました。
クリスマスの読み聞かせように、大事にしておきたいと思います。
(ヒラP21さん 60代)
12月14日 優しく陽気なその人は、ざくざく足音をさせ…
一年に一度もみの木が最高に輝くその瞬間を、静かにあたたかく描きだすこの物語。江國香織さんの翻訳で味わう、小さなクリスマスの絵本。
水曜日は『ひとりぼっちのもみの木』
クリスマスの前の晩。ひとりぼっちのもみの木が、丘の上にぽつんと立っていました。寒さと静けさに身震いしながら、下に広がるきらめく街並みをうっとり眺めています。
かつてはここも大きな森で、仲間がたくさんいたのですが、今ではみんな居場所を見つけ、心地よさそうにしています。話し相手もなく、ひとり長い冬の眠りにつこうとしていたその時。ざくざく足音をさせ、あたたかなあかりと共にあらわれたのは……?
誰もが自分の居場所と温もりを求めるその晩に、優しく陽気なその人は、もみの木のために仕事にとりかかり、あっという間に願いを叶え、夜空に飛び去っていったのです。なんて素敵な夜なのでしょう!
一年に一度もみの木が最高に輝くその瞬間を、静かにあたたかく描きだすこの物語。決して派手ではないけれど、それでも確かに奇跡は起き、夜はきらめく光に包まれて、その光景は忘れられないほど美しく。
「みなさん クリスマス おめでとう
そして みなさん すてきなよるを」
江國香織さんの翻訳で味わう、小さなクリスマスの絵本。誰かに贈りたくなる1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声
わいわい賑やかなクリスマス絵本もいいですが、こちらの絵本は静けさの中にある温かさを感じる絵本に思いました。
クリスマスなどのイベントごとの時って、周りが賑やかな分、ひとりぼっちは寂しさ倍増という感覚に陥りがちですよね。でもその静けさの中にある温かさや幸せってあるのかも知れないですね。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
12月15日 ここは100にんのサンタクロースがすむ街
子どもたちが大好きなサンタクロースの絵本。個性豊かで愛嬌たっぷりなサンタさんが100人も登場するなんて、みんな大喜びしちゃいますよね。
木曜日は『100にんのサンタクロース』
ここは100人のサンタクロースがすむ街。100人色々なサンタクロースがいるのです。サンタクロースたちは、1年間かけて特別な日「クリスマス」にむけて準備している……なんて知っていました? プレゼントを配るおうちの地図をつくったり、クリスマスツリーや野菜や果物を育てたり、素敵な星空をつくる練習をしたり。それはもう、100人みんなが大忙しなのです。なかでも1番大変なのは、プレゼントの準備!おもちゃを運んだり、包んでリボンをつけたり。
そして、とうとうみんながとっても楽しみにしているクリスマス。それは、こんなに大変な仕事が待っているサンタクロースたちにとっても同じ。
なぜかって?
それはね。プレゼントを配り終わった後の、サンタクロースたちだけの楽しみがあるからです!
子どもたちが大好きなサンタクロースの絵本。個性豊かで愛嬌たっぷりなサンタさんが100人も登場するなんて、みんな大喜びしちゃいますよね。サンタさんたちの住んでいる家や洋服も、びっくりするほど可愛らしいですよ!!
作者は日本だけではなくフランスやイタリアなど海外でも活躍をされている谷口智則さん。愛らしいキャラクターやあたたかな色合い、そして絵本の中に入ってみたくなる雰囲気がとっても魅力的です。クリスマスのギフトにおすすめしたい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
カラフルでポップで楽しい挿絵に、ウキウキしながら読みました。個性溢れる魅力的なサンタさんがたくさん登場するので、ページをめくるのが楽しくて楽しくて。100人のサンタさんの家なんて、ビックリするほどかわいいです。
絵本を存分に味わったあと、最後にまたおまけのおたのしみが。裏表紙の見返し部分に、100人のサンタクロースが名前入りで紹介されていました。子どもたちと一緒にお気に入りのサンタクロースを探したりして楽しかったです。
子どもだけでなく、大人も一緒に夢中になってしまうクリスマス絵本だと思います。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子6歳、男の子4歳)
12月16日 もしきみが「サンタクロース」になれるとしたら?
もしきみが「サンタクロース」になれるとしたら、どうする?
「サンタクロース募集」のポスターが貼ってあったとしたら?
金曜日は『みならいサンタ』
みなちゃんは「みならいサンタ」。
今年のクリスマスにサンタクロースとしてデビューするのです。
トイレにいって、腹巻きも忘れずに、師匠と一緒にソリに乗って出発。
そう、今日はクリスマス・イブ。
一年で一番忙しい日に、みなちゃんはプレゼントを配りにいきます。
雪降るまちの夜の空、シャンシャンシャンと鈴を鳴らし、トナカイがソリをひいてゆきます。
…なんて素敵な経験なのでしょう!
「あの」サンタさんの横について屋根にのぼり、
はしごを降り、暖炉から部屋に入り、プレゼントをそっと置き。
昇級テストだってあります。
一人でプレゼントを無事に届けることができれば3級です。
さて、みなちゃんは……?
注目の絵本作家そのだえりさんの最新作は、とびっきり愛らしいクリスマス絵本。主人公はベッドの中でサンタさんがやってくるのを待つ子どもたちではなく、なんとサンタを目指す女の子。きっとサンタさんが憧れで、大好きで、いつか私も!と願っていたのでしょう。確かに、こんなに夢のある仕事はありません。その充実感は、全てをやり終えたみなちゃんの満面の笑顔が物語っていますよね。
毎年この季節になったら、絵本を読んでいる子ども達も、みなちゃんと一緒にひと仕事を終えた気持ちになる。そんなクリスマスの過ごし方も新しくて魅力的なのかもしれません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
12月17日 サンタさんとくまさんの心温まるクリスマスのお話
しんちゃんからの手紙を読んだサンタさんは、その願いをかなえるべく……。すべての絵が美しい刺繍で描かれた、愛らしくも心温まる絵本です。
土曜日は『サンタさんありがとう』
サンタさんとくまさんの心温まるクリスマスのお話
「一緒に遊べるくまさんがほしい」と、しんちゃんという男の子からの手紙を読んで、サンタさんはぬいぐるみのくまさんを作ります。サンタさんは、しんちゃんの友だちになれるように、くまさんに言葉を教えます。言葉を覚えたくまさんは、サンタさんとたくさんおしゃべりをしたり、お手伝いをして、楽しく過ごしました。そして、しんちゃんのおうちへ旅立つときがやってきます……。美しい刺しゅうで描かれた、心温まる絵本です。
12月18日 「やれやれまたクリスマスか! 」
寒さに愚痴をいい、煙突に文句をいいながら町の子どもたちにプレゼントを配るサンタクロース。皮肉屋だけど実は優しい、人間味あふれるサンタクロースが大人気。
日曜日は『さむがりやのサンタ』
ベッドの中で熟睡するサンタのおじいさん。常夏のビーチでくつろぐ夢の途中で目覚まし時計に起こされ、忙しい12月24日の一日が始まります。「やれやれ、またクリスマスか!」。ベッドから出ると、まずはトナカイたちにご飯をあげて、自分もベーコンと卵で朝食です。包まれたプレゼントの山を荷車で運び出し、さあクリスマスのお仕事に出発!
コミックのようなコマ割りで表現した、サンタクロースのおじいさんの一年で一番忙しい一日の物語。朝起きてから、夜ベッドに潜りこむまでの行動ぶりが楽しいイラストで描かれます。
文字は吹き出しに台詞としてほんの少し登場するのみ。部屋の中、町の様子など、細かく描写された背景のイラストにさまざまな発見があります。また、おじいさんの持ち物、食べ物、口調、表情、しぐさから、その人柄が愉快に浮かび上がり、こんなサンタさんがいたのか……と思わず笑いがこぼれてしまうでしょう。目をよく凝らして、寒がりサンタの一日を味わってください。
――(ブラウンあすか)
読者の声
下の子も楽しんでみてましたが、なんといっても上の子(4歳)。
ブツブツいいながらトナカイに餌をやったり、お弁当の用意したり。
もう面白くて面白くて……大笑いです。
私もサンタさんってこんな人なの?
って人間味溢れる普通の生活しているサンタさんに
親近感を覚えちゃいます。
大分、クリスマスに近づいてきたので
もうそろそろ久しぶりに読んでみようかな。
漫画っぽくて楽しく読めますよ。
(のぽぽんぽんさん 30代・ママ 男の子4歳、男の子2歳)
絵本の中には、個性的でおかしなサンタクロースが、こんなにも登場するんです。大好きなサンタクロースの絵本を何度も読んで、サンタクロースと仲良くなってみてくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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