第70回産経児童出版文化賞・翻訳作品賞を受賞!『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』
第70回産経児童出版文化賞・翻訳作品賞を受賞 3人の写真家が伝える真実とは?
徳間書店から2022年12月に刊行されたノンフィクション絵本『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』が、このたび5月5日に発表された第70回産経児童出版文化賞で、翻訳作品賞を受賞しました。
1941年、日本軍による真珠湾攻撃後、アメリカ西海岸に住む日系人たちが送られた収容所を撮影した3人の写真家。彼らが残した記録と、うつさなかった真実を伝え、戦争の犠牲になった人々の姿を伝える絵本です。
カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所
1941年12月に日本軍が真珠湾を攻撃した三か月後、
アメリカ合衆国の西海岸に住むすべての日本人と
日系二世は強制収容所に送られることとなった。
日系人たちは、家、仕事、持ち物を置いていくよう命じられ、
許されたほんの少しの日用品を手に、
有刺鉄線と武装した警備員に囲まれた収容所で
暮らすこととなった。
三人の写真家―ドロシア・ラング、宮武東洋、
アンセル・アダムスーは収容所での日々を
撮影した。
ドロシア・ラングは合衆国政府の依頼をうけ
撮影をしたが、収容所の厳しい生活を
アメリカ国民に知らせようとした。
収容されていた日系人のひとりで写真家の
宮武東洋は、持ちこんだ機材を使って
収容所の実態を記録した。
風景写真家として有名なアンセル・アダムスは、
意図的に場面を選びながら、
収容所でも人々がくじけずに生きる姿を撮影した。
三人三様の写真を紹介しながら、
その背後にある物語に焦点をあてた、
戦争の犠牲になる人々の姿を描いた
ノンフィクション絵本。
産経児童出版文化賞とは
1954年の学校図書館法施行に合わせて産経新聞社が創設した賞。
「次の世代を担う子どもたちに、良い本を」という主旨のもと制定されました。
これまでに翻訳本を含む約1200作品が表彰を受けており、その膨大な蓄積は日本の絵本文化、児童文学の歴史を形づくっています。
毎年、前年1年間に初版として発行された児童書を対象に審査が行われ、優秀作品が決定されます。
産経児童出版文化賞
https://www.sankei.com/feature/child_award/
「第70回 産経児童出版文化賞」受賞作品
https://www.sankei.com/article/20230505-LATVH6IILRM7LIXPITCT3Y574Q/
東京子ども図書館理事長・張替惠子さん選評『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』
写真家ドロシア・ラング、宮武東洋、アンセル・アダムスは、カリフォルニア州マンザナー強制収容所での日系人たちの生活を、それぞれの視点で撮影。三人三様の写真が、説明文と挿絵の中に効果的に配され、人権を剝奪(はくだつ)された人々の実態を如実に浮かび上がらせる。
と同時に、当時公開不可となった写真や、撮影者の意図から生じる表現の差にも触れ、リテラシーも培ってくれる。多面的構成と洗練された装丁が際立つ一作。
【本書紹介】三人三様の写真を紹介しながら、真実の物語に焦点をあてた1冊
1941年12月に日本軍が真珠湾を攻撃した3か月後、アメリカ合衆国の西海岸に住むすべての日本人と日系二世は強制収容所に送られることとなった。3人の写真家が収容所での日々を撮影した。
ドロシア・ラングは、収容所の厳しい生活をアメリカ国民に知らせようとした。
収容されていた写真家の宮武東洋(みやたけとうよう)は、持ちこんだ機材を使って収容所の実態を記録した。
アンセル・アダムスは、人々がくじけずに生きる姿を撮影した。
三人三様の写真を紹介しながら、その背後にある物語に焦点をあてた、戦争の犠牲になる人々の姿を描いたノンフィクション絵本。原作は、ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞。
書籍紹介
『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』
文:エリザベス・パートリッジ
絵:ローレン・タマキ
訳:松波佐知子
定価:3,850円(税込)
判型:A4判変型
ページ数:132ページ
対象:小学校高学年から
ISBN:978-4-19-865579-2
発売日:2022年12月17日
出版社:徳間書店
著者プロフィール
文:エリザベス・パートリッジ Elizabeth Partridge
ドロシア・ラング、ウディ・ガスリー、ジョン・レノンなどの若い読者向けの伝記で高い評価を得る。全米図書賞最終候補、ボストングローブ・ホーンブック賞、ロサンゼルスタイムズ・ブック賞、マイケル・L・プリンツ賞、ジェーン・アダムス児童図書賞等、受賞多数。名付け親であるドロシア・ラングの写真に親しんで育つ。ドロシアが撮った、幼い孫を背負って砂埃の舞うマンザナーを歩くトラゾウ・サカウエの写真を見て、その背景にある物語を描こうと思い立ち、本書を執筆した。
絵:ローレン・タマキ Lauren Tamaki
ニューヨーク在住のカナダ人イラストレーター。ニューヨークタイムズ紙、ウォールストリートジャーナル紙、ペンタグラム社、ペンギン社、ニューヨーカー誌等と仕事をし、イラストレーター協会、米ニュースデザイン協会、AI-APで高く評価され、ナショナルマガジンアワードを受賞。日系カナダ人四世として、カナダのカルガリーで育つ。本書の絵を描くために、ブリティッシュコロンビア州の強制収容所に収容された祖父母について調べ、法学部出身の祖父が、強制収容から釈放された日系カナダ人たちの権利を守るために闘ったことを知った。
訳:松波佐知子(まつなみさちこ)
翻訳家、写真家。神奈川県生まれ。青山学院女子短期大学児童教育学科卒。版権エージェントや外資系IT企業等で仕事をするかたわら、「バベル絵本翻訳コンテスト」優秀賞等を受賞。児童書を中心に、ヨガ関係の雑誌や、ウェブサイトの翻訳に携わっている。訳書に『池のほとりのなかまたち』『犬ロボ、売ります』『ちいさなワオキツネザルのおはなし』『ふたりはなかよし マンゴーとバンバン』シリーズ(以上、徳間書店)等。また、国内外で写真技術を学び、現在は写真家として自作の和菓子を撮影し、和菓子や写真の教室も開催している。
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