【今週の今日の一冊】5月に読みたい! 運動会時期の読み聞かせおすすめ絵本
5月下旬の大きな行事といえば運動会! 運動会が近づくと、練習の日も多くなり、どんどん気持ちが盛り上がっていきますね。そんな運動会シーズンに子どもたちに読んであげたい絵本がたくさんあります。運動会の楽しさが伝わったり、ちょっとしたハプニングにドキドキしたり……。一方で走るのが苦手でちょっと気が重いと思っている子どもたちの気持ちに寄り添ってくれる絵本も。
今週は、とくに読み聞かせにおすすめの運動会絵本をご紹介します。
2023年5月22日から5月28日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
5月22日 みんなが主役の運動会!
月曜日は『よーい、ドン!』
澄み渡る空、なんだかそわそわ、ワクワクしちゃう、今日は待ちに待った日曜日。
ぼくはお父さんに肩車してもらって、家族全員である場所へ。ん?あらら、どうやら向かっているのはぼくたちだけじゃないみたいですよ。おじいちゃんおばあちゃんをはじめ、忍者さん、泥棒さん、オバケちゃん、ヘンテコリンさん、ぼくのご近所さんたち全員が大移動!みんな一体どこへ行くの?
そう、今日はみんなが楽しみにしている町の運動会。子どもも大人も大集結、赤白わかれて、賑やかな大運動会の始まりです。誰もが主役になれる運動会は、エキサイティングな催しものが目白押し!
午前中は、ずるっこなしよ、子どもが主役の「ちびっこ競争」、大人数になるほどはちゃめちゃで面白い「ムカデ競争」、意外な人が大活躍して盛り上がっちゃう「障害物競走」。お昼に美味しいお弁当を食べたら、赤組白組の応援合戦で運動会は一気にヒートアップ!「綱引き」「大玉転がし」まだまだ続く「騎馬戦」、、、そして最後はやっぱりリレーで決着。赤白どっちが勝ったかな?
この絵本の見所は、なんといっても描かれている全員が主役であること!見開きいっぱいに緻密に描かれたたくさんの人たちが、みんな思い思いに本当にいろんな事をしているのです。最初に肩車して登場した「ぼく」もすっかり見失っちゃうくらい人、人、人、人、人だらけ!この絵本の作者中垣ゆたかさんの前作『ぎょうれつ』にも負けないくらい!?よく見ると、普通の町の人にまぎれてヘンテコリンな人がたっくさんいて、なんだか運動会じゃないことをしていたり(笑)。実際の運動会も遠くから望遠鏡でのぞいてみたら、きっとこんな感じなのかもしれませんね。ページのどこに「ぼく」がいるかを探してみたり、一人一人何をしているのかストーリーを想像して膨らませてみるのも楽しい。絵本を開くたびに、きっと数えきれないくらいの物語と新しい発見に出会えるはずですよ。
さあ、準備はいい?それじゃあ「よーい、ドン!」
(富田直美 絵本ナビ編集部)
みんなの声より
楽しい!その言葉につきます!
絵が細かいのは表紙をみて、気づきます!
めくっていっても、細かい、細かい!
いろんなものの表情やしぐさを見て笑うことができます。
絵さがしの絵本のように、探すように促す文章は少ないですが、自然と探してしまいます。寝る前に読んでしまったので、とっても楽しくなってしまって、時間がずいぶん経ってしまいました。でもいいんです、大人も楽しめますから!
(ジョージ大好きさん 30代・ママ 男の子5歳)
5月23日 ひょうたん沼のかえるの運動会。みんな大はりきり!
火曜日は『10ぴきのかえるのうんどうかい』
今日はひょうたん沼のかえるたちの運動会。みんなは大はりきり! 10ぴきのかえるは、綱ひきの赤組代表です。 「よーいしょ、よいしょ、もう一息だ!」そう思った時、真まっ黒な黒雲が、ぐんぐん近づいてきて……。 ぴゅうううう……。突然の竜巻に、運動会はめっちゃめちゃ。しかも、沼一番の年寄りがえるが、トロフィーと一緒に風にとばされてしまったのです。 10ぴきは、年寄りがえるを探しにいくことになりました。じゃまな大石は大玉転がしみたいに転がしてどかし、細い橋を丸太渡りみたいに渡って、山の中を探しまわりましたがみつかりません。くたびれたかえるたちが、もう歩けないと思ったその時、ひっくりかえるが転げおちた穴には、なんと年寄りがえるが! でも、そこは深い穴。どうやって助けようかと困っていると、かんがえるが明安を思いつきます。 「10ぴきのかえる」シリーズ第9弾。10ぴきが大活躍!
みんなの声より
運動会の季節になり、10ぴきのシリーズにも運動会があったな~と読んでみました。はじめは玉入れや綱引きなどの普通の運動会でしたが、真っ黒な雲が近づいてきたことから、急展開!
竜巻に飛ばされてしまったおおじいさまを探しに行く冒険に変わります。だけどよーく見てみるとその道のりも運動会のよう…?最後にはおおじいさまも見つかって、めでたしめでたし。途中でちょっとハラハラする展開になるのは10ぴきシリーズの定番ですね。娘と楽しく読むことができました♪
(ouchijikanさん 40代・ママ)
5月24日 運動会で明かされる、ジィちゃんのすごい秘密とは?
水曜日は『ぼくのジィちゃん』
田舎からやってきたぼくのジィちゃん。
変なTシャツ着て、にこにこ笑ってるだけのジィちゃん。
なんだかかっこわるい。
でも、ジィちゃんには、ぼくが知らないすごい秘密があって・・・。
明日は運動会。とうさんは、走るのが早いから「PTAクラスたいこうリレー」の選手。
だけど、ぼくはクラスで一番走るのがおそい。
「ぼくは、また ビリに きまってる。いやだなぁ・・・。」
その夜家にやってきたのが、ジィちゃん。
ジィちゃんは子どもの頃走るのが早かったって言うけど、信用できない。
だって、コツを聞いたら「右足を前に出したら、次は左足を前に出す」って。
あたりまえのことを言うんだもの。
当日、ぼくはやっぱりビリだった。
がっかりしていたぼくに、追い打ちをかけるように、とうさんが仕事でリレーに出れなくなった。
相手チームのアンカーは、元陸上選手のハヤトくんのおとうさんなのだ。
急にアンカーをやってくれる人なんていないよ。
その時、ピンチヒッターとして立候補してきたのは、思いもかけない人だった!?
読み終わって出る感想はとにかく1つ。
「ジィちゃん、かっこいい!!」
年なんて関係ない、かっこいいものはかっこいい。
輝いている人は輝いているのです。
吉田尚令さんが描く、スピード感あふれる運動会シーンは最高。
ぼくの中のジィちゃん像が変わっていく瞬間を迫力たっぷりに魅せてくれます。
読後感が気持ちいい、ドラマチックな一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの声より
図書館から借りてきて、6歳と11歳の娘たちと読みました。
いつもニコニコ笑ってるだけの、ぼくのジィちゃん。なんだかかっこ悪い…。
でも運動会で、そんなジィちゃんの意外な姿に、ぼくは…?!
おじいちゃんのキャラ設定が抜群で、とにかく最初は笑ってしまいました。
そんなジィちゃんとはウラハラに、走るのが苦手な「ぼく」は、ずっと冴えない表情です。
しかし、運動会当日、かっこ悪い「はず」のジィちゃんの、意外な姿にぼくの心は動かされ…!!
読んでいる私たちも感動してしまいました。グッとお話に惹きつけられました。
苦手なことに悩む子供が勇気をもらえる一冊だと思います。
一見かっこ悪いジィちゃんが最高にかっこいいジィちゃんに変身する様が最高でした。
くすのきしげのりさんの文章には、いつも感動させられています。それに加えて吉田尚令さんの描く人物の表情なり臨場感が素晴らしく、すごくいい本だなーと思いました。
裏表紙の光景にも、心が和んで笑みがこぼれました。本当にジィちゃん、最高!!
(ゆりわんちゃんさん 30代・ママ 女の子11歳、女の子6歳)
5月25日 競技名は、ドルばこリレーに、ニセさつわたし!
木曜日は『どろぼうがっこう だいうんどうかい』
40年前に発売されて以来、今もずっと読み続けられている、かこさとしさんの人気絵本『どろぼうがっこう』。その続きのお話として『どろぼうがっこう ぜんいんだつごく』と2点同時に発売されたのが『どろぼうがっこう だいうんどうかい』。「ぜんいんだつごく」では、驚きの方法で見事にろうやから脱出することができたどろぼうがっこうの面々。今度はなんと運動会を開催しちゃいます!
どろぼうがっこうの運動会? 一体どんな競技が繰り広げられるのでしょう。
想像するだけで、ドキドキしてしまいますよね。
まずは我らがくまさか先生の開会のあいさつ、続いてどろぼうがっこうの応援歌。
「♪ われらの ほこりは どろぼうがっこう ♪」
そしていよいよ競技が始まります。
「ドルばこリレー」に「ニセさつわたし」。うーん、なんだか名前だけでもしびれます。
更には見物に来た村人たちとともに「あきす音頭」を楽しく踊った後に、お昼の時間です。
ところが。あれ、あれ、あれ?
「わしの弁当がない。」「おれのふくがないぞ。」
何が起きたのでしょう?
どろぼうがっこうの競技を村人たちが見学する、ちょっと不思議なこのお話。
でもやっぱり抜群に面白いのです。
次々に行われる競技の内容はもちろん、応援歌をうたいあげるどろぼうがっこうのみんなの誇り高い顔!
楽しそうに一緒になって「すきさえあれば ぬすみあい♪」なんて歌っちゃっている、人の良さそうな村の人々!
読み終わった後には、すっかり満足した気持ちになれちゃいます。
かこさん、続きのお話をつくってくれてありがとう!
思わず心からお礼を言いたくなってしまいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの声より
どろぼうがっこうの運動会、村の人も集まって開催されているというのがなんだかすごいなと思いました。校長先生のインパクトのある見た目にもびっくりでした。
応援歌に空き巣音頭と、変わった歌も歌詞が面白くて笑いました。競技も、さすがどろぼうがっこうですね。ニセ札わたしなど、普通の学校の運動会ではありえないですよね。息子は、競技出場者の名前が面白いと言っていました。
お昼休みには、どろぼうがっこうにどろぼうが入るという珍事件も起きましたが、校長先生が捕まえたそのどろぼうをスカウトするというまさかの展開に驚きでした。
何でもありのどろぼうがっこう、見学会とかあったら行ってみたい気もします。でも貴重品は持って行かないようにしなきゃかな。
(てつじんこさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
5月26日 悔しいから、頑張る力がわいてくる!
金曜日は『うんどうかいがなんだ!』
ブブタンは、いつもかけっこでビリだから、運動会がキライです。「いっそ、おなかがいたいって休んじゃおうかな。」そういうと、「休んじゃだめ!」ってどこかで声がしました。…ついにむかえた運動会の日。ブブタンにとってどんな一日になるのでしょうか? 悔しい気持ちを励まして、頑張るみんなにエールを送る絵本です。
みんなの声より
私もブブタンのように走るのがおそかったので、ブブタンのくやしい気持ちはよくわかりました。
みんな、最後になるのはいやですよね。でも一等がいればだれかが最後になる。その最後になる人の気持ち。それも、ほかの人から最後になることをあてにされている。それはくやしいですよね。
この本を子供たちによみきかせをすると、ブブタンの気持ちと一体化するのか、みんな真剣にきいていて、ブブタンがくやしいと思うと、そういい顔になっているし、走る練習を頑張るところをががんばれ!というきもちがつたわってきます。最後はやったーという感じです。なかなか、くやしいという気持ちを肯定的にえがいた絵本はないので、おすすめです。
(コニャニャチワーさん 50代・ママ 男の子11歳)
5月27日 足の遅いそうたに、校長先生が教えてくれたのは…
土曜日は『はしれ、ゴールの むこうまで!』
『おこだでませんように』や『めがねをかけたら』など、
リアルな子どもの心情を書かせたら、ピカイチの作家・くすのきしげのりさん。
この作品は小学校1年生の学校行事と生活を描く
「いちねんせいの1年間」シリーズの1冊です。
そうたの通う小学校の校長先生は、毎朝生徒ひとりひとりに挨拶をして、
掃除や給食、授業などを子どもたちと一緒になってやる、
元気で、いつも絶好調の「ぜっこうちょうせんせい」。
ぜっこうちょうせんせいは、運動会の練習にも一生懸命。
そうた達一年生に、速く走るコツを教えてくれます。
でも、クラスで一番足の遅いそうたは、練習になかなか力が入りません。
走るのを途中であきらめてしまうそうたに、校長先生は
「ゴールは まだ とちゅうだと おもって、
ゴールの むこうまで はしるんだ
そうすれば、いきおいよく ゴールテープを きることができるぞ」と励まします。
運動会当日、徒競走でやっぱりビリになってしまい、落ち込むそうた。
でも、先生たちの出る「よびだしきょうそう」で、
校長先生が引き当てた紙に書いてあったのは……。
一年生の1年間は、すべてがはじめてで、新鮮なことばかり。
小学校教諭として長く、子どもたちと接してきたくすのきさんだからこそ描ける
「いちねんせいの1年間」は、
「入学式」「授業参観」「プール」「運動会」「遠足」「進級」と、
より心と体が成長するテーマがセレクトされています。
1年生になった子、これから1年生になる子はもちろん、
1年生を懐かしく感じる上級生にも読んでほしいシリーズです。
(木村春子 絵本ナビライター)
みんなの声より
とても理想的な学校だと思います。校長先生が生徒ひとりひとりの顔と名前を憶えていて、いろいろと声掛けをしてくれるというのは実際にあるのかな?と思いながら読みました。
実際の校長先生はどうだかわからないけど、かけっこの苦手な息子にはとても励みになる絵本でした。5月の運動会、ゴールの向こうを目指して頑張ってほしいと思います。
(ねこよんよんさん 40代・ママ 男の子7歳、女の子1歳)
5月28日 勝っても負けても運動会は楽しい!
日曜日は『うんどうかいがんばれよーいドンの日!』
歌って遊ぶスーパーデュオ「ケロポンズ」のますだゆうこさんと、子どものマルチメディアを企画制作するレーベル「colobockle」のたちもとみちこさん。
子どもたちに大人気の2人がタッグを組んだ「もっと知りたい!行事の絵本」シリーズは、楽しいおはなしと豆知識が1冊になったお得なシリーズ。
これまでお正月、節分、ひな祭り、七夕、ハロウィン、クリスマスなど様々な行事絵本が誕生しました。
さて本書のテーマは運動会。いったいどんなおはなしと豆知識が出てくるのでしょうか……?
きょうは、ゆうくんの小学校の運動会。
「いってきまーす! かえるくんたち おうえん よろしく!」
ゆうくんは元気に出発します。
「いってらっしゃーい!」と手をふる、かえるのぴょんたも、かえる学校で運動会をすることになりました。
ゆうくんはかけっこ、かえるたちはジャンプ競争。
ゆうくんたちの真似をして、かえる学校でも借り物競走に挑戦!
かえるたちも一緒に楽しいダンス、そして最後は勝負を決める、つなひき。
赤組、白組、どちらもがんばりますが、ゆうくんの赤組が負けちゃいそう。
そのとき雨が降ってきて……!?
かえるたちがゆうくんを応援しながらストーリーがすすむ、さわやかなおはなし。
豆知識コーナーは、「運動会のはじまり」や、ちょっとおもしろい「いろいろな競技」、運動会のお弁当技に使えそうな「クッキング」など、もりだくさん。
巻末にはますだゆうこさんが作詞・作曲した「かえるのみどりちゃん」の楽譜付きで、親子で“かえるのみどりちゃん体操”にチャレンジできそう!
子どもたちにとっては、ドキドキわくわくの運動会。
とくに、1年生になってはじめて小学校の運動会を迎える親子にとっては、楽しみながら心の準備をしたり、運動会後にふりかえったりできる1冊です。
勝っても負けても運動会は楽しい! そう思える1冊になりますよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
みんなの声より
「もっと知りたい!行事の絵本」シリーズ。
カエルやアジサイも登場するので、初夏の運動会バージョンですね。
ゆうくんの小学校の運動会と一緒に、カエル学校のぴょんたも運動会で頑張るのですね。
徒競走、借り物競走、ダンス、つなひきなどなど。
嬉しさも悔しさもみんな楽しいに昇華する醍醐味ですね。
いつものように、運動会の豆知識もあり、興味深いです。
なんと、巻末には、かえるのみどりちゃん体操があります。楽譜も完備。
たっぷり運動会を楽しめそうです。
(レイラさん 50代・ママ)
いかがでしたか。
「みんなの声(レビュー)」を読んでいると、運動会の絵本を読みながら、大人も子どもの頃のことを思い出している様子が伝わってきます。運動会って心に残る特別な行事ですよね。子どもたちの頑張りを応援しながら、子どもも大人も一緒に楽しく読んでみてくださいね。
秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)
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