絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~   >   【今週の今日の一冊】雨降りの季節の読み聞かせに♪ 五感で楽しむ雨の絵本特集
未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】雨降りの季節の読み聞かせに♪ 五感で楽しむ雨の絵本特集

そろそろ雨のお天気が続く時期が近づいてきましたが、雨の絵本には、雨の音や雨のにおい、雨の色、温度、肌に触れた時の感触など、五感に働きかけてくるものがたくさんありますね。その中でもとくに読み聞かせにおすすめの絵本を集めてみました。
普段から、五感を働かせて雨を楽しんでいる子どもたちと一緒に、楽しく読んでみませんか。

 

2023年5月29日から6月4日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

5月29日 動物たちの傘はどんな傘? 雨の擬音にも注目を!

月曜日は『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』

ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?

リアルで繊細、それでいて愛らしさのあふれる動物の絵に定評があるしもかわらゆみさんの新作は、赤ちゃんから楽しめる「動物と傘」の絵本。

雨が降ってきたら、動物たちはどんな傘を使うのかな?

ねずみさんはキノコの傘。
お次のうさぎさんは、大好きなニンジンの葉っぱを傘に。
きつねさんとたぬきさんは?
くまさんは?
どんな傘が登場するのでしょうか。
親子でワクワクと楽しんでください。

もうひとつ、注目してほしいのは、雨の擬音です。
最初は「ぽつぽつぽつ」、次は「ぱらぱらぱら」、続いて「さらさらさら」、その次は……。
その音によって、雨の量はどうでしょうか?
絵を見ながら、その変化を楽しむことができます。
雨の様子によって、こんなに様々な表現方法があるなんて……日本語って、本当に素敵な言語ですね。

(洪愛舜  編集者・ライター)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=115795

みんなの声より

それはこんな始まり。
「ぽつぽつぽつ あめですよ
ちいさな ねずみさん だいじょぶ?」
初めて見た時の衝撃は今でも忘れられません。動物たちが傘をさす。
擬人化されているようで、その動物そのものはちゃんと動物そのままで。
私達が知らない動物達の世界をそっと覗き見させてもらっているような、そんな感覚になる絵本です。
雨が降ると動物たち今頃どんな傘をさしているかなと小さな人たちと空を見上げています。
(fuwahaneさん 40代・せんせい 女の子16歳、女の子14歳)

5月30日 雨の毎日を元気にするため、音楽隊を結成!

火曜日は『カエルのおんがくたい』

カエルのおんがくたい

雨の季節を元気にしてくれるカエルの絵本

毎日、雨ばかりで退屈しているカエルの兄弟は、音楽隊を結成して、演奏でみんなを元気づけようとします。「ケロ!ケロ!ケロ!」「クワッ!クワッ!クワッ!」楽しい演奏で、あたりも明るくなりました。

世界で活躍する刀根里衣さんの待望の新刊です。

刀根里衣さんのこのシリーズは、動物の兄弟が主人公の幼児向けのストーリー絵本です。
「うさぎ」「ひつじ」に続き、今回は「カエル」のお話です。

雨ばかりで、暗ーくどんよりした毎日を、元気にしようと、カエルが、音楽隊を組むことを提案!
「ケロ!ケロ!クワッ!クワッ!おんがくたいのけっせいだ!」
先ずは、小池で演奏です。
「プープーピーピー ポロポロシャン み~んな げんきにな~れ!」

カエルたちの演奏は、それはそれは、楽しい音の連続です。
リズミカルな、言葉の音楽は、読み聞かせに最適。
うたいながら読めば、それだけで楽しくなります。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=112032
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=112032

みんなの声より

雨の日、「み~んなげんきにな~れ」と演奏してまわるカエルの音楽隊。雲にくるまって眠る太陽を起こしに行って、楽しい音楽で虹を作り出します。色合いがとてもきれいで優しいタッチの絵に癒されます。イラストもストーリーも大好きでした。
(みっとーさん 30代・ママ 男の子7歳、女の子5歳)

5月31日 子どもと雨のささやかなひととき

水曜日は『あめあめぱらん』

あめあめぱらん

あめあめぱらん ぽつぽつぱらん……

うかぶははっぱ はっぱはみどり

みどりはかえる かえるはうたう……

シンプルなことばあそびと、美しいやわらかな水彩画で、子どもと雨のささやかなひとときを描いた絵本です。

みんなの声より

雨の日の外出は、大人の私は実に億劫に思ってしまうのですが。
子供達とっては雨ならではの発見や感性を感じられるチャンスの日なのかも知れないなぁと思いました。
雨音に耳を澄まし、しずくののった花や葉っぱを見て、時にカエルやみみずと出会い、雨のにおいをかいでみる。
自然を感じることでしょう。
晴れとは違った味わいを覚えることでしょうね。
私もそういう目線で雨の日も楽しんでいけたらと思いました。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)

6月1日 雨の日のにおいに雨の音。体じゅうで楽しもう!

木曜日は『あめがふってきたよ』(2023年5月の新刊より)

あめがふってきたよ

ぽつ ぽつ
あめが ふってきたよ。

ほこりっぽい かわいた みちに
あめが あなを あけると、
つちの においが ひろがります。

ととん ととん
ぴちゃ ぴちゃ
しゃーっ
あめの ひは どんな おとが
きこえる?
いけには どんな もようが できる?

体じゅうで思いきり
雨の日を楽しむ様子を
みずみずしいイラストとともに
描いた絵本。

6月2日 傘の色ともようが次々に景色と繋がって…

金曜日は『ふしぎなかさやさん』

ふしぎなかさやさん

「ポツリ」遊びに行こうとレミがドアをあけると、ほおに雨のしずくが。でもレミはかさをささずに家を飛び出します。とおりに出ると急に強くなる雨。「あめなんて、だいっきらい!」そう叫んだその時、「あめ、おきらいですか?」とかさやさんの奥から声が聞こえてきます。

お店にはレースやみずたま、花柄やストライプ、色とりどりの傘が並んでいました。「いらっしゃいませ」と声をかけたのは、1匹のくろねこ。
「こちらの新作はいかがですか?きっと雨が好きになりますよ」
言われるがままにレミが鮮やかな緑色の傘を開くと、あたりは緑のしずくが飛び散る深い森に変わります。「おつぎはこちら」黄色い傘を開くと、そこには砂漠の宮殿が。赤い傘をさすとお花畑、ブルーの傘をさすと石造りのお城……。つぎつぎにねこの差し出す傘を広げると、あたり一面が傘の色に変わり、美しい雨模様が映し出されるのです!

作者のたなか鮎子さんは、パリ在住の作家さん。銅版画による神秘的な絵づくりに定評があり、『クリスマスマーケットのふしぎなよる』(講談社)『ルナのたまごさがし』(フレーベル館)などの作品があります。

傘の色ともようが景色と繋がる、夢のようなおはなし。傘をパッとひらく瞬間のあのワクワク感をたくさん味わえる作品です。雨が好きになること間違いなしの1冊。ぜひ手にとって、雨の美しさを堪能してください。

  (出合聡美  絵本ナビライター)

6月3日 全身びしょぬれの最高に楽しいピクニック♪

土曜日は『カエルのおでかけ』

カエルのおでかけ

「何もかもあべこべ、あべこべにもほどがある!?」
そんなキャッチコピーで紹介されているこの絵本、いったい何があべこべなんでしょう。

「お、あしたはいい天気になりそうだ。ちょっとでかけようかな。」
テレビの天気予報を見ていたカエルは言います。
次の朝、カーテンをあけると……
「やったー!きょうはいちだんといい天気」
うきうきでお出かけ。でろでろで、ぐちょぐちょのピクニックのはじまりです!

……ぐちょぐちょ?
そう、お察しの通り。カエルのいいお天気というのは、ものすごい雨が降っているということ。
傘なんてもちろんさしません。できたてのサックサクのカツバーガーを持って公園へ。
噴水の周りは大洪水。これじゃあ、まるでプールみたい。カツバーガーもでろでろ。
「ん~、ますますおいしそう。」
デッキに横たわって、いただきまーす。

ひー!!
何もかもびしょびしょ、ぐちょぐちょ。こんなんで楽しいの?
でも、カエルがあまりにも嬉しそうなので、何だか気持ち良さそうに見えてきたりして。
さあ、早く帰らないと雨がやんじゃうよ。カエルくん。

ユーモア絵本作家高畠那生さんの、あまりにもいきいきとした最新作。
大声を出したり、驚いたりしながら楽しんでくださいね。
それからカエルのおしゃれな「あべこべのかさ」もお楽しみに。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=89709

みんなの声より

『あしたはいい天気になりそう』だと言うカエル。
お出掛けを楽しみにしていたカエルがカーテンを開けるとすごい雨。

『やったー』というカエルの言葉に、お天気=晴れというイメージの子どもの 『えっ!?』という反応がかわいいなぁと思います。

どしゃぶりの雨の中、優雅にお出掛けを楽しむカエルの姿が楽しめます。
(☆だ~なさん  30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)

6月4日 生き生きとした雨のしずく。爽快感たっぷりの一冊

日曜日は『どしゃぶり』

どしゃぶり

暑い暑い夏の午後。ぼつっ、ぼつっ、ぼつっ。
突然アスファルトを濡らすのは…

「あめだ!」

大きな水玉がはじけ、傘の上に太鼓の様な音を鳴らしながら、

「ずだだだだだだだ ぼぼぼぼぼぼぼ ぼぼぼぼぼ」

すごい勢いで降ってくる。

「ずざあ ずざあ」「じゃばばば ざばああああ」「ぽとととと ぴしゃっ」

これは、雨の声? 雨のうた? ぼくのところに降ってくる。
ぼくだって、こうしてはいられない。
雨の中を走り出し、はだしで水しぶきを飛ばし、思いっきり顔にあびて。
遊ぼう、遊ぼう、もっと遊ぼう!

おーなり由子さんとはたこうしろうさんのコンビで描き出す、夏の午後のある一瞬。
カラカラに乾いた地面の上が、あっという間に瑞々しい風景に一変。
雨も男の子も、言葉も、構図もなんて大胆なのでしょう!
その思い切りの良さに、あっという間に引き込まれ、思わずつぶやいてしまうのです。

「真似したい…」

どしゃぶりの雨を存分に楽しむ様子の気持ちよさそうなこと。生き生きと描かれる雨のしずくの美しいこと。びちょびちょになるのって、こんなに楽しかったっけ? 読んだ後、文字通り「雨が待遠しくなる」絵本です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=118926

みんなの声より

夏、突然ふりだした雨。言葉と絵で、まさに「どしゃぶり」が、なんと楽しく表現されているんだろうと、ひきこまれました。雨にぬれることが楽しいという感覚は、ずーっと長い間忘れていたけれど、男の子をとおして、ともに味わえました。雨ってきれいだったんだな、と思える絵も本当に素敵。梅雨時にも読みたいと思います。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)

いかがでしたか。

こうして雨の絵本を並べてみて感じるのは、雨の日ってきれいだな、ということ。

雨の日って、不思議と気持ちが落ち着くということもありますよね。雨続きの毎日を少しでも楽しくするために、絵本の中に雨の日の良さを探してみませんか。

秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!