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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】夏だ! プールを楽しもう! プールの絵本大集合

夏という季節を実感することのひとつに、「プールびらき」がありますね。もうすでにプールびらきをした園や学校もたくさんあることでしょう。水着に帽子にタオルをもって、さあ、プールへ。暑い日はプールに入ると体がひんやりして一気に涼しくなりますね。学校のプール以外でも、市民プール、レジャー施設のプール、習い事のプールなどそれぞれの楽しさがいっぱいのプール♪ そんなプールの楽しさが伝わってくる絵本から、プールがちょっと苦手という子に手渡したい絵本まで……今週は、「プールの絵本」特集をお届けします。
 

2023年7月3日から7月9日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

7月3日 ゴーグルに水着、タオルをもって、さあ、プールへ!

月曜日は『プールにいこう!』(2023年5月の新刊です)

プールにいこう!

ゴーグルにキャップにタオル。そして白黒シマ模様の水着で、準備バッチリ。さあ、プールにいこう! とはりきっていってみたら……。月曜日は見たこともないほどぎゅうぎゅうの人混みプール。火曜日は魚釣りの日? 水曜日、木曜日は?

七変化するプールにびっくり。準備万端の子どもは残念そうなものの、「またあした!」と明るく前向きです。読後感もすがすがしく、なんだかにっこりしてしまう絵本です。見返しには「いち にい さん し」と準備体操をするかわいいポーズがいっぱい! 白黒のコントラストがおしゃれな印象と、どこかゆるく温かいぬくもりが同時に感じられます。

スイスの出版社からデビュー、グローバルに活躍する絵本作家のみうらともさん。本作もスイスで刊行後、みうらさんご自身の日本語テキストで作られたとか。みうらさんの作品が日本で刊行されるのは『わたしのちいさないもうと』(岩波書店)に続き2作目。海外生活経験が豊富で、ほっとする明るさが味わい深い、みうらともさんの作品世界をお楽しみください。これからますます活躍が楽しみな作家さんです。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

7月4日 おひさまのひかりでいっぱいになる、夏の日のプール

火曜日は『あわ あわ わあい!』

あわ あわ わあい!

ザップーン! くちからごぽごぽ、はなからごぽごぽ。
ぶくぶく、ぼこぼこ、あわ あわ あわ わあい!

おひさまのひかりでいっぱいになる、夏の日のプール。わたしは泳ぐ、ちょうちょになったり、イルカになったり、ロケットになったり。弟はまだ泳げないからプールのそばでパシャパシャしてる。でも私は頭をぶんぶん、友だちとバッシャン、水の底までもぐって、ブグブググルンとちゅうがえり。

突然かみなりが鳴って大雨、どこもかしこもずぶぬれだ。あーあ、仕方ないから雨やどり。音も遠くなり、雨もやんだら……さあ、またお楽しみの時間!

それはそれは楽しそうにプールの中を泳ぐ女の子。画面中にあわと水しぶきがいっぱい。みんなで楽しんだり、ひとりの世界に入って陶酔したり、色々な泳ぎ方をためしてみたり、やることがいっぱいの大忙し。全身を使った自由なポーズ、大小様々なあわの形、どんどん広がる空想の世界。見ているだけでも気持ちのよくなる、プールの絵本。林木林さん翻訳による言葉の響きも心地よく。暑い夏の日にぴったりな1冊です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

みんなの声より

『BUBBLES...UP!』が原題。
林木林さんの軽快な意訳が素敵です。
プールで水と戯れる女の子の姿を描きます。
そうそう、水の中で自由自在に無心に遊ぶって、こんな感じ。
ちょうちょに、イルカに、ロケットなどなど。
水の天井?
宇宙人?
多彩なオノマトペで繰り広げられる水中世界、主人公の楽しさが伝わってきます。
突然の雷雨、そして、弟のハプニングすら、エンターテインメント。
小学生くらいから、たっぷりと体感できそうです。
(レイラさん 50代・ママ)

7月5日 ビニールプールのもようがゆらゆら揺れて……

水曜日は『プールのくまのこ』

プールのくまのこ

くまのもようがお気に入り、れいちゃんのプール。夏休みの朝、水を入れて遊ぼうとすると、あれっ、なんかへん。水の中がざわざわしている。よーく見てみると、

「くまたちがおよいでる!」

れいちゃんは、楽しそうに水の中で遊ぶくまさんたちの中に、底の方でひとりじっとしているきいろいくまを見つけます。お花を浮かべたり、ミニカーを入れてみたり、あの手この手で誘い出します。すると、水の上にひょっこり顔をだしたきいろいくまは……。

遊ぶのが上手なれいちゃんは、ちょっと怖がりな子を見つけてあげるのも上手。水の中も、水の外も、素敵だね。一緒に体験しながら、くまさんたちとすっかり仲良し。最後には、みんなでジャポーン!

ビニールプールのもようがゆらゆら揺れて、まるで生きているように見えてきて……こんな可愛らしいお話を生み出してしまうのは、作者・種村有希子さん。きっとご自身も、こんな風にじっとプールを眺めている時間があったのでしょうね。水彩絵の具で描かれたふんわりカラフルな水の世界も爽やかで魅力的。プールの恋しくなる季節にぴったりな1冊です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

7月6日 苦手なプールに少しずつ一歩を踏み出してみたら…

木曜日は『プールのひは、おなか いたいひ』

プールのひは、おなか いたいひ

水が苦手で泳げない女の子。水泳教室の初日、おなかが痛いと言って見学しました。翌週も尻込みしていると、先生が一緒に入ってくれると言って…。勇気をもって一歩を踏み出し、苦手を克服していく子どもの成長を描いた絵本。

みんなの声より

水泳が苦手な女の子。
スイミング初日、おなかが痛くなってしまい、
それからも、スイミングの日になると、おなかが痛くなるのですが、
先生に言われて少しだけ水に入ってみたら、思いの外怖くなかった!
それから、少しずつ成長していく姿は、なんだか我が子の成長を見ているようで、心が温かくなりました。
(tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)

7月7日 きょうは天の川でプールびらき!

金曜日は『たなばたプールびらき』

たなばたプールびらき

ピーマン村の七夕の展開はやっぱり予測不能!?子ども達の願いは天の川で泳ぐこと。なんとデート中の織姫と彦星が招待してくれて天の川でプールびらきです!
園長先生も一緒に入念な準備体操して……。なんとも明るい七夕のおはなし。
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=1854

みんなの声より

七夕。
織姫と彦星が、夜空から望遠鏡で子供たちの願いを見るなんて、なんか夢のあるお話~♪♪♪
そして「あまのがわで およいでみたい」という短冊を見つけ、織姫と彦星は子供たちを天の川へ招待します!

天の川であっても準備体操は大切!しっかり抜かりなく体操したり、延長先生が注意事項を説明するシーンが面白かったです。

こんな七夕、いいですね・・・☆
(環菜さん 20代・ママ 男の子3歳、男の子2歳)

みんなの声より

園でプールが始まる前に息子に読みました。
シャワーがちょっと怖い息子、プールが嫌いにならないように…と思って選びました。結果は大成功。プールは楽しいもの、と思ったようです。
なによりハマったのが準備体操でしたが。
立ったままでは難しいらしくフラフラする場面もありましたが、やっぱり「おしりくねくね」が大好き。それをしたいためにその場面だけ繰り返し読まされ、一緒に体操。まねしたくなる絵なんですよね。子どものおしりくねくねは最高!このワンフレーズはすばらしいですね。
一緒に体操して天の川で泳ぎたい!
(いーめいさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子4歳)

7月8日 夏休みのプールで起きたケンカと仲直りの物語

土曜日は『やめろ、スカタン!』

やめろ、スカタン!

『おこだでませんように』や『メガネをかけたら』など、
リアルな子どもの気持ちをストレートに描き、
多くの読者の共感を呼ぶ、作家・くすのきしげのりさん。

くすのきさんの描く子どもの中でも、
「いるいるいる~~!」と身近な誰かを思い浮かべて、
ニヤニヤしてしまうくらいリアルなのが、
おバカで、ゲンキで、単純なところが魅力的な男の子たち。
今回も“バカカワイイ”小学生トリオ、
サトシとシンゴとマサトが主人公の絵本です。

夏休みに学校のプールにやって来た3人。
水に顔をつけられないシンゴは、
サトシとマサトに声をかけて、1人で練習をしようとします。
女の子同士ならこんなとき、他の場所で遊んだりしそうですが、
そこは男の子、「手伝ってやろう!」とシンゴの顔に水をかけはじめます。
最初は軽い水のかけ合い、じゃれ合いが、どんどんエスカレートしていって…。
「やめろ、スカタン!」
本気で怒ったシンゴの声がプール中に響きます。
プールから飛び出したシンゴをあわてて追いかけるマサトとサトシ、
怒りが収まらないシンゴに、マサトが伝えた驚きのカミングアウトとは…。

教訓めいたエピソードは一切なく、3人の日常のワンシーンを切り取ったような本作品。
30分後にはまた「やめろ、スカタン!」と3人のうちの誰かが怒り出す様子が
簡単にイメージできてしまいます。
そこが、男同士の友情の良いところですよね。

文章のくすのきしげのりさん、絵の羽尻利門さんは共に徳島県在住。
絵本の中にはお二人の愛する徳島の景色が随所に描かれています。
夏に味わいたい、カラッと晴れた友情絵本です。

(木村春子  絵本ナビライター)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=103426

みんなの声より

扉絵は、早朝のラジオ体操。夏休みなんですね。
小学3年生ぐらいでしょうかね。
仲良し三人組のサトシとシンゴとマサトがプールへ。

しばらく遊んでから、シンゴが「水に顔をつける練習をする」っていうところから事件は、始まりました。
シンゴの練習にお手伝いとばかりに水をかけたマサト。
「邪魔するな」と水をかけ返してきたシンゴに、……。
冗談と真剣のボーダーラインは、友だち同士といえども人それぞれで、その時のコンディションも影響しますね~。
シンゴくん、゛顔つけ゛できていないから、焦ってたかな?

この後、本当に怒ってしまったシンゴを追いかけ、プールを出ます。
ここからがいいですね~。
怒らせてしまった友だちを追いかけ、なんとか許してもらおうとしていた二人。
そこへ嘘のようなスコールもどきのどしゃぶりの雨。
この雨に助けられましたねぇ~。
上からのアングルが素敵です。
そして、この後の滝修行に笑ってしまいました。
暑い季節には読んでいて、気持ちよくなるほどの光景です。

羽尻先生の描く子どもたちの喜怒哀楽の表情がとってもリアルで、読んでいて心情がよく伝わってきました。

くすのき先生の言葉を借りれば、本人はいたって本気で、まじめに、楽しくやっているつもりが、スカタンなことをしてしまうことが子ども時代にはあるものです。

〈あとがき〉に、「スカタン」と言ったり言われたり、怒ったり怒らせてしまったり、あやまったりあやまられたり、許したり許されたり、そして笑いあえるのは、この三人が対等な関係であり、本当に仲の良い友だちだからです。と、ありました。
本当にそうです。〝対等″な関係こそが真の友だち関係だと思います。

子どもたちには、数は多くなくとも、気が置けない仲間づくりをこの夏も続けてほしいと思います。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子16歳)

7月9日 ひやむぎ小学校のみんながプールへおでかけ!

日曜日は『つるつるプール』

つるつるプール

暑い日には、プールに行くのがいいですね。ひやむぎ小学校のこどもたちもプールにむかいます。引率は、みどり先生とぴんく先生です。ぜんぶで30本のひやむぎのこどもたちがぎょうぎよくならんで歩いていますが、なかにはうれしくてくねくねしてしまうこもいます。

つるつるプールにつくと、プールはそうめんさん、おそばさん、マカロニさんなどで大混雑です。「遊ぶのは流れるプールだけですよ。1本だけでべつの場所に行かないように。はしゃいで、ほかのめんとからまらないように」と、ぴんく先生は注意しますが、こどもたちはちっとも聞かず、おおはしゃぎ。そして、みどり先生が人数を確認すると、こどもが28本しかいません。たいへんです、2本のひやむぎが迷子です。すると、そうめん小学校の先生が1本のひやむぎくんを連れてきてくれました。でも、あともう1本たりません……。

こどもたちの好きな麺がたくさん登場する、夏にぴったりのお話。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=124374
http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=124374

みんなの声より

表紙の細長いものがなんだかわからないまま、図書館から借りてきました。読んでいるうちに、ひやむぎだとわかって、なるほどと納得した私でした(笑)

ひやむぎ小学校のみんなが、みどり先生とぴんく先生の引率で一列に並んでつるつるプールに行くお話でした。

プールでも注意事項が守れなくて、点呼をとったらひやむぎのこどもたちが、2本足りなくて大変だったけれど、そんなこともよくある話だなあと思いました。無事、見つかってよかったです。

先生二人が「お疲れ様でした!」「また行きましょうね」と、枝豆をつまみに生ビールを飲んでる場面が、最高でした!
(押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば)

いかがでしたか。

みんながプールにざぶーんと入ってバシャバシャ楽しんでいる姿はとっても気持ち良さそうでしたね。暑い日こそプールとプールの絵本を! 合わせて、たっぷり楽しんでくださいね♪

秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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