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絵本を使う場面とは? 選び方や読み聞かせのポイントも紹介

子どものために絵本を取り入れたいと思っている方の中には、絵本はどのような場面で使えるのか、読み聞かせ絵本の選び方などについて知りたい方もいるのではないでしょうか。

 

本記事では絵本を使う場面、絵本の選び方、読み聞かせに向いている絵本などを紹介します。絵本選びの参考にしてください。

絵本を使う場面はどんなとき?

絵本は家での遊びや寝かしつけの方法のひとつとして活用されることが多いです。子どもたちに読み聞かせをして楽しませることができるため、保育所や幼稚園をはじめ、さまざまな場所・場面で使われます。

 

絵本によって子どもは多くの言葉に触れることから、使える言葉が増えて語彙力が身につき、読解力や想像力も身につくでしょう。

 

また、登場人物の気持ちを感じ取り、「嬉しい」「悲しい」などの感情を覚え、感情豊かな子に育っていきます。子どもの知育に活用できるため、幼児期から絵本に触れさせ、読み聞かせをする家庭も多いでしょう。

読み聞かせ絵本の選び方

さまざまな効果が期待できる絵本を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。読み聞かせをする際に知っておきたい絵本の選び方を紹介します。

対象年齢を確認して選ぶ

絵本選びで大切なのは、年齢・発達に合った絵本を選ぶことです。絵本は対象年齢に合わせて挿絵や文字の量、漢字の有無などが違います。対象年齢を目安に、年齢やそれぞれの発達に合った絵本を選び、より子どもの知育効果を得られるようにしましょう。

 

対象年齢に合わない本を選ぶと、簡単すぎる場合には物足りず、難しすぎると絵本に興味が湧かず集中力が続かない可能性もあるため注意が必要です。

シチュエーションに合わせて選ぶ

たとえば保育所や幼稚園で友達と絵本を楽しむ場合は、楽しさを感じられる絵本がよいでしょう。

 

反対に、寝かしつけの場合は、絵本で楽しくなってしまうと気持ちが落ち着かずなかなか眠れないかもしれません。寝かしつける際には、リラックスできる絵本を選ぶなど、シチュエーションを考慮して選ぶことが大切です。

子どもの好みに合わせて選ぶ

絵本は年齢やシチュエーションに合わせて選ぶと先述しましたが、絵本を読む子どもの好みに合わせることも大切です。

 

絵本を読んでいくと子どもの好みや、好きなジャンルが分かるようになります。好きな絵本が分からない場合は、まずは好きなキャラクターや動物の絵本を選んでみましょう。

【年齢別】読み聞かせに向いている絵本

年齢別に読み聞かせに向いている絵本の内容を紹介します。絵本にはさまざまな種類があり、対象年齢によっても内容は大きく変わるため、年齢ごとに向いている絵本の特徴を把握しておきましょう。

0歳児の場合

0歳児の場合、絵本の読み聞かせの効果はあるのかと疑問に感じるかもしれませんが、視覚や聴覚を刺激する読み聞かせは、赤ちゃんの成長を促します。

 

0歳児向けの絵本では物語ではなく、音や色に興味を持つような構成になっています。さらに、大人のひざに座ってふれあいながらの読み聞かせは、赤ちゃんの安心感を得られるコミュニケーションの時間にもなるため、おすすめです。

 

0歳児の絵本を選ぶときは、絵が大きくはっきりした色で描かれている絵本や、言葉のリズムを楽しめるような絵本を選ぶとよいでしょう。親子で触れ合いながら楽しみたい方には、以下の絵本もおすすめです。

いないいないばあ

いないいないばあ

1967年の刊行から、半世紀あまり。
2020年には日本の絵本で初めて700万部を突破し、現在735万部を超えるロングセラー絵本となっています。(※1)。
世代を超えて読みつがれる、「人生で初めて出会う一冊」です。
※1…株式会社トーハン発行「ミリオンぶっく 2023」調べ

あかちゃんに語りかける言葉
あかちゃんと目があう絵
「いないいないばあ にゃあにゃが ほらほら いないいない……」
『いないいないばあ』の文章は、作者の松谷みよ子さんが子育ての中でわが子に語りかけていた言葉がもとになっています。

画家の瀬川康男さんは、あかちゃんと向き合い試作を重ねました。
「ばあ」の場面の動物たちは、あかちゃんと目があうように描かれています。

あかちゃんと一緒に読むと、言葉と絵がひとつになり、臨場感をもっておひざの上のあかちゃんに伝わります。

くっついた

くっついた

ページをめくると…、くっついた!そのくり返しが楽しい赤ちゃん絵本です。最後は、赤ちゃんのほっぺをはさんで、お父さんもお母さんもいっしょに、くっついた!
赤ちゃんのまわりにいる大人まで、ニッコリ笑顔になる絵本です。

1歳児の場合

1歳になると、リズムを感じられる絵本や、身近な食べ物、動物の絵本を楽しめるようになります。自分の知っているものを絵本で見て、「これ知っている」と喜びを表現することもあるでしょう。

 

指先の細かい動きもできるようになります。お子さんが自分で絵本をめくろうとする場合には、一緒にめくれるようにサポートしましょう。

 

分かりやすいモチーフを題材にした以下の絵本もおすすめです。

くだもの

くだもの

すいか、もも、ぶどう、なし、りんごなど、日常子どもたちが食べるくだものを、まるで実物かと思わせるほど鮮やかに描いた、いわば果物の画集。

おつきさまこんばんは

おつきさまこんばんは

空に浮かぶお月さまを、あかちゃんは不思議な生きもののように見つめます。そのお月さまや、お月さまの前を横切る雲とお話をするように描かれた傑作です。

2歳児の場合

2歳頃になると、物語がある絵本にも興味を示すようになります。しかし、急に物語の全体を理解することはできないため、繰り返し読むなかで徐々に理解します。

 

また、2歳頃になるとさまざまな日常生活の動作ができるようになります。食事やトイレ、着替えに関わるような絵本を取り入れると、子どもの意欲を引き出すきっかけにもなるでしょう。

 

興味を持ちやすい動物や、身近な食べものが描かれた以下の絵本もおすすめです。

できるかな?あたまからつまさきまで

できるかな?あたまからつまさきまで

ペンギン、きりん、さる、ゴリラ。絵本の中の動物たちの動きに合わせて、一緒に体を動かしてみよう! 楽しいまねっこ遊びの絵本。

なにをたべてきたの?

なにをたべてきたの?

りんごとメロンとぶどうをペロリと食べてしまった白ぶたくんが、今度は石けんを……。体験することの大切さを教えたユニークな絵本。

3歳児の場合

3歳になると言葉の理解が進むため、短い物語であればすぐに理解できるようになります。2歳頃より理解力も増しているため、成長に合わせて物語の長さを変えてみるのもよいでしょう。

 

しかし、物語を理解できるようになったものの、絵本の中心は絵であることが大切です。字ばかりの本は子どもの興味が湧かず、絵本を楽しめないこともあります。

 

また、絵本を通して興味のある分野が特定できるようになる時期でもあるため、動物や昆虫、乗り物などお子さんが楽しめる絵本を選びましょう。

 

3歳児に読み聞かせをする絵本でお悩みの場合は、長く親しまれている以下の絵本もおすすめです。

ねずみくんのチョッキ

ねずみくんのチョッキ

シンプルなくりかえしの語り口で、読み聞かせでもこどもたちに大人気の絵本です。
1974年の出版以来、読みつがれているロングセラー。
やさしさあふれるねずみくんの世界は、こどもたちから大人まで愛されています。
動物たちの個性をいかして描かれたユーモアのある展開には、ちいさくても大切なものがあるんだよとメッセージが込められています。
この本が愛読書だったこどもがお父さん、お母さんになって、今度は自分のこどもに読み聞かせている、という素敵なエピソードも数多く聞かれます。
愛されつづけるねずみくんと、おともだちになってみませんか?

わたしのワンピース

わたしのワンピース

うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を散歩すると、ワンピースが花模様に・・・。次々変わるワンピースの模様。日本を代表するファンタジー絵本です。

4歳児の場合

4歳になるとより物語の理解が進むだけでなく、登場人物の感情を共有できるようになります。

 

考える力も発達してくるため、たとえば友達とけんかをしてしまった物語の絵本なら、次はどうなるのか、どんな気持ちになるのかなど考えながら読み進める子もいるでしょう。

 

「かっこいい」や「かわいい」と感じると、登場人物になりきって遊ぶこともあります。

 

日常生活と関連性のある絵本を選ぶとよいでしょう。とくに日々の行動が物語になっている絵本や、感情を分かち合える以下の絵本もおすすめです。

たまごにいちゃん

たまごにいちゃん

本当はもう、たまごから出ているはずのたまごにいちゃんは、ずーっとたまごでいたいと思っていました。だって、たまごだったらお母さんにあたためてもらえるから。ところがある日、たいせつなたまごのからにひびが入ってしまって…。 成長する子どもの心の揺れをユーモアたっぷりに描いたお話です。

バムとケロのおかいもの

バムとケロのおかいもの

水曜日には,みんなで車に乗って,市場に買い出しにいこう!市場でみんなが買うのは,どんなもの?

5歳児以上の場合

5歳頃になると、自分で興味のある絵本を選ぶ子もいます。そして、物語を理解するだけでなく、相手に物語の説明もできるようになります。

 

この時期の絵本は、さまざまな感情や相手との関係性を学べるようなストーリー性のある絵本がおすすめです。少し長い物語でも読める場合もあります。

 

絵本に書いてあるさまざまな言葉を学ぶ時期でもあるため、さまざまな言葉に触れられる、ことばあそびのような絵本もよいでしょう。

 

ストーリー性のある以下のような絵本もおすすめです。

きみだけの夜のともだち

きみだけの夜のともだち

真っ暗になった夜。男の子は急に不安に駆られます。物陰に人が潜んでいるのではないか、何か物音かしたかも……そんな不安に押しつぶされそうになった時、小さなネズミが現れて男の子に声をかけます。男の子と小さなネズミは、家の中のあらゆる部屋を訪れて、その先で悩みを抱えた登場人物たちと出会い、彼らと一緒になってその悩みについて乗り越えていくことに。

絵本の読み聞かせをする際のポイント

自分で字が読めるようになるまでは、絵本は大人が読み聞かせます。絵本の効果を得られやすくするために、読み聞かせをする際に意識すべきポイントを紹介します。

絵本の絵が見やすく集中しやすいように持つ

絵本の読み聞かせで大切なのは、絵本に集中できる環境を整えることです。絵本を持つ手で絵が隠れていると絵が見えず、物語の理解もできないため集中力が続かない場合もあるでしょう。

 

絵本を読むときは、絵がしっかり見えて、絵本の世界に入り込める静かな環境で行ってください。

ゆっくり・はっきりした声で読み聞かせをする

読み聞かせをするときは、速すぎない適度なスピードで、はっきりした聞き取りやすい声で読むことも大切です。

 

絵本を読むと知らぬ間に早口になる場合が多いため、ゆっくり読むことを意識します。しかし、ゆっくりすぎると子どもの集中力が続かなくなるため、子どもが理解できる程度のスピードを見極めることが大切です。

読み聞かせの環境を整える

絵本に集中できる環境作りは、読み聞かせをする上で大切なことです。絵本の世界に集中するために、テレビやスマホの音が流れていない静かな部屋で読みましょう。気が散らないような環境調整が必要です。

内容が長すぎる絵本は避ける

絵本の読み聞かせが長すぎると、子どもの集中力が切れてしまいます。子どもの集中力を考慮して、適度な長さの絵本を選ぶようにしましょう。

 

また、絵本を読み聞かせする中で、子どもの様子も確認しつつ、必要であれば途中で休憩を入れるなどの工夫もおすすめです。

絵本の活用で子どもの成長をサポートしよう

絵本選びのポイントや、年齢に合った絵本の内容について理解を深めておくと読み聞かせの際に役立ちます。

 

絵本は知育に活用されることも多く、年齢に合ったものを選ぶと、語彙力や想像力、表現力のような力がより身につきやすくなります。成長に合わせて物語を理解する力もついてくるため、徐々にストーリー性のある絵本も取り入れていきましょう。

 

また、読み聞かせする場合は、お子さんが絵本の世界に入り込めるように、集中できる環境を整えることも大切です。

 

年齢やお子さんの好みに合った絵本を選び、親子で楽しい読み聞かせの時間を過ごしてください。

 

読み聞かせをいつから始めたら良いかお悩みの方は以下の記事も参考にしてください。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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