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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】10月7日は「ミステリー記念日」。小中学生におすすめのミステリー特集!

突如起こる不思議な事件や奇妙な謎。少しの手がかりをたどる探偵と一緒に、頭の中であれこれ予測をたてながら、謎が解明していく様を楽しむミステリー小説。なかなか手の込んだトリックや秘密が隠されていて、驚きの事実が分かってくるところにドキドキハラハラしますよね。
ミステリーは読み始めると特にページをめくる手が止まらないジャンル。ぜひこの謎が解ける楽しさを小学校低学年から体験してみませんか。

今週は、ミステリーの名作から新刊まで、小学生と中学生におすすめの作品をご紹介します。

2023年10月2日から10月8日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

10月2日 むずかしいじけんはサムくんにおまかせ!

月曜日は『めいたんていサムくん』

めいたんていサムくん

サムくんは、青葉小学校の2年生。本当の名前は井上オサムです。
見たところは、ふつうの小学生なのですが、小さい頃から推理が得意でいろんな事件を解決してきたので、「めいたんていサムくん」と呼ばれています。

今日も朝からサムくんの目の前に、ちょっとした事件がやってきました。
クラスメートのタケシくんとトモキくんとショウゴくんの靴箱からうわぐつが消えてしまったのです。だれかがうわぐつをかくしたのでしょうか? けれどもときどきだれかとけんかをするタケシくんだけでなく、トモキくんとショウゴくんのうわぐつも同時になくなっているなんて、なんだか変です。なにか3人に共通点が?

サムくんは、いそいでポケットからあるものを取り出して、鼻のそばにもっていきます。
サムくんが推理をはじめる時の必須アイテムは「空色のタオルハンカチ」。赤ちゃんの時から愛用していたタオルで作ったハンカチのにおいをかぐと、頭がさえて、推理力が増すのです。今回もハンカチのにおいをかいでいると、ハッと何かに気づいたようです。
同時に三人のうわぐつがなくなった理由とは?

さて、こんな事件を解決するのは、サムくんにとっては序の口。
この後、さらに難しい事件がやってきます。
じけんが起きた現場は公園。小さな女の子ミクちゃんがベンチに置いておいた「にんぎょう」がなくなったというのです。人間の赤ちゃんぐらいの大きさで赤い服を着ているにんぎょう。持ち出されたら目立つはずなのに、見た人は誰もいません。はたして、サムくんはどのようにナゾを解決していくのでしょうか。

この本には、この「きえた おにんぎょう」の他にも、登校時に毎朝あらわれるのらイヌの目的を探る「のらイヌの ひみつ」が収録されていて、1冊で2つのお話が楽しめます。

お話を書かれたのは、「ズッコケ三人組」シリーズ(ポプラ社)などで知られる那須正幹さん。「探偵小説というと高学年向けがほとんどだが、中には低学年物もあってもいいんじゃないだろうか」「子どもの観察力や想像力を前面に押し出し、小さな読者と共に、謎解きの面白さを共有したい」(※)という想いから生まれたのだそう。
絵本作家のはたこうしろうさんが描く表情豊かなサムくんはじめクラスメートの姿も元気いっぱいで、お話が一層楽しく伝わります。

小学生のサムくんが活躍する「めいたんていサムくん」シリーズは、 作者の那須正幹さんの想いが込められた、小学1、2年生から楽しめる探偵小説(ミステリー)。ほとんどの見開きに絵が入っていて、絵本から読み物のひとり読みへと挑戦する時期の子どもたちにとって頼もしい存在となってくれることでしょう。サムくんのところにどんなじけんがやってくるのか、そしてサムくんがどんな活躍をみせてくれるのか。このあとも続く「めいたんていサムくん」シリーズにぜひご注目下さい。

※「母のひろば 676号」(2020年 童心社発行)より

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

タケシくんの上靴はどこにいったのか?公園で消えた人形の謎とは?ハルミさんはなぜのら犬に追いかけられるのか?
難しい事件はめいたんていサムくんにおまかせあれ!
空色のハンカチと頭脳で、次々に事件を解決へと導きます。
イラストも多く、楽しく推理しながら読めます。シリーズで読みたい探偵モノです。
(ぼんぬさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
 

10月3日 怪人二十面相と、名探偵明智小五郎の華麗なる推理対決!

火曜日は『文庫版 少年探偵・江戸川乱歩(1) 怪人二十面相』

文庫版 少年探偵・江戸川乱歩(1) 怪人二十面相

二十の顔をもつ、美術品にしか興味のない賊「怪人二十面相」の登場と、名探偵明智小五郎と助手の小林少年の華麗なる推理対決!

読者の声より

神出鬼没の大泥棒「怪人二十面相」と、稀代の探偵「明智小五郎」の対決を描いた一作。小林少年が率いる、少年探偵団が発足する巻でもあります。

昭和初期の東京周辺を舞台に、怪盗と探偵、探偵助手の対決が繰り広げられます。

一章が短く、章ごとに伏線がはられ、それらの伏線は分かりやすくきちんと回収されます。
地の文は、まるで紙芝居を聞いているように、ドラマチックです。

時代のギャップを感じさせる描写もありますが、正統派の推理・冒険ものとして、大いに楽しめる一冊です。
(こはこはくさん 40代・ママ)

10月4日 犯人は乗客の中にいる。しかし全員にアリバイが……

水曜日は、『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』

名探偵ポアロ オリエント急行の殺人

豪華列車内で事件がおきた。殺されたのは金持ちの男。世界一の名探偵ポアロが調査することに。犯人は乗客の誰かにまちがいない。だが全員にアリバイがある。はたしてポアロの推理は…。クリスティーの傑作を、ルビと挿絵つき、完訳で贈る。小学5・6年生から

  

10月5日 満月の夜、猫神さまにたのまれたのは……

木曜日は『猫町ふしぎ事件簿 猫神さまは月夜におどります』

猫町ふしぎ事件簿 猫神さまは月夜におどります

猫の相談役になった遠矢は、猫の言葉がわかり、夜、猫になることもできる。そんな遠矢が満月の夜、オンボロ屋敷によびだされて、猫神さまにたのまれたのは……猫と人、両方が幸せになるとかがやくという、虹珠(にじだま)をみがくこと!

「猫町ふしぎ事件簿」シリーズ、第一巻目はこちら。

10月6日 金曜日のホームルームで配られる、珠玉のミステリー

金曜日は『1話10分 謎解きホームルーム』

1話10分 謎解きホームルーム

産休の先生に代わり、新しくやってきたのはイケメン風のちょっと変わった名前の先生だ。
「車六家睦(しゃろく いえむつ)です。じつは先生、謎解きが大好きなんです。これから、ホームルームの時間にひとりずつミステリーを発表するのはどうでしょう」
そんな提案から、毎週金曜日、帰りのホームルームで謎解きをすることになった。

資産家だった曽祖父の書斎から消えた遺品の手帳、完全密室のバスで起きた窃盗事件、サーカスで起きた転落事故??。
クラスメイトたちによって提示されるさまざまな謎を、きみは見事解くことができるか????

ミステリーの【解決編】を読む前に、ぜひ自分なりの推理を立ててみてほしい。
注意深くお話を読み込むことで、読解力や推察力を養うことができるはずだ。ヒントはすべてこの中にある!

1話10分で完結。全9話収載。

10月7日 10月7日は「ミステリー記念日」!

10月7日は「ミステリー記念日」。ミステリー小説の先駆者であるアメリカの小説家エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe、1809~1849年)が亡くなった日を記念に制定されたのだそうです。

土曜日は『偕成社文庫 ポー怪奇・探偵小説集(2)』

偕成社文庫 ポー怪奇・探偵小説集(2)

「モルグ街の殺人」「ぬすまれた手紙」「おまえが犯人だ」「黄金虫」など、ミステリーの元祖、ポーの作品の中からとくに有名なミステリーをあつめました。

エドガー・アラン・ポー作品、こちらも合わせて。

10月8日 明治時代✕あやかしミステリー第二弾!

日曜日は『博物館の少女 騒がしい幽霊』(2023年

博物館の少女 騒がしい幽霊

明治16年秋、博物館の怪異研究所で働くイカルは、突然の指名で、陸軍卿、大山巌とその婚約者、山川捨松の博物館観覧に同伴することになる。11歳で渡米し、大学卒業後に帰国した捨松の身の上を聞き、その聡明さと温かい人柄にひかれたイカルは、巌と捨松の結婚について、それぞれが仇敵である薩摩と会津の出身であることを根拠に、あらぬうわさが立てられていることに憤慨する。そんなある日、捨松の兄、山川健次郎が怪異研究所にやってくる。捨松と巌の結婚後、大山邸で続いている怪異現象について調査してほしいというのだ。所長のトノサマは、巌と亡くなった先妻との子どもの教育係として、イカルを大山邸に送りこむことを思いつく。

合わせておすすめ。こちらが第一巻。

小中学生におすすめのミステリー、こちらからも選んでみてくださいね。

いかがでしたか。

気になる本が見つかったら、秋の夜長にミステリーの世界を楽しんでみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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