【今週の今日の一冊】「はっくしょん」が止まらない! つらくてゆかいなくしゃみの絵本
毎年やってくる花粉症の季節。鼻はむずむず、目はしょぼしょぼ、そしてくしゃみが止まらない……。暖かくなるのは嬉しいけれど、これはいつまで続くのか。絵本やお話をのぞいてみたら、くしゃみが止まらない人たちがたくさんいましたよ。さらにくしゃみってすごいパワー! びっくりするようないろんなものを吹き飛ばしてしまったり、自分までもが飛んでいってしまったり。
今週は、読むとなんだかゆかいな気持ちになってくる、くしゃみの絵本をお届けします。
2024年3月18日から3月24日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
3月18日 「この鼻、どこかに捨てちゃおうかしら」
月曜日は『はなとりかえっこ』
色とりどりのお花が咲き、若葉がまぶしい季節。いいお天気です。
窓を開けて、思いっきり深呼吸をしたとたん……くしゃん くしゃん くしゃん くしゃん!
この季節になると、くしゃみが止まらない病気にかかってしまうアラさん。お洗濯、お掃除、やらなくちゃいけないのに、なーんにもしたくなーい! この鼻、どこかへ捨てちゃおうかしら!
そこへ家のドアを叩く音が。立っていたのは、まるまる太ったブタさんです。
「あなた、鼻いらないんですか? なら、わたしの鼻ととりかえっこ しません?」
鼻がムズムズ、イライラのつらーい季節。年々、子どもの花粉症も増えているのだとか。いっそ鼻を取ってしまいたい! アラさんの気持ち、わかるわかると大きくうなずく子も多いことでしょう。だけど取って変わるのはブタさんの鼻……なかなか究極の選択ですね。
季節の厄介なお悩みも、角野栄子さんの手にかかればユーモアたっぷりのおはなしに。リズミカルな言葉回し、テンポの良い展開にのってスイスイ楽しく読み進んでしまいます。さとうあやさんが描くアラさんやブタさんもおはなしにぴったり! 全ページにカラーの挿絵が入っていて、小さなお子さんのひとり読みにもおすすめです。
さてさてアラさんとブタさん、いとも簡単に鼻とりかえっこができちゃった!? そしてブタさんの鼻、見た目はともかく、なかなか便利そうなのですが……。
スッキリしない花粉症の季節や、ちょっと元気が足りない時にも。気分をスカッとさせてくれる奇想天外で愉快なこの一冊をどうぞ!
(竹原雅子 絵本ナビライター)
3月19日 いたずら好きのくしゃ虫くんが鼻に止まると……
火曜日は『はっはっはくしょーん』
いたずら好きの くしゃ虫くん
かめさんに ぶ――ん
はっ はっ はっ・・・
はくしょ――――ん!
全国の幼稚園・保育園で読み聞かせを実施しつくった絵本。「次はどうなるのかな?」と子どもたちの想像力がふくらみ、コミュニケーションがうまれます。
さあ、みんなでいっしょに はっ はっ はくしょ――――ん!
読者の声より
試し読みさせていただきました。
豪快でいいですね!
はっはっはくしょーん
ページをめくるたびにふきだしてしまいました。
説明はいらないです。
みんな一緒に大きな声で「はっはっはくしょーん!」
盛り上がるだろうな~。
久しぶりの絵本。
あぁ、やっぱり絵本ってたのしいな~と思わせてくれた一冊でした。
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子13歳)
3月20日 おじいちゃんの大きなくしゃみにはすごい力が…
水曜日は『おじいちゃんのくしゃみ』
いつも大迷惑なおじいちゃんの大きなくしゃみ。けれども、じつは、すごいことができるくしゃみなんです。くしゃみの勢いで、木の上のりんごを落とせるし、猛獣を追い払えるし、なんと空を飛んでどこにでも行けるのだそう。女の子は信じませんが、おじいちゃんは大きなくしゃみをしたかと思うと、空高くどこかへ飛んでいってしまいました。おじいちゃんは、いったいどこへ? おじいちゃんと孫娘の微笑ましい交流を描いた、ユーモアあふれるお話です。
読者の声より
とにかく豪快なおじいちゃんのくしゃみのおはなし。
この絵本に出会う前に街中で激しいくしゃみを何度してもとまらないおじいちゃんがいて、子供にはダメだと言っても笑ってしまって…。。その後も親がくしゃみをすると「この前(そういう)おじいちゃんいたよね」と言うほど印象的だったよう。
絵本の中ではくしゃみをすることで孫に嫌われてしまうおじいちゃんですが、読んでいる私たちからするとコミカルで孫思いの愛おしさすら感じるおじいちゃんです。
子供におもしろい本を読んであげたいなという方にオススメです。パパが読んであげるのも良さそうです。
(みいつけたさん 30代・ママ 女の子3歳)
3月21日 「あのー、くしゃみ できますか?」
木曜日は『チーターじまんのてんてんは』
チーターってかっこいいですよね。
世界一速いと言われる足で、サバンナを駆けるしなやかな体。
そう、チーターは、その体のてんてん模様が自慢なんです。
いつもより何だか寒い日のこと。
ぴゅーっと吹いた冷たい風に、思わず体をぶるるるっとふるわせたチーターは、はなをひくひく……。
「ハーックション!」
大きなくしゃみが出たとたん、チーター自慢のてんてん模様も、体から飛び出してしまったのです。
どこへ行ったかというと、まずシマウマ。
白黒のシマ模様なのに、さらに黒いてんてんが付いたら、わけがわかりませんよね。
これってシマウマ、いや、てんてんシマウマ……?
ところが黒いてんてんはまたもやくしゃみに飛ばされて、こんどはもっと大きな体の動物に!
てんてんがあっちに行ったり、こっちに行ったり。
広い空と大地で、ひらひらと舞うてんてん。
チーターのてんてんは一体どうなるのでしょうか!?
(続きをよむ>>>)
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者の声より
息子がチーターがどんな模様なのか曖昧に覚えていたので、図書館でたまたま見つけたこの絵本を読んであげたら一発でチーターの模様をわかってくれました。
てんてんが誰かがくしゃみをするたびに飛んでいってしまう愉快なお話で、親子でほんわかしました。
息子はチーターが無事にてんてんを取り戻せるのか、ちょっと心配していました。
(みそしる太郎さん 30代・ママ 男の子7歳)
3月22日 いったいなにがどうしてそうなったのか!?
金曜日は『くしゃみおじさん』
災難は、いつふりかかるかわからない。
とつぜんもよおす、クシャミのように!
なに不自由なく幸せな、ネコ、イヌ、ウサギの三匹だって、よもやあんな大騒動に、まきこまれるとはつゆ知らず……。
「ヒャッッックション!
ハッッックチン!
ハッッップショーーーイ!」
とつぜんひびいた、クシャミ3発。
あたりが砂煙で見えなくなるほどの、とんでもなくおおきなクシャミです!
おどろいた3匹でしたが、おたがいの姿を見て、さらにびっくり!
ウサギの耳がネコに、ネコの耳がウサギについているではありませんか!
しかも、イヌはニャーと鳴き、ネコはワンと鳴くしまつ。
あのクシャミが原因にちがいないと考えた3匹は、急いでクシャミの主を探しにいくのですが──。
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(堀井拓馬 小説家)
読者の声より
ヒャッッックション!ハッッックチン!ハッッップショーイ!なんとも、可笑しなおじさんの大きなくしゃみ。くしゃみが飛び出すと、あれれ?うさぎやねこ、いぬ、男の子など、みんなヘンテコなかっこうになってしまいます。動物や子どもたちの愉快で楽しいお話です。
(ぼんぬさん 40代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
3月23日 おはなふーんでみんなすっきり
土曜日は『はっくしょん』
はーちゃんが、はっはっはっくしょん!
くまさんがはっはっはっくしょん!
みんなではっくしょん!
おはなふーんでみんなすっきり。
鼻かみ練習になる赤ちゃん絵本。
読者の声より
小さくてページ撥水でしっかりしていて1才の子どもにも持たせやすいです。
色が鮮やかで初めて読んだ時から子どもの反応が良かったです。
動物さんによってクシャミの大きさや長さが違っていて、読み聞かせ中も飽きないで聞いてくれます。
繰り返し読んでいたら、家族がクシャミをすると「は、は、はーーーっ」と言ったり、「ぶーんっ」と鼻を摘んでかむ仕草をするようになりました。裏表紙のティッシュもお気に入りみたいで、読み終えると指差しで家にもあるね!と教えてくれます。
(ゆっちっちさんさん 40代・ママ 女の子1歳)
3月24日 雪ねずみが、はっくちゅー!とくしゃみをすると…
日曜日は『カチンコチン』
おばけたちが暮らすぴーかーぶー村のシリーズ第2弾は、思わず体がこおりついてしまうほど、こわい……じゃなくて、おばけたちが本当にこおってしまう物語です。かわいい雪女のゆきちゃんと、小さな雪ねずみが巻き起こす大騒動のはじまり、はじまり!
ある日、ゆきちゃんのもとに、遠い氷の国に住むママから小包が届きます。箱の中から飛び出してきたのは、まっしろで、ぴかぴか光るしっぽを持った、雪ねずみのあちゅー。氷の国でペットとして大人気なんですって。
でも、この雪ねずみ、ちょっとカゼをひいているみたい。「はっくちゅー!!」とくしゃみをすると、なんと、ゆきちゃんのお気に入りの帽子もガイコツの郵便屋さんもカチンコチンに。あっと驚くまもなく、あちゅーは森の中へと逃げだします。
さあ大変! あちゅーのくしゃみをあびたら、みんながカチンコチンにこおってしまいます。ゆきちゃんは必死であとを追いかけるのですが……。
(続きを読む>>>)
読者の声より
『ぴーかーぶー!』の冬バージョンといったところでしょうか。
おばけたちの住むぴーかーぶー村の外れに住む雪女のゆきちゃんが主人公です。
村はずれに一人暮らしということで、『ぴーかーぶー!』には登場していなかったわけですね。
そんなゆきちゃんのもとに届いたのは、ママからプレゼント、ゆきねずみ。
ところが、このねずみ、くしゃみ一つで何でも凍らせてしまうのに、
風邪をひいていて、しかも脱走してしまったからさあ、大変!
村中のおばけたちが凍ってしまいますよ。
被害にあったのは、前作で登場のドラキュラさんやミイラさんなど、おなじみのおばけさんたち。
その様子が実にリアルで笑えます。
そして、ゆきちゃんの意外な能力や、解決策も、なるほど!ですね。
オチもなかなかです。
カチンコチンを楽しんでほしいです。
幼稚園児以上くらいから楽しめると思います。
(レイラさん 40代・ママ 男の子20歳、男の子18歳)
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いかがでしたか。
すごい驚きのくしゃみがいろいろありましたね。絵本の中のくしゃみを楽しみながらも、皆さまどうぞもうしばらくの間、お大事にしてくださいね(私も……)。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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