【今週の今日の一冊】展覧会・絵本原画展へ行ってみよう♪ 春のお出かけや気分転換に…
家から一歩外に出れば、日差しは暖かく、花や植物も色とりどりに咲き、お出かけの楽しい季節。今日はどこへお出かけしようかな? と思ったら、候補先のひとつとして、絵本の展覧会に出かけてみるのはいかがでしょう。新学期や年度初めの緊張の時期だからこそ、好きな絵をじっくり眺める時間はリラックスできるひとときにもきっとなってくれるはず。
今週は、今見に行ける展覧会や絵本原画展の情報を絵本とともにお届けします。
2024年4月15日から4月21日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
4月15日 ちょっとドキドキの、あたたかな1日。
月曜日は『ぞうくんはいちねんせい』
「いってきまーす!」
ぞうくんは、今日から小学一年生。初めての学校へ元気に向かう……はずだったのに。ともだちできるかな、先生ってこわいのかな、勉強ってむずかしいのかな。明日も学校行くのかな。不安な気持ちでいっぱいです。
教室には色々な子がいます。隣の席は、コトコちゃん。人間の女の子です。緊張したぞうくんは、挨拶に失敗したり、ペンギンの先生に「おかあさん」と呼んでしまったり、忘れものをしちゃったり。ドキドキの連続です。でも、休み時間にコトコちゃんやみんなと一緒に遊んだあとは、ゾウくんもすっかり元気。長かった一日も終わりです。
「さようなら。みんな またあした ね!」
ながしまひろみさんがこの絵本で描いているのは、日常のふとしたやり取りや、ちょっとおかしな出来事。なんでもないような愛らしい場面ばかりだけれど、なにしろ今日は、みんなにとっても初めてだらけの日。ちょっぴり硬い表情も、声を出したり、体を動かしたり、誰かと会話をするうちに、だんだんとリラックスしていく様子が伝わってきます。この微笑ましくも大切な一日を、コマ割りの画面や見開きいっぱいのにぎやかな画面で、何度でも味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
<展覧会情報>
2024/04/03(水)~ 2024/04/16(火)
ながしまひろみ『まっくらぼん』『ぞうくんはいちねんせい』刊行記念 原画・複製原画展
場所:青山ブックセンター本店 ギャラリースペース
4月16日 「好き」の気持ちをだれにも話せなかったネコは…
<展覧会情報>
2024/03/28(木)~ 2024/04/18(木)
豊福まきこさん『ひみつのたからもの』絵本原画展
会場:丸善・丸の内本店3F 児童書売場内
【今後の巡回展予定】
4月26日~5月12日 Books & Café Wonderland(京都)
6月4日~6月23日 ジュンク堂書店名古屋栄店(愛知)
10月1日~10月31日 ブックハウスカフェ(東京)
12月1日~12月25日 広島蔦屋書店(広島)
4月17日 さくら保育園には、こわいものがふたつあります。
水曜日は『おしいれのぼうけん』
さくら保育園にはこわいものが2つあります。ひとつはおしいれで、もうひとつはねずみばあさんです。
先生たちがやる人形劇に出てくるねずみばあさんは、とてもこわくて、子どもたちは「きゃーっ」といったり、耳をふさいだりします。でも子どもたちは人形劇が大好きです。
おしいれは、給食のときやお昼寝のときにさわいで言うことをきかない子が入れられるところです。まっくらでこわくて子どもたちは泣いてしまいます。「ごめんなさい」と言っておしいれから出てくるとき、出てきた子も、おしいれに入れた先生も、ほっとします。
ある日の昼寝の時間、着替えようとしたあきらのポケットから赤いミニカーが落ちました。さとしが「かして」と言い「だめだよ」と言うあきらととりあいになって、ふたりは昼寝している子どもたちの上を走り回りました。先生が「やめなさい」と言ってもやめません。ふんづけられた子どもたちが「いたい!」と悲鳴をあげ、怒った先生はあきらをおしいれの下の段に、さとしを上の段に入れてぴしゃっと戸をしめてしまいました。
最初は泣きべそをかき腹をたてたふたりですが、なかなか「ごめんなさい」を言いません。そろっておしいれの中から戸をけとばし、汗ぐっしょりで戸を押さえる先生たちも困ってしまいます。
とうとうあきらが「ぼく、もうだめだよ」とあきらめそうになりました。さとしとあきらは上の段と下の段で、汗でべとべとの手をにぎりあい、おしいれの冒険がはじまります・・・。
1974年に発売されて以来、子どもたちの圧倒的な支持を誇り、読み継がれる本になった『おしいれのぼうけん』。
作者の古田足日さんと田畑精一さんはじっさいに保育園で取材をし、話し合いを重ねて物語を作り上げたそうです。
ほぼ鉛筆一本で描かれた世界のなかに、ねずみばあさんの存在感と子どもたちの躍動感があふれ、物語にぐぐっとひきこまれていきます。発売から何十年たってもねずみばあさんがすぐそばにいるような、子どもたちの汗がにじんだ手のひらの熱さが伝わってくるような気がする読み物絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
<展覧会情報>
2024/03/11(月)~ 2024/04/23(火)
『おしいれのぼうけん』複製画展
場所:<東京都港区>大垣書店 麻布台ヒルズ店 Ehonギャラリー
4月18日 「あいつが、おれのともだちだったら」
2024/04/08(月)~ 2024/04/20(土)
黒井健新作絵本原画と近作版画展
4月19日 わたしたちのこと、ほんとうに、よく知ってる?
金曜日は『シロツメクサはともだち』(2024年3月新刊)
おどろきは、身近なところにある!植物観察家・鈴木純が、シロツメクサの美しさと不思議を紹介し、実態にせまる写真絵本。観察により気づきはおどろきを生み出す。この感動こそ、科学への第一歩です。知ることでどんどん好きになっていく、ともだちと話しているようにたのしめる1冊!
2024/04/20(土)、21(日)、26(金)、27(土)、4/28(日)
写真パネル展 鈴木純の世界
場所:ブロンズ新社ギャラリー「青銅 Room J」
4月20日 みんなの優しさで新しいおかずができていって…
土曜日は『おかずたちのおでかけ』(2024年3月新刊)
おかずたちの思いやりで新しいおかずが完成!?
チーズハンバーグくんが寒がるアスパラベーコンくんの首にチーズを巻いてあげたり、腰を痛めたロールキャベツさんに、アスパラベーコンくんがベーコンをまいてあげたり、駅のホームで繰り広げるおかずたちのやり取りがかわいいお話です。
たまごやきさん、チキンライスちゃん、ハンバーグくん、アスパラベーコンくん、ロールキャベツさん、ブロッコリーさんと、子どもたちが大好きなおかずが登場します!
『おべんとう』『どうぶつパンやさん』に続く、さとうめぐみの絵本3作目はお子様ランチです。
2024年4月4日(木)〜2024年5月1日(水)
『おかずたちのおでかけ』原画展
場所:ジュンク堂池袋本店8階児童書フロア
4月21日 おんなじところ、ちがうところはどこ?
日曜日は『おんなじ おんなじ』
くりくりおめめもそっくりな仲良しのお友だち、ぶたの「ぶう」とうさぎの「ぴょん」。あれれ、ぼうしもおんなじ、ズボンもおんなじ、もっているおもちゃまで。ちがうものも、あるのかな?
自分だけじゃなくて、一緒に遊ぶお友だちのことも気になってくる年頃に、ぴったりなこの絵本。ぶうの持ちもの、ぴょんの持ち物、それぞれが大きく描かれてわかりやすいので、小さな子でも、「おんなじ おんなじ」と指をさしながら一緒に楽しめます。お揃いを持っている嬉しさと、違うものを見つけた時の面白さが、同時に伝わってきますね。初めてのおともだち絵本として読んであげてください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「ぶうとぴょんのえほん」シリーズ
<展覧会情報>
2024/04/10(水)~ 2024/05/08(水)
多田ヒロシ絵本原画展~「ぶうとぴょんのえほん」誕生55周年記念~
場所:銀座・教文館9Fナルニア国
他にも、全国あちこちで展覧会やイベント情報盛りだくさん!
絵本ナビの下記のページから、気になる情報を探してみてくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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