新刊から選ぶ? それとも人気ランキングから選ぶ? <2024 岩波少年文庫フェアで3冊選ぶなら>
※こちらの特典付きフェアは好評につき、終了致しました。
ワクワクするラインナップと美しい本のつくりが魅力的な岩波少年文庫。1950年の創刊以来、70年以上愛され続ける名作シリーズです。
子どもたちには「いつか」出会ってほしい、大人の方も「いつか」読みたい、と思っている憧れの名作がたくさんあるのではないでしょうか。その「いつか」という想いを「今」にする機会として、絵本ナビでは、「2024 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」と題し、期間限定で岩波少年文庫を特典つきで販売致します。
今回の特典は、「エーリヒ・ケストナー」作品を彩るヴァルター・トリアーのイラスト入り特製トートバッグ。こちらの特製トートバッグを、テーマ「岩波少年文庫」の中から、どれでも3冊お買い上げの方、先着100名様に1点プレゼントいたします。
※こちらの特典は、なくなり次第終了となりますので、お早めにチェックしてみてくださいね。
さあ、フェア対象の3冊、どう選ぶ?
たくさんある作品の中からどの3冊を選ぶか迷ってしまうという方のために、こちらでは新刊と人気ランキングからのおすすめ作品をご紹介します。
2023年の新刊から選ぶ
まず最新刊は、『トウシューズ』として愛されたルーマ・ゴッデンの名作。児童文学者でもある脇明子さんによる新訳でのお届けです。網中いづるさんの華やかな色合いの表紙が目を惹きますね。踊ること、生きることのよろこびに目ざめる少女の姿を挿絵とともにお楽しみください。
『岩波少年文庫 ナイチンゲールが歌ってる』
バレエに打ちこむロッティは、おばちゃんとふたり暮らし。才能を認められ、寄宿制の王立バレエ学校を受験します。ところが一匹の子犬と出会ったことから、心に大きな秘密をかかえることに……。さまざまな出来事をのりこえ、踊ること、生きることのよろこびに目ざめる少女の姿。『トウシューズ』として愛された物語の新訳。
「いちばん大切なのは、楽しかろうが悲しかろうが子ども時代だ。忘れられないことは忘れてはいけない!』今回のトートバッグのイラストモチーフとなった、エーリッヒ・ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝。主にケストナーの15歳までのことが書かれています。
『岩波少年文庫 ぼくが子どもだったころ』
貧しい家に生まれたひとり息子は、両親の愛情をまっすぐに受けとめて育ち、働きづめの母親を懸命に支えた。大好きな体操、個性的な先生たち、つらかったクリスマス、大金持ちになったおじ、母親との徒歩旅行……軽妙かつ率直に語られる数々のエピソードが胸に迫る。ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝、待望の新訳。
北欧の国フィンランドで、世代をこえて人々に愛されてきた13編のお話。作者は、フィンランドで「童話の女王」と呼ばれるアンニ・スヴァン。作風は、子どもたちの想像力をかきたてて、物語の世界を心ゆくまで楽しんでもらえるような、お話のおもしろさを重視しているのだそう。モノクロのペン画で書かれたルドルフ・コイヴ(児童書のすぐれた挿絵に贈られるルドルフ・コイヴ賞も創設されているそう)の挿絵とともにお楽しみください。
『岩波少年文庫 夏のサンタクロース フィンランドのお話集』
フィンランドの「童話の女王」アンニ・スヴァンの作品集。民話的なファンタジーと、現実の風景や暮らしを融合させた童話は、およそ百年前から人びとに親しまれてきました。春をむかえにいくお話、妖精や魔物の登場するお話、ドラマチックな愛のお語など、色とりどりの13編をえりすぐり、美しい挿絵とともに紹介します。
「オルコット一家」というのは、『若草物語』の作者オルコットのこと。こちらは、ドイツから移民としてアメリカへやってきた少女ロッタが、オルコット一家に出会ったという想定で書かれた、ドラマチックな物語。けれどもロッタはフィクションの少女なので、ロッタとオルコット一家が実際に会ったわけではなく、この物語はフィクションとノンフィクションが混ざり合っているところに面白さがある作品です。巻末にはこの物語に出てくる料理のレシピ集がついています。平澤朋子さんによる挿絵も、物語にとても合っていて1枚1枚をじっくり眺めたくなる素敵さです。
『岩波少年文庫 ロッタの夢 オルコット一家に出会った少女』
1848年11月。12歳のロッタは、ボストンの街をさまよっていた。祖国ドイツから約束の地にやってきたのに、父さんは酒びたりで仕事もうまくいかない。母さんが望む教育も、貧しい移民だから受けられない。失意の日々のなか、ロッタは貧民救済活動を行うオルコット一家と知り合い、自らの道を見つけだす。史実に基づいた成長物語。
2022年の新刊から選ぶ
何千年もの時を超えて、人びとにうたわれ、描かれ、語り継がれてきた豊かな神話を、夜空に広がる星ぼしから物語る一冊。花松あゆみさんの版画によるイラストも味わい深く、ずっと眺めていたくなるような美しさです。
『岩波少年文庫 星ぼしでめぐるギリシア神話』
ゼウスやヘルメス、アプロディテなど、惑星に名をとどめるオリュムポスの神がみ。ヘラクレスやペルセウスの冒険、勇敢な天馬ペガススや恐ろしいヒュドラなど、星座に結びつけられてきた英雄や動物たち。何千年もの時を超えて、人びとにうたわれ、描かれ、語り継がれてきた豊かな神話を、夜空に広がる星ぼしから物語る。
「ホラー短編集」シリーズの第4弾。こちらには1902年に発表以来、ホラー短編の最高傑作として有名な「猿の手」ほか、カポーティ、スティーヴンソン、キプリングなど、スリリングでひねりの効いた英米ホラーの傑作8編が収録されています。怖さもありながら、不気味だったり、不思議だったり、切なかったり、いいお話だったり、さまざまなホラーと出会える一冊。ホラーへの見方が変わるかもしれません。佐竹美保さんの挿絵にも注目しながら読みたいですね。
『岩波少年文庫 小さな手 ホラー短編集(4)』
ミスタ・ホワイトが友人から譲り受けたのは、持ち主の願いを三つ叶えてくれるという猿の手のミイラ。しかし、その代償はあまりに高くーークラシックホラーの名品「猿の手」ほか、カポーティ、スティーヴンソン、キプリングなど、スリリングでひねりの効いた英米ホラーの傑作八編を収録。初訳・新訳多数のオリジナル短編集。
ホラー短編集(1)~(3)はこちら
中央ヨーロッパの国のクロアチアで、世代を超えて愛されている物語。著者のマト・ロヴラックは、クロアチアの国民的児童文学作家だそうです。中でも『吹雪の中の列車』は、代表作であり、クロアチアの小学校の必読図書にもなっているのだそう。日本のようにクラス単位で活動することのない、ヴェリコ・セロという村に住む子どもたち。そんな小学生たちが、<同盟>を作り、選挙や日帰り旅行を通して、大切なことを学んでいきます。
『岩波少年文庫 吹雪の中の列車』
バラバラだった4年生のクラスに結成された〈子ども同盟〉。特別車両で念願の日帰り旅行にでかけますが、猛吹雪にあい、帰りの列車が動けなくなってしまいます。みんなで助け合おうと呼びかけるリューバンと、反発するペーロのみぞは深まるばかり。子どもたちはピンチを乗りきれるのでしょうか? クロアチア児童文学の名作。
2021年の新刊から選ぶ
全ての岩波少年文庫を愛する人たちに……。1950年の創刊時から70年にわたる歩み、代表作15点の紹介、挿絵画家についての逸話、瀬田貞二さん、脇明子さん、松岡享子さん、大岡玲さん、神宮輝夫さん、宮崎駿さん、猪熊葉子さん、大江健三郎さんなど著名人による、子どもと本、物語への思いを寄せた貴重な文章が収録されています。まさに宝物のような一冊。巻末には、1950年の創刊時から2020年刊行の作品までの総目録が付いています。
『岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020』
岩波少年文庫は1950年のクリスマスの創刊以来、途切れることなく刊行され続けてきた。過去の資料を駆使し、各時代に書かれた著名人のエッセイも織り交ぜながら、70年のあゆみを振り返る。代表作と作家の解説、挿絵画家の逸話、翻訳者の仕事にも光をあて、少年文庫の全容を紹介する初の保存版。カラー口絵4頁、総目録付き。
チェコの人々に親しまれ、語り継がれてきた24のおはなしを集めた昔話集。「チェコのグリム」と言われるカレル・ヤロミール・エルベン、女性作家のボジェナ・ニェムツォヴァーという2人の作家が書き残したものを中心に、短いものから長めの昔話まで、生き生きと編纂されています。苦難の歴史を持つチェコに伝わってきた、骨太で、ちょっと不気味で、人々のユーモアやたくましさが感じられる、味わい深いおはなしが登場します。
『岩波少年文庫 火の鳥ときつねのリシカ チェコの昔話』
チェコの人々に親しまれ、語り継がれてきたおはなしを集めた昔話集です。
「チェコのグリム」と言われるカレル・ヤロミール・エルベン、女性作家のボジェナ・ニェムツォヴァーという2人の作家が書き残したものを中心に、短いものから長めの昔話まで、生き生きと編纂されています。
苦難の歴史を持つチェコに伝わってきた、骨太で、ちょっと不気味で、人々のユーモアやたくましさが感じられる、味わい深いおはなしが登場します。
訳者は、子ども時代の数年間をチェコで過ごし、後にチェコ語翻訳家となった木村有子さん。
おなじみの昔話はもちろん、木村さんの現在のチェコの友人たちの意見なども踏まえながら、丁寧におはなしを選ばれたそうです。
冒頭のとても短い、チェコらしい小咄「題名のないお話」で、「わたしの服には、ポケットが七十個もついています。そのポケットの中には、お話がひとつずつ入っているのですよ。さて、きょうはどのお話にしようかしら」と始まります。
次もまた、短い詩のような「小さないえがあったとさ」。“○○があったとさ”“その○○はどうしたの?”“~~になっちゃった”と、行ったり来たりを繰り返す、振り子のようなリズムが心地いい!
いよいよ3つめ「オンドリとメンドリのお話」から、本格的に昔話がスタート。これはチェコ人ならば誰もが知るストーリーなのだそうです。
他にも、キツネの導きで王子が宝物を手に入れる表題作、切り株のあかちゃん「オテサーネク」、妖精にさらわれる子どもの話「スモリーチェク」、チェコ版河童伝説ともいえる「水の主ヴォドニーク」など、味わい豊かな物語がたくさんおさめられています。
挿絵は、チェコ在住の画家、出久根育さん。
異国情緒のある繊細なタッチが美しく、かつ、チェコの庶民のおはなしにふさわしい、素朴なユーモアのある線画もたっぷりで、ファン必見です。
不思議な力強さとひたむきさ、どきっとする不気味さがある、選りすぐりの24話をお楽しみください!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
『オズの魔法使い』を書いたフランク・ボームの他のお話を読んだことはありますか?
こちらは、ボームがつづった現代アメリカのおとぎばなし集。ちょっと奇妙でゆかいなお話が8編収録されています。
『岩波少年文庫 ガラスの犬 ボーム童話集』
魔術でほえるピンク色の「ガラスの犬」、一粒でたちまちピアニストになれる「魔法のあめ玉」、鳥を守るのんきな「妖精ポポポ」……。『オズの魔法使い』の作者が子どもたちを楽しませるためにつづった、現代アメリカのおとぎばなし集。奇想天外なストーリーと独特のユーモアが痛快な8編を収めます。
絵本ナビ岩波少年文庫人気ランキングから選ぶ(2021年3月~2024年3月)
自分の頭で考えること、行動すること、自分にできる方法で周囲に希望を与えつづけること。大切なメッセージがたくさん込められた一冊
やさしい両親に愛され、何不自由なく育ったチト少年の指には、不思議な力がありました。彼は、どこかに触れるたび、そこに落ちていた種を芽吹かせ、花を咲かせることができる「みどりのゆび」を持っていたのです。それだけではなく、とてもかしこく、物事の本質を見抜いてしまう子どもです。しかし、決まりきった考えや古い考え方にとらわれた大人たちは、「ほかの子どもと同じじゃない」と心配するのです。
悲しみや貧しさ、苦しさを見るたびに、チト少年はなにかをせずにはいられません。気がめいるような刑務所に花を咲かせ、囚人たちに感動する心と、草木を育てる楽しさを呼び覚まします。病院で出会った病気の少女を花で包み、笑顔と生きる喜びをもたらします。動物園では動物たちのふるさとの植物で檻をいっぱいにします。やがて、自分の愛するお父さんが武器をつくっている商人だと知ったチト少年は……。
本書のタイトルになっている「みどりのゆび(Green fingers)」という言葉は、草木を上手に育てる人のことを言う時に使います。枯れかけた植物をよみがえらせたり、見事なお花を咲かせたり。みなさんの身近にも、みどりのゆびを持つ人がいるのではないでしょうか。花や緑は、人を幸せな気持ちにしますよね。だから、チト少年は、世の中をもっとよくするには、花を咲かせればいいと考えます。えっ、それだけ!? と思われるかもしれませんが、意外なところに花が咲くことによって、町の外観や制度、そして人の気持ちまでもが、いい方向に変わっていくのです。
チト少年が何かを知るたびに抱く疑問は、シンプルで根本的で、心を深く揺さぶります。自分の頭で考えること、行動すること、自分にできる方法で周囲に希望を与えつづけること……。チト少年の姿を通して、人間が生きていく上で、忘れがちだけれど、忘れてはならない大切なものがたくさんつまった物語です。
「どうしてこの規則があるの?」「どうしてみんな同じじゃないといけないの?」こんな疑問を抱いた子どもたちに、ぜひこの本を手にとってもらいたいです。そして、自分にとっての「みどりのゆび」ってなんだろう? と、ゆっくり考えてみるのも素敵なことではないでしょうか。
もしあなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら? 「忙しい」「時間がない」と感じている人ほど手にとりたい名作!
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人間が平等に持っている24時間。自分の時間を自由に使えるのは当たり前? でも、もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?
どこからともなくやって来て、町の円形劇場の廃墟に住みついたモモ。みすぼらしい服装に、ぼさぼさの巻き毛をした小さな女の子モモは、豊かな想像力と、特別な力を持っていました。モモに話を聞いてもらうと、ふしぎなことに悩みがたちどころに解決してしまうのです。
ある日、町に灰色の男たちが現われてから、すべてが変わりはじめます。「時間貯蓄銀行」からやって来た彼らの目的は、人間の時間を盗むこと。人々は時間を節約するため、せかせかと生活をするようになり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。節約した時間は盗まれているとも知らず……。異変に気づいたモモは、みんなに注意をしようとしますが、灰色の男たちに狙われるはめになります。
不気味で恐ろしい灰色の男たちに、たったひとりで立ち向かうモモ。彼女をひとりぼっちにしようとする時間泥棒たちのずるがしこい作戦の数々! いったいどうなっちゃうの? と、予想できない展開にハラハラドキドキ、目が離せません。そんなモモに手を差しのべるのは、時間をつかさどる不思議な老人マイスター・ホラと、ちょっと先の未来を見通せるカメのカシオペイア。彼らとモモとの哲学的なやりとりは、私たちに対する問いかけであり、「時間とは日々の生活であり、その人自身である」という真理を教えてもくれます。そして疲れてしまったモモの心を、温かいもので満たしてくれるのが、黄金色のクロワッサンとホットチョコレート! この最高の組み合わせは絶対に忘れられません。
「モモのところに行ってごらん!」困ったことがあるとき、人々はこう言います。モモは、生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかを知っているのです――友だち、想像力、自由。遊ぶ時、モモと子どもたちは想像力を全開にして驚異の大冒険に乗り出します。その興奮を、みなさんもぜひ一緒に体感してください。「時間がない」「そんなの役にたたない」なんて口にしがちな、忙しがっているすべての子どもと大人に読んでもらいたい一冊です。この物語を読めば、時間に対する考え方が変わってしまうかもしれません。
わたしたちってふたごだったの!? 夏休みを過ごす子ども村ではじめて出会ったふたりが考えたある計画とは?
おたがいを知らずに別々の町で育ったふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で偶然に出会ったふたりは、別れた両親を仲直りさせるために、大胆な計画をたてるのですが……。待望の新訳。
岩波少年文庫人気第4位から10位の作品はこちら
「2024 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」お届けするのは、こちらの特製トートバッグ!
今回プレゼントとしてお届けするのは、岩波少年文庫を刊行されている岩波書店さん特製のトートバッグ。『飛ぶ教室』『ふたりのロッテ』などたくさんの作品を世に送りだした、二十世紀ドイツ文学を代表する作家「エーリヒ・ケストナー」の作品がモチーフとなっています。トートバッグの表側と裏側を飾るのは、ケストナー作品の挿絵の多くを手がけられた、画家ヴァルター・トリアーのイラスト。涼し気な素材に、水色が映えて、これからの季節のお出かけに活躍してくれそうですね。
くるっとトートバッグを裏側に回してみると……
中に岩波少年文庫を入れてみると、約5冊入りました。
トートバッグについてより詳しく知りたい方は、下記の記事をどうぞ。
いかがでしたか。
新刊を見てみても人気作品を見てみても、岩波少年文庫には、世界中のさまざまなお話と出会える楽しさと、本の美しさを感じとれる喜びが詰まっていますね。ぜひ気になる作品から実際にお手にとってみてください!
秋山朋恵(絵本ナビ副編集長・児童書主担当)
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