『もし、世界にわたしがいなかったら』大切な〈言葉〉についての哲学絵本
〈言葉〉があふれる今だからこそ考えたい、大切な問いをくれる絵本
2024年5月15日、西村書店から『もし、世界にわたしがいなかったら』が発売されました。
世界じゅうどこにでも、いろんな姿をした 何千もの わたし がいる。
わたしは あなたを、過去へ、現在へ、未来へ、つれていってあげられる。
そのいっぽうで、消えようとしている わたしもいる。 ――わたしは なんでしょう?
人間と社会にとって不可欠であり、世界の文化の多様性を支えている〈言葉〉。
話し言葉、書き言葉、点字、手話など、さまざまな言葉の大切さを、
すっと心に届くシンプルな文章と、深くあたたかみのある挿し絵でえがき、
「人間とは」「世界の豊かさとは」を問いかけるユニークな哲学絵本です。
*世界20言語で刊行!
*イタリア・ボローニャ国際児童図書展「美と世界:新しいノンフィクション絵本」2023年 選定作品
*ユネスコ「先住民言語の国際の10年」(2022-2032年)の公式選定絵本
*ドイツ・ミュンヘン国際児童図書館カタログ『ホワイト・レイブンズ2023』 選定作品
*「dPICTUS 未刊絵本ショーケース」2022 年 選定作品
もし、世界にわたしがいなかったら
わたしは、ずいぶん長く生きてきた。あなたが知っているだれよりも前から。世界じゅうどこにでも、いろんな姿をした何千ものわたしがいる。わたしはあなたを、つれていってあげられる。過去へ、現在へ、未来へ。わたしは、なんでしょう?
言葉が生まれて、人間社会は大きく変わりました。人は成長とともに言葉をおぼえ、言葉によってものを考え、他者と交流します。そしていま、世界で使われている7,000以上の言語のうち、少なくとも半分は、2100年までになくなると考えられています。
本書はなぞときのようにストーリーが展開し、「わたし」がなにものであるかは、最後に明かされます。言葉のもつ力やはたす役割、守ることの意味とは?
言葉についての哲学絵本。世界20言語で刊行。
* ドイツ・ミュンヘン国際児童図書館カタログ『ホワイト・レイブンズ2023』 選定作品
* 「dPICTUS 未刊絵本ショーケース」2022 年 選定作品
*イタリア・ボローニャ国際児童図書展「美と世界:新しいノンフィクション絵本」2023年 選定作品
* ユネスコ「先住民言語の国際の10年」(2022-2032年)の公式選定絵本
いま、消滅の危機にある言語について
現在、世界で使われている7,000以上の言語のうち、少なくとも半分は2100年までになくなるといわれています。その多くは先住民の言語であり、本書には日本のアイヌなど世界のさまざまな民族の姿も描かれています。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、アイヌ語や琉球諸語を含む「消滅危機言語」を報告しており、2022年から32年までを「先住民言語の国際の10年」と定めることを発表。先住民族言語の保護や活性化のための行動を促しており、本書はユネスコ「先住民言語の国際の10年」公式絵本(2022~2032)に選定されています。
ネットギャリー・レビュアーからも反響多数!
・普段考えることのないテーマに少なからずショックを受けました。
・ これは大人向けの絵本だと思います。絵もなかなかいいし、〈言葉〉というものに対して、いろんなふうに考えることができるのがいい。とても面白かった。
・ 消えかけている多くの〈わたし〉がいる。何気なくつかっている〈わたし〉をもっと大切に使いたい。
推薦の言葉
「最高の作品というのは『もし、世界にわたしがいなかったら』のような絵本のことだ。」――シドニー・スミス
(絵本作家。作品に『ぼくは川のように話す』ほか。2024年国際アンデルセン賞受賞画家)
「共通の人間性についての美しい絵本。」
――フェリシタ・サラ
(イラストレーター。作品に『おじいちゃんのくるみのき』ほか。2020年イタリア・アンデルセン賞最優秀イラストレーター賞受賞)
”この絵本は、世界の言語、文字、文化が織りなす美しいタペストリーへのささやかな拍手であり、それをささえてくれている人々へのささやかな声援です。”
(作者あとがきより)
『もし、世界にわたしがいなかったら』刊行記念 金原瑞人さんトーク&サイン会を開催!
翻訳家 金原瑞人さんトークショー&サイン会
◎日時:2024年5月25日(土)14時~15時
◎参加費:1650円(税込・ドリンク付)※書籍代は含まれません。書籍は別途ご購入のほどお願いいたします。
◎参加条件:専用フォームよりご応募の上、大垣書店麻布台ヒルズ店のレジにてチケット代をお支払いください。参加チケットと交換いただけます。
◎詳細は大垣書店ホームページ・イベント情報をご確認ください。
*大垣書店麻布台ヒルズ店にて5月18日から30日まで、小社が所蔵する人気絵本作家の原画展など、〈西村書店フェア NISHIMURA EHON MUSEUM-もし、世界にわたしがいなかったら〉を開催します*
著者プロフィール
文:ビクター D. O. サントス Victor D. O. Santos
児童書の作家、博士(言語学)。今までに6カ国で暮らし、10の言葉を学んできた。英語で書いた最初の作品『My Dad, My Rock』(未邦訳)は2022年のカーカス・ベストブックに選ばれた。ブラジル出身で、現在はアメリカのアイオワ州デモインに在住。ウクライナ人の妻との間にふたりの子どもがいる。ふたりはいくつもの言葉を話し、いくつもの文化を知っている。インスタグラム: @linguacious_llc/公式サイト: authorvictorsantos.com
サントスさんのSNSより。完成した日本語版を手にニッコリ。
絵:アンナ・フォルラティ Anna Forlati
アーティスト、イラストレーター。『Yoga for Kids』や『My Dad, My Rock』(いずれも未邦訳)の絵を描いている。本書『もし、世界にわたしがいなかったら』は「dPICTUS未刊絵本ショーケース」で注目され、ボローニャ国際児童図書展で展示された。高校から大学まで古代ギリシア語とラテン語を学び、今はアラビア語を学んでいる。イタリアのトリノ在住。公式サイト: annaforlati.com
訳:金原瑞人(かねはら みずひと)
1954年岡山市生まれ。法政大学教授・翻訳家。訳書は児童書、ヤングアダルト小説、文芸書、ノンフィクションなど600点以上。訳書に『不思議を売る男』『青空のむこう』『月と六ペンス』『どこまでも亀』『ニューベリーの物語』『男の子でもできること』、エッセイ集に『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』『サリンジャーにマティーニを教わった』、監修に『13歳からの絵本ガイド』、日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』など。公式サイト:kanehara.jp
書籍紹介
『もし、世界にわたしがいなかったら』
文:ビクター・サントス
絵:アンナ・フォルラティ
訳:金原瑞人
発売日:2024年5月15日
ISBN:978-4-86706-049-0
定価:1980円(本体1800円+税)
体裁:A4変型・上製
ページ数:42ページ
発行・発売:西村書店
イベントのお知らせ
大垣書店麻布台ヒルズ店〈NISHIMURA EHON MUSEUM-もし、世界にわたしがいなかったら〉
楽しいイベントいっぱい! ぜひ遊びに来てくださいね!
開催期間:2024年5月18日(土)~30日(木)
■【5/25開催】絵本『もし、世界にわたしがいなかったら』刊行記念 金原瑞人先生トーク&サイン会
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