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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【6月に読みたい絵本と新刊】梅雨や夏至、さまざまなテーマのある月のおはなし会におすすめ

恵文社一乗寺店さんで イベント終了後に

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに6月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

6月では

芒種ぼうしゅ(6月5日)稲や麦などの種を蒔く時期とされる。梅雨入り間近で農家は多忙を極める。

夏至げし(6月21日)一年で一番昼が長く夜が短くなる日。夏に至ると書いて夏至。本格的な夏がやってくる

 

6月のおはなし会

6月といえば梅雨の季節のイメージですが、実は一年で一番昼間の時間が長い夏至の日があるのも6月。

父の日や田植えの絵本も入れながら…。季節を肌で感じ今月も楽しんでいきましょう。

今月のわらべうた

今月もまずはお歌からいきましょう。

もとは19世紀のドイツ民謡「Froschgesang」を原曲とする日本の唱歌・童謡で、「かえるの歌」としても知られているこの歌。

輪唱の歌としても有名です。

私は参加の親子さんたちを3つに分け、輪唱で歌ってもらいます。

一気に場がほぐれて楽しいですよ。

かえるのうたが きこえてくるよ

クワクワクワクワ

ケケケケ ケケケケ

クワクワクワ 

 

もし楽器に挑戦してみようと思ったら、Cコードだけで弾けるのでおすすめの一曲。

私はウクレレで弾いています。

【はじまりの絵本】人気のあの歌が絵本に

さぁ、そんな人気の歌が一冊の絵本になりました。

絵はわたくし大好きな100%ORANGEさん。

絵本は歌いながら進みます。お馴染みの歌にも絵がつくとまた新鮮で楽しい。

カエルが目立つように色を工夫したというのは100%ORANGEの及川賢治さん。

シンプルで余白のある絵がとても良くて。

一緒にめくりながら歌いながら今月も始めましょう。

巻末には楽譜も。

読み聞かせ時間目安<1分10秒>

うたおう!かえるのがっしょう

誰もが知っているあの歌が、100%ORANGEのイラストで魅力的な絵本になりました!
絵本の読み聞かせはまだ早いかな?そんなお子さまには「うたの絵本」がおすすめ!巻末に楽譜を掲載。

担当編集者より
「かえるの うたが~♪」「かえるの うたが~♪」追いかけてうたう輪唱が楽しい童謡です。実際にかえるたちが鳴くときも、声が重ならないように少しずらして鳴くこともあるそうですよ。

【参加型絵本】いっしょにふーってしてみよう!

次はみんなと楽しむこんな絵本を

それはこんな始まり
 

きいろの いろみず ぽとり
ねぇ ふーって して

あっ

たいよう

(p2−3本文引用)

 

ドリッピング(吹き流し)の技法を使った絵本です。
ぽとりと落とした色水が息を吹きかけることで広がり流れ、混ざり、命を吹き込む。

 

お次は緑の色水をぽとぽとぽとぽとり

ねえ ふーってして

ここはぜひ、ご参加の皆さんにも一緒に「ふー」としてもらいましょう。

 

さぁ、皆さんもご一緒に!「ふー」とすると…。

 

これは楽しい!

 

巻末にはいろみず遊びのやり方が載っています。
やりたくなります。やらずにはいられません。
ぜひおうちでも吹き流しやってみてください。

絵本から広がる発展遊び。これも絵本の醍醐味です。
読み聞かせ時間目安<2分30秒>

ふーってして

きいろの いろみず ぽとり
ねえ ふーって して

絵本に向かってふーってすると、画面いっぱいに色彩が広がります。
「次はどうなるのかな?」想像力をふくらませながら、
感じるまま、大人も子どもも遊んでみてください。

【おうちでふーってしてみよう!】
おうち遊びや、保育や図工の時間に楽しめる色水遊びの解説付き。

【お話絵本】父の日に向けて。こんな一冊はいかがでしょう

みなさん、ワニはどうしてワニっていうかご存知でしょうか。

この絵本にはワニの子の素朴なこんな質問から始まります。
ねぇ ねぇ。おとうさん。
ぼくたち「ワニ」はどうして「ワニ」って いうの?

それはね…

ワニのお父さんの返答が面白すぎて!

うよ高山さんのいい意味で力の抜けた優しいあたたかい絵がお話にぴったり。

ちなみに私は「チンパンジー」の名前の由来が好き(笑)

こんなお父さんいいなー。父の日に読みたい一冊。

これは読み聞かせの鉄板になりそうです!

子どもたちと動物の名前の由来を考えるのも楽しいですね。

読み聞かせ時間目安<3分10秒>

ワニはどうしてワニっていうの?

思わずクスッと笑ってしまう親子の会話

ワニの親子がジャングルを散歩しています。「ねえ ねえ。おとうさん。ワニはどうしてワニっていうの?」「それはね、えものをつかまえるとき『ワッ!』っておどろかして、えものがとれると『ニッ!』ってわらうからだよ。だから『ワッ!ニッ!』だ。」「へぇ!じゃあブタはどうしてブタっていうの?」
素直に質問をぶつけてくる子どもに、適当な答えを続けるお父さん。さてどんな結末が待っているのでしょう?

【編集担当からのおすすめ情報】
数々の絵本作品の文章を手掛ける大塚健太さんの文章に、韓国のNAMIコンクールで最終選考にも選ばれた新鋭うよ高山さんのゆるくてかわいい絵が、見事に化学反応を起こしました。ユーモアたっぷりのクスッと笑ってしまう展開ですが、質問に自分だったらどう答えるかをお互い話しながら、親子で読み進めるのもいいかもしれません。

【仕掛け絵本】歯磨きが楽しくなるといいな、の絵本

6月は「歯と口の健康週間」があります。

毎日歯磨きの時間が親子共々しんどい。

そんな親子にぜひご紹介したい絵本がこちら!

 

この絵本を読んだら歯磨きが大好きになります。とは言いません。

意図が見え見えの絵本なんて、子どもたちにとっては面白くないだろうし、また期待した効果が得られないときの親のがっかり感も。

 

でも歯磨きはしてほしい。できることならば、足で押さえつけ羽交い締めにせずとも、楽しくすんなりと(笑)

そんなときこそ絵本の出番。
こんな絵本はいかがでしょうか。

 

まず表紙をめくるとびっくり。
大きなくまの顔が口を開けて飛び出します。

そしてうごかせる歯ブラシ。

「くまさんたちは、うえとしたに はぶらしを うごかして はを みがきます。」

きゅっきゅっきゅっ きゅっきゅっきゅっ
きゅっきゅっきゅっ きゅっきゅっきゅっ
「いっしょに みがかない?」

くま、チンパンジー、かば、ライオン、さめさんたちが、歯ブラシに誘ってくれます。
なんと磨き方が全部違うのもとっても良くて。みがき糸まで出てきます!

 

「絵本を読んだらこうなります。」と、はっきりは言えませんが、こどもたちが楽しく歯磨きしてくれたらいいなぁ。(できれば進んで笑)

この絵本がお母さんやお父さんを助けてくれますように。

読み聞かせ時間目安<2分5秒>

はみがきしましょ

はみがきがきらいな子大集合! どうぶつたちのはみがきを、いっしょに手つだってあげましょう。はみがきが、いつのまにか好きになります。

【新刊絵本】20周年を迎えたもったいないばあさん最新作

最後は田植えの季節にぴったりなこの絵本を。
2024年3月にでたばかりの新刊です。

 

お馴染みのもったいないばあさんはみんなに愛され、なんと今年で20周年。
そんな記念すべき年の最新作は『もったいないばあさんのおばあちゃん』
そう。今回の主役はもったいないばあさんのおばあちゃんのお話。

朝起きるとお日さまに手をあわせるおばあちゃん。
「ありがたや ありがたや」

田んぼでお米を育てていたおばあちゃん。

山の雪が溶けて春が来るとお米を作る準備が始まります。

おばあちゃんはいつも感謝を忘れない。

 

この絵本を読んでいると「もったいない」は「ありがたい」から生まれた言葉なんだと気付かされる。

「ありがたい」から「もったいない」。

お米の種はやがてお米のごはんに。お米のひとつぶひとつぶを大事に大事にしたくなる。

絵本は想像力を広げてくれる。一粒のごはんがここにくるまでを想像できたら「もったいない」ことはできませんよね。

読み聞かせ時間目安<5分45秒>

もったいないばあさんの おばあちゃん

『もったいないばあさん』誕生から20周年! 待望の新作は、子どもの頃のもったいないばあさんと、もったいないばあさんのおばあちゃんのおはなしです。もったいないばあさんは、田んぼでお米作りをしていたおばあちゃんから感謝をすること、生きものたちへの思いやり、命のつながり、敬うことなど、大事なことは何かを学んできました。
本書を読まれた方の中には、幼い頃の思い出やふるさとを思い出されることがあるかもしれません。大切にされてきた日本の心を未来に伝えるために、お子さん達にも読んでいただけたらと思います。
「だいじなことは みんな おばあちゃんから おそわった。つたえないのは もったいない」

原画は、イネの一本一本、和紙を染めて切って貼って、大変な時間と手間をかけて作られました。ぜひ、じっくりと見てていただきたいです。

【その他 6月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

アンケート募集のお知らせ♪

【連載】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。

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ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学1年生と4年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

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絵本ナビ編集部
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