【今週の今日の一冊】ひと足先に夏を感じてみませんか。2024年、夏の絵本新刊特集!
本格的な梅雨入りの前に、先週から全国的に暑い日が続いていますね。
それならば……! と絵本でも夏を先取りしてみませんか。
今週は、ここ5月と6月中旬までの新刊から、夏らしさを感じる絵本や童話をご紹介します。
2024年6月17日から6月23日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
6月17日 おばあちゃんから届いたしましまの布を持って…
月曜日は『なつのおそろいをつくりに』(2024年5月の新刊より)
シリーズ第4弾!いよいよ完結。「おそろい」って、だいすきなひととずーっといっしょにいるみたい!なつのあさです。せみのなきごえで目をさましたさきちゃん。「あーそーぼー」と、すりちゃんがやってきました。あさがおで色水をつくったり、ひまわりばたけでおいかけっこ!たっぷりあそんださきちゃんとすりちゃんが木かげでやすんでいると、おばあちゃんからしましまの布が届きました。さきちゃんはいいことを思いつき、ふたりでしたてやのミコさんのお店にむかいます。
おようふく絵本」シリーズ、こちらもおすすめ
6月18日 万次郎さん、転がるすいかを追いかける!
合わせておすすめ
6月19日 あついあつい!このあつさ、なんとかしろー。
水曜日は『おふくさんのきもだめし』(2024年6月の新刊より)
みんなで仲良く暮らすおふくさんたちのところに「あつい、あつい、このあつさ、なんとかしろ―!」と鬼さんがやってきて…。
さてさて、この暑さをおふくさんたちはどうやって涼しくするのでしょう?ユーモアたっぷりで読み聞かせにもおススメの絵本
「おふくさん」シリーズ、合わせておすすめ
6月20日 「ざざーん、シクシク、あいたいよー」
木曜日は『あいたくてたまらない』(2024年5月の新刊より)
夏休み前のある日、そうたが学校から帰ると、おじいちゃんが来ていました。おじいちゃんの家の前には大きな海があり、毎年夏休みになると親戚みんなで集まって海で泳ぐのですが、そうたはけっして海には入りません。どうしても泳ぐのがこわいのです。そんなそうたに、おじいちゃんが、海で拾ったというももいろの貝がらをくれます。それはこれまで見たこともないほど大きな貝がらでした。
その数日後の真夜中、貝の中から小さな音が聞こえてきます。
「ざざーん ざざーん シクシク シクシク あいたいよ~」
貝が話すことには、はなればなれになってしまった小さなやどかりぼうやが自分に会いたくて泣いているというのです。そこでそうたは、貝を海へ戻してあげると約束するのですが……。
この後、泳げないそうたがはたして貝を海に戻せるのか、気になる展開にページをめくる手がどんどん進みます。作者のおくやまゆかさんご自身による挿絵にも魅力がいっぱいあり、話し始めた貝がらにあらわれる、まゆげや目や鼻や口びるはぜひ見ていただきたいところで、つやつやしている様子には色っぽさまで感じられます。さらに、貝に会いたいと泣く小さなやどかりもとっても愛らしいので注目くださいね。また、表紙や中の挿絵にたっぷり使われている水色と、ほんのり色づくももいろの貝がらという二色の色合いが、夏に手にとりたくなる爽やかさいっぱいです。
そんな楽しい挿絵が全ての見開きに入って読みやすい本書は、ひとり読みをはじめたい時期の小学1年生から、少し読み物にも慣れてきた3年生ぐらいに特におすすめ。読み聞かせで親子で楽しむのもいいですね。
(続きを読む>>)
(秋山朋恵 絵本ナビ副編集長)
「へんてこ話3部作」こちらもおすすめ
6月21日 ぼくはいくよ!大きな海へ
6月21日 大きなはちみつソフトクリーム、どうやって作る?
土曜日は『パンダのソフトクリームやさん』(2024年6月の新刊より)
パンダのきょうだい、とんとんくんとらんらんちゃんはソフトクリームやさんです。ある日、くまくんと一緒にはちみつを取りに行きますが、はちの巣は木の高いところにあり届きません。そこで、木の下に運んだ丸太の上に、お店につないだ長いホースからクリームをぐるぐると出していきます。とんとんくんが大きなソフトクリームの山をかけのぼって、はちみつをかけていきますが……。満足感たっぷりの、ユーモラスな絵本です。
6月23日 豊かな世界が見えてくるフィンランド生まれの絵本
日曜日は『しずかなところはどこにある?』(2024年5月の新刊より)
森にひっそりとくらす、耳の大きなきつね。大きな音が苦手で、しずかなところを探しにでかけます。毒きのこのかさの下、とじた目の奥、すずらんのかおり、思いがけない場所に見つかって……。なかまと出会い、しずかなパーティーを楽しみます。足もとに広がるゆたかな世界が見えてくる、フィンランド生まれのあたたかな絵本。
いかがでしたか。
夏の絵本を眺めるだけで、そうそう、海に、スイカに、冷たいスイーツにきもだめしに……、ああ夏って、そういう感じだったなあ、なんて思い出す感じがしませんか。
待ち遠しい夏の空気を頭に思い浮かべながら、楽しんでみてくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |