【今週の今日の一冊】「海の日」から始まる一週間に。海を舞台にした物語特集!
毎年7月の第3月曜日に制定されている国民の休日「海の日」。今年は、7月15日が「海の日」ですね。そこで、今週は「海の日」にちなんで、海を舞台にした物語(読み物)を集めてみました。「海を舞台にした物語」と聞いた時、あなたならどんな作品を思い浮かべますか? 名作・ロングセラーから新しい作品までたっぷりとご紹介します。
※「海の日」は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日とされています。
(内閣府HP「国民の祝日」についてより)
2024年7月15日から7月21日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
7月15日 静かな海でいるかとくじらが出会った。
月曜日は『ともだちは海のにおい』
お茶がすきないるかとビールがすきなくじらが友達になった。ふたりは散歩したり、読書したり、手紙を書いたり…。ユーモアに満ちた友情の日々を詩と掌編でつづるオムニバス。
読者レビューより
8歳の息子と読んでいます。
もうずいぶん前に、私は読んで癒された記憶があり、今度は、息子に感じてほしくて、眠る前の読み聞かせに2~3篇ずつ楽しんでいます。
一日の終わりに優しい気持ちにさせてくれる1冊です。
くじらといるかの日常を描いた物語。
お茶の好きないるかとビールの好きなくじら。
体を鍛えることの好きないるかに、本が大好きなくじら。
似てないようで、本当は「コドクが好きなたち・・・」なんて、共通点を持っていて。
途中途中に、くじらの自作の詩やなんかもかかれていて素敵です。
ゆったりとした海の情景を、温かな言葉で伝えてくれる本。
工藤直子さんの動物からみた視点は、生き物の気持ちを代弁してくれています。生き物への優しさと愛を感じます。
ともだち・生き物への優しさ・海・癒し・・・この本のキーワードです。
(ハッピーカオリンママさん 30代・ママ 男の子8歳、女の子7歳、女の子4歳)
7月16日 海の宅配便の配達員、猫のテールの冒険物語
火曜日は『三日月島のテール(1) ドルフィン・エクスプレス』
テールは三日月島にすむ、海の宅配便<ドルフィン・エクスプレス>の配達員。スピードボートであちこちの島や湾に荷物を届けるのが仕事だ。ある日、テールは配達先のヒスイ島で、なぜか受けとりを拒否されてしまう。送り主は、かつてあこがれだった伝説のヨットレーサー、うみねこ島のフルヤ・サンゴロウだった! サンゴロウに荷物を返しにうみねこ島に向かうテール。しかしそのなぞめいた荷物を扱ううち、テールは自分のからだの中にべつの生き物がいるような奇妙な感覚をおぼえ始める。その荷物の中身とは? そして、そのなぞはとけるのだろうか?
人気ロングセラー<黒ねこサンゴロウ>シリーズからつづく海の冒険物語。
岩崎書店版<ドルフィン・エクスプレス>シリーズ(2002~2007年)の新装改訂版。
みんなの声より(ドルフィン・エクスプレスシリーズの時のレビューより抜粋)
サンゴロウシリーズ、小2の時だったか息子に読み聞かせしていました。
ひょんなことから、サンゴロウシリーズの姉妹編があるということを知り、全5巻借りてしまいました。
なんとこの最初の巻ではサンゴロウが登場します。といっても主人公はドルフィン・エクスプレスで働くテールというねこなんですけどね。
サンゴロウシリーズもハードボイルドって思いましたが、このシリーズもそんな雰囲気が漂っています。
アウトロー的な主人公ってかっこいい。テールも何だかサンゴロウに似たところがあるなあって。
サンゴロウと関わるうちに明かされるテールの過去、人となりがよくわかる巻でした。
続きが読みたくなったので、2巻目も読もうと思っています。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子11歳)
「三日月島のテール」シリーズ(旧ドルフィン・エクスプレスシリーズ)は全5巻!
7月17日 海賊から妹を取り戻すため、冬の海へ
水曜日は『シーリと氷の海の海賊たち』
10歳のシーリは、海賊船にさらわれた妹ミーキを取り戻すための旅に出る。海賊たちとその親玉シロガシラを追って氷海をめぐるなか、シーリは自然の厳しさだけではなく、過酷な状況でくらす人びとがほかの生き物をこき使ったり、弱者を押しのけたりするような、世界の問題にも立ち向かっていく。骨太なファンタジー。
7月18日 「地平線のむこうに すむ きみへ」
木曜日は『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』
手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わるお話です。キリンがペンギンのことを想像して真似する姿はユーモアたっぷり。地平線のこちらから向こうまでなが―い距離を行き来する手紙のことを想像したり、手紙をやりとりするそれぞれの気持ちを想像しながらゆったりとした気持ちで楽しみたい一冊。
つづけて読みたい!「クジラ海のお話」シリーズ
7月19日 力ではなく頭で勝負する少年ビッケの冒険物語
金曜日は『小さなバイキングビッケ』
世界じゅうの人気者、あの「小さなバイキング」ビッケが新しい訳でかえってきました!
あらくれ者のバイキングにまじって、力ではなく頭で勝負する少年の、痛快な冒険物語です。
このシリーズには乱暴な描写はなく、愛と希望と夢がつまっています。
『ワンピース』作者の尾田栄一郎先生が海賊好きの原点と話すのもうなずけます!
読者レビューより
6歳の息子と読みました。
1日1章ずつ。
息子は、とても楽しく、毎晩楽しみにしていました。
何が楽しいって、やっぱり船に乗って冒険にいくと想像すると、
息子はワクワクするようです。
船のオールや、帆にも興味津々でした。
バイキングたちの、ちょっとおばかなやり取りや、
ビッケの活躍する様子が楽しかったみたい。大笑いしていました。
息子はちょっと怖がりです。
なので、少し怖がりだけれど知恵のまわるビッケの勇姿に共感していたみたい。
息子は6歳。幼年童話は何冊も読んでいましたが、
今回、初めて少し長目の本に挑戦です。
絵が少ないことも、少し難しい言い回しも、息子は初体験。
でも、私が読んだ文を聞きながら想像する、という楽しさを知ったようです。
本好きに育ってほしいなあ。
せっかくなので、当時のフラーケ地方と、
バイキングたちの冒険した場所の地図が載っていたらもっと楽しかったなあ。
(トゥリーハウスさん 40代・ママ 男の子6歳)
「小さなバイキング」シリーズは全6巻。続けて読んでみよう!
7月20日 一羽の鳥を通して、少年と灯台守の絆は深まって…
土曜日は『パフィン島の灯台守』
イギリスのシリー諸島付近は航海の難所です。ある夜、嵐で船が沈み、乗客30人が岩にしがみついていたとき、パフィン島の灯台守ベンが手漕ぎボートでやってきて、全員を救出してくれました。助けられた乗客の中にいた5歳の少年アランは、この夜のことを忘れず、ベンが描いた船の絵をもらって大切にしていました。学校を卒業するとすぐ、パフィン島に向かい、なつかしい灯台守に再会します。一羽の傷ついたパフィンを看病することで、ベンとアランは家族のように絆を深めていきます。パフィン島が、文字どおりパフィンでいっぱいの島になるまでを、人と人のつながりをからめて情感豊かに描きだす物語。オールカラーのすばらしいイラストに飾られた贅沢な作品です。
読者レビューより
モーパーゴの物語は、いつも夢を与えてくれます。
このタイトルを見た時、なぜか若い頃に読んだパフィン・ブックスのことを思い出していたのですが、内容はまさかのジャストフィットでした。
ペンギン・ブックスを創設したアラン・ウィリアム・レインに寄せて書かれた物語だそうです。
戦争という時代の意固地な灯台守についても、心の中で合点が行きました。
感動的な作品ではあります。
日本の岩波文庫、岩波児童文庫にも匹敵するペンギン文庫、パフィン文庫を懐かしく思い出しました。
ちなみに遭難した船のペリカン号も、ペリカン・ブックも、岩波新書を連想させました。
作品の内容から離れましたが、思い出を探る物語に思えました。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
7月21日 太平洋を横断してポリネシアをめざす冒険の旅へ
日曜日は『偕成社文庫 コンチキ号漂流記』
1947年、ノルウェーの学者ハイエルダールが南米のペルーから南太平洋の島まで、いかだコンチキ号で航海したときの貴重な記録。
読者レビューより
ノンフィクションものが好きな小5の息子が読みました。
イースター島を始め、南太平洋の島々には、
広範囲で、似たような石像やピラミッドがあります。
同じような文化があったということは、
人々は船で島を行き来していたに違いない。
いかだのような船しかなかった時代に、
人間は太平洋を渡ることなどできたのだろうか。
1947年、ノルウェーの学者ハイエルダールが、
自分の学説を証明するために、
南米のペルーから南太平洋の島まで、
いかだコンチキ号で航海します。
仲間と丸太でいかだを作りところから。
航海中は、
巨大な鮫に遭遇したり、嵐に遭ったりの、
どきどきハラハラの連続。
高学年男子ならきっと楽しめる冒険ものです。
(Tamiさん 40代・ママ 男の子10歳)
他にもおすすめ:海を舞台にした物語(低学年向けから中高生向けまで)
海の絵本はこちら
いかがでしたか。海を舞台にした楽しい物語から、壮大な冒険譚まで、読みながら海への想像をたっぷり膨らませてみてくださいね。
秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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