【今週の今日の一冊】暑い日に読みたい、ひんやり涼しくなれる絵本
2024年7月8日から7月14日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
暑い日が続きます……。今週は梅雨空が戻ってくるという話もありますが、どんなお天気の一週間になるでしょうか。暑くてたまらない! という日には飲み物を片手に、目と心が涼しくなるような絵本を開いてみませんか。
今週は、ひんやり涼しい気持ちになる絵本を涼しげなテーマと共にご紹介します。
7月8日 「すべてのおへやはオーシャンビュー」
読者レビューより
ふだんはお兄ちゃんぶって、「オレがな!」とか生意気言い始めてる2年生の長男が、目を細めて「かぁわいい~!」と繰り返し読み聞かせをねだるペンギンホテルのお話でした。こんなに色んなお客様が嬉しそうにいらして、スタッフのペンギンさんたちも心から楽しそうにおもてなしをしていて、なんてステキなホテルなんだろうって思いました。
シーフードが大好きな息子は、ディナーショーのご馳走メニューを指差し確認し、人間も食べていいのかなぁと非常に気になる様子でした。あれは完全に泊まる気ですね。私は、お部屋のお世話だけじゃなくて、ショータイムまでこなすペンギンさんたちの多才ぶりに感動。とにかくお客様を喜ばせたい気持ちがあちこちに溢れていて、サンタさんに選ばれるのも納得のクオリティだと思いました。(そういえばあのラッパ、不思議でしたね。夜が明けると大きな音が鳴らせるけど、みんなが眠っている夜は、ちっちゃな音しか出せないなんて。本物のサンタさんが泊まったという証拠ですよきっと。)
感想文の苦手な息子の読書ノートには「ほんとうにこんなホテルあったらいいなぁ」と小さく書かれていました。お泊まりするならどの部屋にしようか、オーロラも見たいねぇ、など、お喋りが止まらない息子を、思わずギュッて抱きしめてしまいました。一緒に読むと、子供がもっともっと可愛く思えてしまう魔法の絵本です。
(カオリンゴカモシレナイさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子2歳)
7月9日 あっついあっつい日に食べたいのは……?
読者レビューより
夏の暑い日にピッタリの、巨大なかき氷のお話しです。
カラスもキリンもゴリラも小さく見える巨大なかき氷に、気持ちが少し涼しくなったような気がします。
途中から気になり始めたのですが、この絵本はことば遊びの本でもあったのですね。
楽しく読み聞かせできそうです。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方)
7月10日 大きなすいかがわれたら、さあ、プールびらき!
水曜日は『すいかのプール』
「さっく さっく さっく」「しゃぽん」
今年も真夏のお日さまをしっかり浴びて、すっかり熟してます。大きなすいかがぱかっと割れたら、さあ、すいかのプールのプールびらきです!
一番乗りはおじいさん。タネをすぽっと抜いて、自分だけの小さなプール。すると子どもたちも後から後からやってきます。さっくさっく足音立てたり、飛び込んでみたり、みんなでぴちゃぴちゃすれば、すいかジュースがたまります。すいかの皮ですべり台を上手に作るのはおじいさん。すぅーっ、どぶん。
……なんて素敵、すいかのプール。
真っ赤に熟した大きなスイカを目の前にした時、水分をたっぷり含んだその表面を眺めながら、「ああ今すぐここに飛び込みたい 」。一度でも想像を膨らませてしまったことのある方へ。この絵本にはまさにそんな夢が詰まっているのです。想像通りの音をたて、想像通りの気持ちよさ。そうそう、これこれ!
子どもたちの楽しい空想の世界を、愛らしく、でもとても具体的にいきいき描くこの絵本は韓国から。すいかへの憧れは共通のようです。思いっきり遊んだ一日はあっというまに終わります。でも大丈夫。来年もまたきっと……ね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
夏の風物詩ともいえるすいか。
これをプールにしてしまおうって、すごい発想!
でも、すいかのプールなんて入ったことがないけれど、食べた時のあの食感から、ズブッズブッと足が埋まるような感覚、なんとなく分かるような気がします。
村のみんながこの不思議なプールに、市民プールのような感覚で普通に入ってるのがなんだか面白かったです。
(tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
7月11日 目の前にあるのは、どこまでも広がる静かで大きな海
木曜日は『うみべのいす』
白い浜辺にぽつんと椅子がひとつ。
目の前にあるのは、どこまでも広がっていく静かで大きな海。
ここに座ってみたら、何が見えるのだろう。
あれ、椅子にだれかの後姿が見えますよ。
「すわっているのは だれかしら。」
白いネコさんに見えます。
その視線の先の海には・・・美味しそうな魚が飛び跳ねていた!
今度は大きなクマさんの背中。
これまた大きなクジラさんと会話を交わしているのでしょうか。
「おおきいねえ。」「クマさんもな。」
その椅子には、いつでも、誰でも座ることができるようです。
男の子が座れば、その広い海のかなたにおばあちゃんへの想いを馳せ、母と娘はお父さんの乗った見えぬ船に想いをめぐらせます。
時には誰も座っていない時もあります。そんな時は、誰にも見られていない海があります。
海は時間の流れと共に、その景色や色を変えたり、変わらなかったり。
みんなの想いを包み込み、何かを返したり返さなかったり。
いつでもそこに佇んでいます。
それぞれの海の景色を眺め、自分でも絵本の中の椅子に座って海を眺め。
すると、自分の手のひらにチョウチョがとまりにきた!?
内田麟太郎さんの言葉とnakabanさんの絵。
ふと気がつくと長い時間が過ぎてしまうような、美しく抒情あふれる絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
はまべにおかれたいす。そのいすにすわる動物たちや人たちは、うしろすがたのみが描かれています。
それぞれの見る海の光景や思いはさまざま。よみながら、自分もそのいすにすわっているかのように、想像がひろがっていく、心地よさを感じました。
(あんじゅじゅさん 40代・その他の方)
7月12日 「ばっしゃーん!」今日のさんぽはお池の中…
金曜日は『ぞうくんのあめふりさんぽ』
人気絵本「ぞうくんのさんぽ」の続編が出ました!今日のぞうくんはあめふりの中をさんぽです。
かばくんをさんぽに誘うと「いけの中ならいいよ。」さて、ぞうくんはどうやって池の中をさんぽするのでしょう。
そしてわにくん、かめくんと次々やってきて・・・。前作を読んでいたら何となく想像はつきますね。それでもおかしいのがこのおはなし。
そして解っていても最後の場面で「ばっしゃーん!」大いに盛り上がってしまいます。
ほのぼの、ほんわかおっとりしたぞうくんと一緒にのんびり散歩している気分で進んでいくのが気持いい、そして最後の躍動感あふれる場面との対比が面白い。何回読んでも喜ばれる秘密がここにありそうですね。
読者レビューより
雨が降る季節には必ず登場する絵本です。
ちからもちのぞうくんも、水の中ではお散歩できません。やさしい仲間たちが背中に乗せてくれます。
小さなかめくんのやさしさもうれしいですよね。水しぶきのページがなんともさわやかで大好きです。
(Flappeさん 50代・せんせい)
7月13日 「わたしもおよぎにいきたいよう。だけど…」
土曜日は『トマトさん』
ある夏の昼下がり、真っ赤に熟れたトマトさん。
トマトの木からどたっと落ちたその姿。迫力です。
でも何だかとっても憂えた顔をしています。
それもそのはず、近くの小川にミニトマト達がぽっちゃんぽっちゃん気持ち良さそうに飛び込んでいく音が聞こえるのです。でも、しっかり熟れて図体の大きなトマトさんは動けない!
じりじりと地面から伝わる暑さが身に応えます。すると、畑の虫達があちらこちらから出てきてトマトさんの為に……。
じゃっぽーん、水の中に入った時のトマトさんの顔といったら!なんて気持良さそうなんでしょう。
やっぱり夏はトマトです。真っ赤に熟れたトマトを冷たい水で冷やしてがぶりっ。あーおいしそう。暑い日に限って息子がトマトをぱくぱく食べまくる気持がよくわかります。
それにしてもこのトマトさんのキャラクターはかなり独創的。何だかやけに色っぽい。こんなに気だるい感じの絵本の主人公なんてあまり見かけない……でもこれがぴったりはまってるんだなぁ。
もう表紙のトマトさんの顔を見かけてしまったら目を背けて通り過ぎる事はできないでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
娘が幼稚園生の頃に読んだ絵本です。夏になると、この「トマトさん」の表情を思い出してしまうほどインパクト大のイラストで、一度読んだらこの顔を忘れることはないでしょう(笑)。
水の中に入れず暑くなって泣いてしまうトマトさんを見て、優しいむしたち、とかげたちが力を合わせて助けてあげます。そしてとうとうトマトさんは水の中へ!その爽快感たっぷりの顔は本当に気持ちよさそうで、最後まで読み進めるとなぜか少し涼しくなっているように感じます。暑い夏に読みたくなる一冊です。
(ouchijikanさん 40代・ママ)
7月14日 「ゼリーの日」。ポコポコとゼリーのまちで遊ぼう!
日曜日は『ポコポコゼリー』
「きょうのポコポコは…… なにかをみつけたよ!」
謎のちいさな生きものポコポコが、仲良しのありさんといっしょに丘の上から何かを見つけました。
ポコポコとありさんが丘をくだっていくと……?
なんと森の中に、ひかりかがやくゼリーのまちがありました!
ゼリーのおうちに、ゼリーのテーブル、いす。
ゼリーのすべりだいをすべって、とびこんだらゼリーのプール。
ぶらんこもボルタリングの小山もぜーんぶゼリー!
ゼリーの公園でおおはしゃぎのポコポコ。
レストランにはおいしそうなゼリーがずらり。
レモンやいちご、ぶどう、みかんの果物が入ったゼリーや、バラのゼリーもありますよ。
ゼリーの家に、ゼリーのお城。
夜になったら、ぽわぽわ、ぽわんとあかりがついて……。
なんてきれいなゼリーの国。
ひんやりつるんと冷たくて、楽しそうで……。
透明感のあるカラフルな世界にうっとりしてしまいます。
断面図がたのしいポコポコえほんシリーズ1冊目『ちいさなちいさなすてきなおうち』の発刊から10年。
そこから生まれた、この「ポコポコおやつえほん」シリーズも、本書で5冊目です。
今まで出てきたおやつは、ドーナツ、アイスクリーム、ミックスジュース……とどれも人気のおやつばかり!
子どもたちは好きなページをたっぷりながめていたいでしょうね。
最後は「ごちそうさまでした!」で終わる、かわいいシリーズです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者レビューより
とっても可愛い、ちいさなちいさなポコポコのシリーズ。
このポコポコおやつシリーズは、サイズも小さくお話も短めで、小さな子にも読みやすくわかりやすいシリーズです。
なんと、いろんなものがゼリーで出来ている、ゼリーの町へやってきたポコポコ。
すべり台もブランコもプールもトランポリンも、みーんなカラフルなゼリーで出来ていて、見ているだけでも楽しい。
レストランでは、美味しそうなゼリーがたくさん!
さらには、ゼリーのお家やマンション、お城まで出てきます。
可愛くて、美味しそうで、想像するだけで、ワクワクしますね。
娘もお気に入りの絵本です。
(ピーホーさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子2歳)
いかがでしたか。
早くも夏の疲れが……と言ってしまいそうな今年の梅雨の暑さですが、涼しくなる絵本で心地良さを感じながら、ゆるゆると乗り切っていきたいですね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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