【今週の今日の一冊】こわいけど読みたい!? 小学生向け夏の怪談特集!
小学生からいつも絶大な人気をほこる「こわい話」。 こわいけど読みたい…。それは未知の世界への好奇心なのでしょうか。それともぞくぞくすることの面白さからなのでしょうか。今週は、こわい話を求めている小学生に向けて、とっておきの「怪談本(こわい話)」をお届けします。こわさレベル5段階で分けるとしたら、レベル3から5ぐらいの作品を集めてみたので、中にはとびきりこわいお話も……! 読み終わった後は、夜ひとりでトイレやお風呂に入れなくなっちゃうかもしれません。しっかり心の準備をしてから、ページをめくってくださいね。
2024年8月19日から8月25日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
8月19日 全国の小学生が教えてくれる不思議な話やこわい話
月曜日は『全国小学生おばけ手帖 とぼけた幽霊編』
ホラー作家の田辺青蛙が、自身が開催する子ども怪談会で聞き集めた不思議な話やこわい話、全33話をまとめた、小学生実話怪談集。マンガ家の岩田ユキがイラストを添えてコミカルに仕立て直し、臨場感たっぷりで、読書が苦手な子でも楽しくどんどん読めるページ構成になっています。子どもたちの生活をひそかに盛り上げている、素朴で突拍子もない想像力・発想力の賜物ともいえるさまざまな幽霊たち。本物の幽霊はやっぱりこわい! けど、けっこうマヌケ! きみのとなりにはどんな幽霊がいるかな?
8月20日 「キョーフ」は24時間あなたのそばにある…
読者レビューより
怖いお話の時の軽部さんの絵は、怖さの他に懐かしさがあるせいか、お話を身近に感じてしまいゾクゾク。
5人の作家さん、廣嶋玲子、いとうみく、令丈ヒロ子、おおぎやなぎちか、三田誠広の作品が載っています。
どのお話も読みやすくて、怖いお話が好きな方にはお勧めです。
ちょっと反抗期かな、というぐらいなのに大変なことになってしまう「真夜中のカップラーメン」ゾーっとしました。
(みいのさん 60代・その他の方 )
「24時間のキョーフ」シリーズ、こちらも合わせて
8月21日 呼び寄せてしまった鬼から、はたして逃げられる?
水曜日は『鬼遊び 鬼よぶわらべ歌』
鬼の花をつんではいけないよ。つんだら鬼が来て、子どもをつれていってしまうから…。鬼をよびよせてしまった子どもたちに訪れる「静かな恐怖」を描く、連作短編集。不思議なわらべ歌があなたを鬼の遊びに誘います。
読者の声より
わらべ歌と鬼の取り合わせ。この温度差が怖い。怖いけど、おもしろい!廣嶋さんの本は初めて読みましたが、私と息子もタイトルは知ってる人気の本の著者とのことで、ぜひ別のシリーズも読みたくなりました。
こちらは短編集なので様々なお話があります。
救われる子、取り込まれてしまう子、逃げおうせる子。どの話も命がけの鬼ごっこ。児童書にしては容赦がない。そこがまた緊張感があって良いですが。
子供にも一話読み聞かせてみたところ気に入って夢中になって読んでいました。
私のお気に入りは、おままごと。息子のお気に入りは、潮干狩り。
(lunaさん 30代・ママ 男の子10歳)
「鬼遊び」シリーズ、こちらも合わせて
8月22日 怖がりのぼくが見た、怖くて不思議な4つのお話
8月23日 団地にまつわるちょっと怖いうわさ話とは?
金曜日は『さよなら、おばけ団地』
結衣たちの住む桜が谷(さくらがや)団地はとても古い団地で、みんなに「おばけ団地」とよばれています。この団地には、ちょっと怖いうわさ話がありました。子どもたちのゆうれいだという「おくりっこ」、子どもを給水塔から突き落とす「黒マントの男」、屋上にむかってのびる「白い手」、まぼろしの「4号棟」・・・・・・ でもほんとうは、おばけやゆうれいより、もっとふしぎなことがおきていたのです・・・・・・
読者レビューより
ぜひたくさんのお子さんたちに手にしていただきたい良質の児童書です。
日本のファンタジー童話の草分け的作家さんとして、
わたしは安房直子さん、あまんきみこさん、末吉暁子さん、神宮輝夫さん、佐藤さとるさんなどを上げたいと思っているのですが、
この「さよなら、おばけ団地」の文体や舞台設定からは、これら作家さんたちの創り上げてきた、日本のファンタジー(童話)世界ととてもよく似たものを感じました。
それでいて各章は、「おくりっこ」「黒マントの男」「白い手」「十三号住宅」「4号棟への手紙」など、都市伝説を思わせるようなタイトルになっています。
古き良き日本の童話のようでいて新しい、不思議な世界観がなんともいえず素敵です。
また、字は小さすぎず、行間も程よい開きがあって読みやすいです。
「おばけ団地」こと「桜が谷団地」内で起きる不思議な事件。
各章で主人公(語り手)は変わりますが、基本この桜が谷団地に住んでいる人または住んでいた人と、かかわりのある人たちによる証言が描かれているので、どんどんお話に引き込まれていきました。
怖いはなしが好きな人、不思議な話が好きな人、どちらにもお薦めです。
小学校4年生くらいからいかがでしょうか?(登場人物のメインの子たちが小4なので)
特に「黒マントの男」が私は好きです。
時代を超えて語ってくれる部分もよいし、最後のオチの部分もやられた!って感じによかったです。
(てんぐざるさん 50代・ママ 女の子22歳、女の子18歳)
8月24日 願いをかなえる「猿の手」が起こす悲劇とは!?
土曜日は『ホラー・クリッパー(3) 猿の手』
1902年に発表され大人気を博し、現代に至るまで世界中で映像化や舞台化され読み継がれているホラーの傑作短編「猿の手」(ジェイコブズ)と、隠れたファンタジー・ホラーの名作短編「不思議な下宿人」(カットナー)と「魔法の店」(ウェルズ)の3編を収録。
ファンタジーの名手、富安陽子氏の生き生きとした語り口と、アンマサコ氏のイメージ豊かな幻想的な絵が、わくわくするホラー・ファンタジーの世界に誘います。
誰の心にもあるちょっとした欲望や好奇心が招いた恐ろしくて不思議な物語が、時代をこえて鮮やかに蘇ります!
★シリーズ紹介
第一線で活躍する児童文学作家が再話し、ホラーの名作に新たな命を吹き込む「ホラー・クリッパー」シリーズは、読書好きの子どもたちはもちろん、苦手な子も夢中になるラインナップです。
くっきりしたストーリー展開で、想像力を刺激するイメージ豊かな作品を厳選し、時代をこえた本物の怖さとおもしろさを届けます。
5年生以上の漢字に総ルビ、わかりやすい脚注、巻末に作者解説が入ります。
「ホラー・クリッパー」シリーズ、こちらも合わせて
8月25日 引っ越したお屋敷にはなんだか悪い予感が…
読者レビューより
私は、子供の頃から幽霊、お化け、妖怪が出てくる本が大好きでした。今でも好きでよく娘と読んでいます。この本も、背中がゾクゾクするような幽霊が出てくるのでは、と思い読んでみたら、始めは主人公の季子ちゃんと一緒になって謎解きにワクワクしていましたが、最後の方で涙が出てしまいました。江田さんもトムくんも、そしてポウおばさんもずーっと辛い思いをしてきたんですね。お互いの誤解がとけ、ポウおばさんはみんなに感謝のきもちを伝え、行くべきところに行きました。
心がほっこりした幽霊本でした。
(ずくぼんじょさん 40代・ママ 女の子9歳、男の子2歳)
いかがでしたか。
他にも、おばけ・ようかい・ゆうれいが出てくる「怪談(こわい話)」がいっぱいあります。対象年齢が上がるにつれ、こわさレベルもアップします。下記のテーマでたくさんの「怪談(こわい話)」をまとめていますので、気になる本を探してみてくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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