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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】お月さまの絵本、今年の十五夜に向けて読みたいのは?

9月が始まりました。9月の行事といえば、まず「十五夜」のお月見がありますね。2024年の「十五夜」は9月17日とまだ少し先ですが、絵本ナビでは8月半ばぐらいから「お月さまの絵本」テーマへのアクセスがぐんと増えてきています。
そこで今週は、少し早めに「お月さまの絵本」をご紹介します。2023年と2024年の新刊を中心に…そして今週はあの人気絵本のボードブック版も発売になりますので、「お月さまの絵本」が大きく盛り上がりそうです。

少しずつ夏の暑さや忙しさから解放されていきそうな9月、「お月さまの絵本」を眺めたり、空を見上げながら、リラックスする時間が持てますように。

2024年9月2日から9月8日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

9月2日 おつきさまが かくれんぼ もういいかい まあだだよ

月曜日は『おつきさまのえほん』(2024年9月刊)

おつきさまのえほん

【今日はどんなお月さま?】  
【日本語・英語が併記されたバイリンガル絵本】

おつきさまが かくれんぼ
もういいかい まあだだよ

知っているようで知らない、月のかたちのうつり変わり。
この絵本といっしょに、空を見上げて答え合わせをしてみましょう。

表情豊かなお月さまといっしょに描かれる、うさぎたちのストーリーも見逃せません。仲間たちと乗る汽車で空を駆け、船で海をこえて、十五夜を音楽でお祝いをするうさぎたち。それを優しく見守り続けるお月さま。

作者のふわはねさんによるリズミカルな文と、カワチ・レンさんの遊び心が散りばめられた絵は、読み聞かせにもぴったりです。

9月3日 いつでも月はみんなを照らしている。

火曜日は『つきはかがやく』

つきはかがやく

銀色にほっそりとかがやく月。夜の森や、砂漠に風が通りぬけるときや、震えるような寒さの雪の中で……いつでも月はみんなを照らしている。森のシカやフクロウも、砂漠のヘビやサソリも。渡り鳥や、ジャングルの鮮やかな色のオウムたちも……。

ドイツの人気絵本作家、ブリッタ・テッケントラップのしかけ絵本。文章は『いえがあるっていいね』(ひさかたチャイルド)などでタッグを組むパトリシア・ヘガティ。地球上のさまざまな場所に暮らす生き物たちと、夜空の月とを、優しく包み込むように描きあげた詩的な作品です。

型抜きしかけで、ページをめくるたびに少しずつ月の姿が変わります。キラキラとした銀色でラメ加工された月は、思わず触ってみたくなります。ざらっとした感触がまた印象深いです。

個人的に心に残ったのは、カメが産卵する満月の夜と、高い山の上に月の光で虹がかかる場面。「よぞらって いろんなことが おこるんだ」という木坂涼さんの訳が胸に染みます。
月の満ち欠けとともに、たくさんの生き物、さまざまな夜の場面が登場する絵本。一日の終わりに静かに味わい、広い世界に思いを馳せるのにぴったりの絵本です。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=218609

読者レビューより

月の満ち欠けを静かに追い続ける絵本です。
地上の少し気だるい風景の上で、月が静かに輝くしかけ絵本です。
夜の間に様々な動物たちの営みがあります。
ストーリーはないけれど、次第に自分が癒されていきます。
静かに眠れそうな、夜の絵本です。
(ヒラPさん 70代以上 その他の方)

9月4日 「おつきみドリンク」を飲んだら冒険のはじまり

水曜日は『チリとチリリ よるのおはなし』

チリとチリリ よるのおはなし

チリチリリ、チリチリリ。おはやしの音に誘われて、自転車に乗ったチリとチリリがたどり着いたのは森の入り口。あたりはすっかり真っ暗です。

「おいでよ」

そこにあったのは、くろねこのドリンクスタンド。見たことのない材料を混ぜ合わせ、ふたりのために作ってくれたのは「おつきみドリンク」。美味しくて何杯もおかわりをしているうちにふたりの姿に変化がおきて……!?

さあ、ここからが楽しい夜の世界のはじまりです。くろねこたちに案内されて森の奥に進むと、屋台がずらり。おめんやヨーヨー、かたぬきどうぶつビスケット。ふたりが楽しんでいると、おはやし隊がどこかに向かって歩いていきます。

チリとチリリが自転車に乗って、様々な冒険や体験をする「チリとチリリ」シリーズの8作目。どのお話でも、うっとりするような景色に魅了されてしまうのですが、今度の舞台は「月夜の森」。最初から最後までずっと暗闇の世界。だけど、なんだかドキドキ不思議な気持ちになってくるのは、満月の夜だからでしょうか。いつもとちょっぴり違うふたりの冒険、その表現の違いも含めて楽しんでくださいね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者レビューより

わが子が小さな時に出会って以来、子どもは勿論ですが、親の私がすっかりとどいかやさんの素敵な世界に魅了されて、新刊が出るたびに1冊、1冊買い足しています。

どのページも繊細でそしてファンタジックに描かれていて、絵画を見ているかのよう・・
優しい色鉛筆のタッチに心も癒されます。

今回は夜のお話。
暗い夜なのだけれど、何故か不思議で、ミステリアスで・・
ワクワクします。
お月さまがのったスイーツも素敵。
お月見のシーズンにもぴったりです。

屋台のお店も1つ1つ、細かく見て楽しめます。

どいかやさんの描く絵本の世界は、本当に素晴らしいです!
(Pocketさん 40代・ママ 大阪府 女の子19歳、男の子15歳)

9月5日 今夜のでんわはだれにつながるでしょう…

木曜日は『おつきさまのでんわ』(2024年3月刊)

おつきさまのでんわ

ひとりでごはんを食べるりすくん、泣きたい気持ちをおさえこむねこさん、今夜はだれにつながるでしょう…。かなしい心、さびしい心に、そっとつながる電話です。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=251010

9月6日 えらいこっちゃ、お月さん、とけてはるがな。

金曜日は『お月さんのシャーベット』

お月さんのシャーベット

「それは それは ねぐるしい
 なつの ばんやった。
 あつくて あつくて ねるどころか
 どうしようもあらへん。」

冒頭からすぐにその熱気が感じられます。そして、ぼんやりと浮かぶ月と、集合住宅の様子。表紙の絵からも、ペク・ヒナさんの独特の世界観が伝わってきます。

「ぽた……ぽた…ぽた
 なんのおとやろ?  お月さん とけてはるがな」

「えらいこっちゃ」しっかり者のおばあちゃんが、お月さんのしずくをたらいで受け取って、どうしたと思いますか? なんと、シャーベットの型に流し込み、冷凍庫に入れて凍らせるのです。ところが、エアコンや扇風機、冷蔵庫フル稼働の集合住宅が停電すると、おばあちゃんの部屋だけシャーベットの光がともっているではありませんか! それはとっても映像的でドラマティック。そして、集まってきた住民に、おばあちゃんがふるまった、シャーベットのお味は? 想像してみてくださいね。

さて、もう一つの難題「消えたお月さんをどうするか」。これもまた、不思議で、ロマンティックで、それでいて妙に納得の解決策ですのでお楽しみに。今夜のお月さんを見る目が変わるかもしれませんね。

『天女銭湯』『あめだま』などの作品で注目を集め、2020年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞されたペク・ヒナさん。インパクトのある粘土人形とアングルで独特な世界が印象的でしたが、今作は少し趣が違います。ペク・ヒナさん初期の作品で、紙で作った人形とミニチュア模型が織りなす世界です。長谷川義史さんの軽快で愉快な大阪弁も、世界観を盛り立てくれます。
このシチュエーションと表現方法だからこそ味わえるリアリティ。視覚、聴覚、味覚、体感フル稼働で楽しんでください。住民たちの個性豊かな部屋もサブストーリーとして見逃せませんよ。

(中村康子  子どもの本コーディネーター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=165911
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=165911

読者レビューより

それはそれは寝苦しい夏の晩のことです。
ある建物の住民たちはエアコンや扇風機をガンガンつけて、なんとか眠りにつこうとしていました。
そんなとき、外では、ぽた・・・・・ぽた・・ぽた。
お月さんが、溶けていっていました。
ここまで読んで、私はびっくりしました。
お月さんが、溶けている?
そんなこと、考えたこともありません。
さらに面白いのは、その溶けたお月さんをシャーベットにしようという発想です。
お月さんを、シャーベットに?
そんなこと、考えたこともありません。
なんておもしろい発想でしょう!!
この絵本のことが、大大大大大好きになりました。
(めむたんさん 40代・ママ 男の子19歳)

9月7日 200万部超の大ベストセラーがボードブックで登場!

土曜日は『ボードブック おつきさまこんばんは』(2024年9月刊)

ボードブック おつきさまこんばんは

読者のみなさまの声にお応えして『おつきさまこんばんは』がボードブックになりました。特長①厚紙でやぶれにくく、手を切りにくい。②本のカドを丸めた、より安全なつくり。③手のひらサイズでおでかけにもぴったり。④もちろん小さくなっても内容はそのままです。林明子さんの美しい絵とシンプルなストーリーが子どもたちをひきつける赤ちゃん絵本。200万部超の大ベストセラー。

長く読み継がれている通常版はこちら

おつきさまこんばんは

濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。
屋根の上に1匹、下に1匹のねこのシルエット。
「よるになったよ ほら おそらが くらい くらい」
「おや やねのうえが あかるくなった」
「おつきさまだ」
だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。
もう1匹のねこも屋根にかけあがり、2匹の影はおつきさまを見あげます。
「おつきさま こんばんは」

目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。
小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。
読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。
雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。
雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。
子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。

今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。
「こんばんは」「こんばんは」って互いにごあいさつする幸せ。
1986年発売以来、たくさんの子どもたちに支持されてきた本。
林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。
裏表紙もかわいいですよ。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

マグカップも販売中! 今年のお月見にいかが?

【絵本ナビ限定】ロングセラー絵本マグカップ おつきさまこんばんは

大好きな絵本がマグカップになるという、夢のような企画から生まれたのがこちら。
多くの方に長く愛され続けている林明子さんの絵本『おつきさまこんばんは』のマグカップです!

見た目はホーローのようなテイストですが、美濃焼で作られたずっしりと頼もしいマグカップです。
マグカップの中の色は、お月さまをイメージした黄色を選びました。品質もデザインも良いものに仕上がりました。

たっぷり飲み物が入るのもおすすめのポイント。お家でゆったり過ごしたり、オフィスでのリフレッシュタイムのお供にしたり、様々なところで使ってくださいね。

マグカップに描かれているのは、表紙と同じお月さま。おはなしが始まる前の優しい雰囲気を、そのままマグカップでも味わうことができます。

カップの裏は、裏表紙で「べー」をしているおちゃめなお月さま。ついつい真似したくなるかわいいお顔です。

表情豊かなお月さまを楽しんでくださいね。

大好きな絵本がマグカップになるという、夢のような企画から生まれたのがこちら。
多くの方に長く愛され続けている林明子さんの絵本『おつきさまこんばんは』のマグカップです!

見た目はホーローのようなテイストですが、美濃焼で作られたずっしりと頼もしいマグカップです。
マグカップの中の色は、お月さまをイメージした黄色を選びました。品質もデザインも良いものに仕上がりました。

たっぷり飲み物が入るのもおすすめのポイント。お家でゆったり過ごしたり、オフィスでのリフレッシュタイムのお供にしたり、様々なところで使ってくださいね。

マグカップに描かれているのは、表紙と同じお月さま。おはなしが始まる前の優しい雰囲気を、そのままマグカップでも味わうことができます。

カップの裏は、裏表紙で「べー」をしているおちゃめなお月さま。ついつい真似したくなるかわいいお顔です。

表情豊かなお月さまを楽しんでくださいね。

9月8日 おつきさまを心配してりんごを置くと…

日曜日は『おつきさまのりんご』(2024年8月刊)

おつきさまのりんご

昼間寝て、夜に活動するふくろうのフーフーは、いつもひとりぼっち。お月さまだけが話し相手でした。そして、お月さまが青白くやせてくると、心配して塔のてっぺんにりんごを置きます。そのりんごは……

どんな時も、どんな場所にも等しく、空の上で私たちを優しく見守っているお月さま。新学期が始まって頑張っている子どもたちにも、ゆっくり読んであげてくださいね。

お月さま、十五夜に関する絵本紹介、こちらの記事もおすすめ

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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