【今週の今日の1冊】素敵な「月の絵本」がぞくぞく発売! 今年の十五夜はどれを読む?
9月13日~9月19日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
2021年の十五夜は9月21日(火)。十五夜が近づくと読みたくなるのが「お月さまの絵本」。澄んだ秋空にぽっかり浮かぶ実際のお月さまも美しいですが、絵本の中のお月さまもとってもきれい。十五夜に向けて、子どもたちに由来やお月見のやり方を伝える絵本を読んであげるのもいいですし、大人は静かな夜にしっとりと秋の風物詩を楽しんでみるというのはいかがでしょうか。今年はとくに「月の絵本」の豊作年! 6月から9月まで新刊がたくさん発売され、どれから読もうか迷ってしまうほど素敵な絵本が揃いました。今週は「月の絵本」の新刊をどどーんとご紹介します!
9月13日 とろとろ、とろーり。月がたれてきた…!?
月曜日は『おつきさまのパンケーキ』(2021年8月発売)
みどころ
夜空にぽっかり浮かんだ、まんまるおつきさま。
「おいしそう。たべたいなあ」
あらあら、たぬきさんったら食いしんぼう。
すると……とろ、とろとろ。
「わあ」
なんと、おつきさまがとろとろ溶けだしてきた!
これは大変。慌てて用意したのは、フライパン。
バターも入れてね。とろけたお月さまで焼きあがったのは?
表紙に登場するのは、お月さま? それともパンケーキ?
黄金色に輝くお月さまもパンケーキも、とにかくとにかく美味しそう。
絵本の最初から最後まで、ずっと目が釘付けに。
ああ、早く満月の日にならないかな。
真珠まりこさんがお届けする、不思議なたべもの絵本。これは食いしんぼうさん達の秋の定番になりそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
9月14日 十五夜について教えてくれるセブンシリーズの新作!
9月15日 あんまり暑くて、お月さんがとけてはるがな…...
水曜日は『お月さんのシャーベット』(2021年6月発売)
みどころ
「それは それは ねぐるしい
なつの ばんやった。
あつくて あつくて ねるどころか
どうしようもあらへん。」
冒頭からすぐにその熱気が感じられます。そして、ぼんやりと浮かぶ月と、集合住宅の様子。表紙の絵からも、ペク・ヒナさんの独特の世界観が伝わってきます。
「ぽた……ぽた…ぽた
なんのおとやろ? お月さん とけてはるがな」
「えらいこっちゃ」しっかり者のおばあちゃんが、お月さんのしずくをたらいで受け取って、どうしたと思いますか?
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読者の声より
期待通り!!
ペクさんの最新刊としり
すぐにチェック
今度は、粘土ではないようですよ
でも、この発想はないな・・・
独特な世界観かと
みんなに分けてあげたり
困ったうさぎさんのためにー
という優しさがいいなぁ~
まさか「月見草」!!
なるほどねぇ~
長谷川さんの訳も
相変わらず秀逸です
(しいら☆さん 50代・その他の方)
9月16日 おつきさまは ひるま どこに いるんだろう?
木曜日は『おつきさまはどこいった?』(2021年7月発売)
みどころ
青いズボンのチュッチュと、赤いズボンのチョピー。
2ひきの仲良しねずみの冒険を描いたシリーズ第2弾です。
夜、屋根の上を楽しく2ひきが散歩していると、お月さまがどこまでもついてきます。
まあるい、すてきなお月さま。
ねずみたちはお月さまが大好きです。
翌日、「ねえ チュッチュ。お月さまは ひるま どこに いるんだろう?」「どこだろうね チョピー。いっしょに さがしてみようか?」と話し合った2ひき。
いいお天気の野原を、お月さま探しに出発しました。
木の上にちょこんと見えるものや、家の中の黄色くて丸いもの。
「あれ、お月さまじゃない?」
2ひきは、そう思うたびに近づいてみますが、いつもちょっと違います。
おまけに怖い目にも遭いそうになって……!?
昼間のお月さま探しのページでは、所々に大きさの違う丸い穴あきしかけがあります。
次に何が出てくるのか、わくわくしながらページをめくる楽しさを味わえますよ。
読み聞かせにもおすすめです。
作者は「好きなもの」を絵本にすることが多いという新井洋行さん。
優しい月夜が大好きで、とくに満月の夜はウキウキするのだそうです。
小林ゆき子さんが描くかわいい2ひきの情景から、そんなウキウキが伝わってくる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
9月17日 富安陽子×吉田尚令による幻想的で美しい月の世界
9月18日 お月さまがみんなにおやすみを言いに行くよ。
9月19日 月の満ち欠けというテーマが込められた愛らしいお話
日曜日は『つきのばんにん』(2021年9月発売)
出版社からの内容紹介
月とシロクマが織りなすベッドタイムの物語
「つきのばんにん」とは、お月さまを見守る大切なお仕事のこと。
新しい「つきのばんにん」に選ばれたシロクマのエミールは、森の生き物たちにとってなくてはならない月の光を守るため、毎晩かかさず月のお世話をしていました。
ところがある日、エミールはおかしなことに気がつきます。
なんとお月さまが、どんどん、細く、うすくなっていくのです!
あの手この手でまん丸に戻そうとするエミールですが、月はどんどん細く、まるで糸のようになっていきます。
はたして、お月さまは元どおりのまんまるに戻るのでしょうか。
【編集担当からのおすすめ情報】
月の満ち欠けという興味深いテーマを、静かで美しい物語とともに楽しめる、ベッドタイムにも最適な作品です。なんといっても、シロクマのエミールの表情がとても愛らしい! 読んでいるうちに、つい応援したくなってしまいます。
翻訳を手がけたのは、動物にまつわる数々の作品を生み出してきた絵本作家・あべ弘士さん。あたたかく心地いい言葉が、作品の雰囲気にぴったり寄り添います。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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