【今週の今日の一冊】2024年から2025年へ。絵本とともにあじわう、年越しとお正月行事
いよいよ今週は2024年が終わり、2025年がやってきます。日本ではさまざまな年越しやお正月にまつわる準備や過ごし方があり、豊かな文化がありますね。一年のうちでも特別な年末年始の時間。絵本で昔ながらのお正月風景を懐かしんだり、あらためてお正月の風習を知って子どもたちに伝えたり……。こたつの中で絵本を読み合うのもいいですね。年越しとお正月行事を絵本とともに過ごしてみませんか。
12月30日~1月5日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
12月30日 日本のお正月準備、いくつ知ってる?
月曜日は『もうすぐおしょうがつ』
冬休み、おじいさん、おばあさんの家でお正月を迎える、ある家族のおはなしです。
久しぶりに訪れた、おじいさん、おばあさんの家で、家族はお正月を迎える準備を手伝います。まずは、ガラス磨きに、障子張り、大掃除と大忙しです。翌日はおじさん、おばさん、いとこもやってきて、みんなでお餅つきをします。つきたてのお餅のおいしいこと! 大晦日は、朝から市場へ買い出しにでかけます。お正月料理の材料や、お正月ならではのおもちゃも売っていて、市場は大賑わいです。家に帰ってからも、お餅をお供えしたり、しめかざりを飾ったり・・・・・・。終い湯に入ってからは、年越しそばを食べて、お寺におまいりに出かけます。
お正月を迎える前の、日本ならではの年末のせわしない様子、こまごまとした準備の様子、新しい年を心待ちにしている家族の様子が楽しく描かれた絵本です。絵本に書いてある文章以外のドラマもいっぱい。絵の隅々までじっくり見て、楽しんでもらいたい一冊です。
読者レビューより
親も子供も大好きな西村 繁男さんの作品。
動物が主人公なのに、人間の暮らしが違和感なく描かれています。
しかも、親の世代ですら体験してきていない昔の日本。
ふくわらいって福笑ってかくのかぁ・・・親も勉強になります。
おせちりょうりってなに?とか、ふくわらいってなに?とか、質問がどんどん湧いてきます。
これといったハプニングもなく、淡々と描かれているのに、息子は夢中。
何度も「これ読んで」と言って持ってきます。
しめかざりがスーパーにあった、とか、保育園で餅つきをした、とか、
実生活とのつながりを楽しんでくれるので、本当に良い本に出会ったなぁ、と思います。
本が生活を豊かにしてくれてることを実感できるすばらしい本だと思います。
(ナオミDA45さん 30代・ママ 男の子5歳、女の子0歳)
12月31日 大晦日の夜、はじめてお父さんと除夜の鐘を撞きに…
読者レビューより
何よりもモノクロで、木版画の絵がストレートに心に突き刺さってきました。
父親に連れていってもらう初めての除夜の鐘。
カラーで描かれるのと違って、年越しの夜がこれ以上の表現がないくらいに、細部に渡って表現されていると思います。
カバーの絵から圧倒されて、ページを開いたら男の子の緊張感と興奮が伝わってきました。
調度年越しを迎えるタイミングで、良い本に巡り会えました。
良い年を迎えられそうです。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
1月1日 ことしも いちねん よいとしに なりますように
1月2日 新年の初笑いにおすすめの落語絵本!
読者レビューより
もうすぐお正月なので、お正月気分が盛り上がる絵本が読みたいと思い探していました。
だんなに怒られてばかりなのに、まったく構わずに笑いを振りまくさだきち。明るい雰囲気に気分が上がります。縁起を担ぐという日本文化っていいなと思いました。
国松エリカさんのイラストも素敵。門松、獅子舞、たこ上げ、羽つき。今はあまりみられなくなった日本のお正月が楽しめてよかったです。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子17歳、女の子14歳、男の子12歳)
1月3日 十二支の順番がよく分かる楽しい由来ばなし
金曜日は『てのひらむかしばなし 十二支のはじまり』
「元旦の朝、神様の家の前にきたものに1年ずつ年をやる」ときいて、動物たちは大はりきり。
うしの背にのって一番乗りをしたねずみや、道中けんかばかりの犬とさるなど、個性あふれる動物たちを描きます。
読者レビューより
十二支がなぜ今の十二支になったのかのお話。
神様が動物たちを集めて神さまのおやしきに来た順に十二支としたというバージョンのお話です。
ねこがねずみにだまされて十二支から外れ、ねこはねずみを追いかけるようになったというお話がよくピックアップされていますが、この本はそれ以外の動物たちにもスポットが当たっていて良かったです。
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
1月4日 もう焼けたかな? まあだまだ、もう少し…。
読者レビューより
保育園で餅つき大会を終えた3歳の息子に読みました。
網の上におもちをのせたお餅がどんどん膨らみ、磯辺焼きやあんこもち、きなこもちなどになります。
どれも本当に美味しそうで寝る前に読むとお腹がすきます(笑)
息子も手で取るフリをし、「あーん、おいしっ!」と全部のお餅を食べていました^^
「おしまい」と閉じた後に気が付きましたが、裏表紙におしるこ・・・はぁ~美味しそうです。。
あたたかい絵のタッチもステキで来年の冬も読みたいな、と思っています。
(まな20さんさん 20代・ママ 男の子3歳)
1月5日 日本の伝統行事と季節の楽しみを丁寧に紹介する一冊
日曜日は『「和」の行事えほん2 秋と冬の巻』
正月から七五三、お彼岸など、日本の伝統行事について季節を通して丁寧に紹介してくれる絵本です。
こちらは「秋と冬の巻」。9月から2月までを順番に追っていきます。
例えば1月はお正月。お正月・元旦などの言葉の意味から始まって、家族で過ごす元旦の様子が描かれています。
正月飾り、鏡餅、そして豪華なお節料理!行事を盛り立ててくれるお祝いの小道具たちについては、
それはそれは細かく美しい絵で説明してくれるのです。特にお料理の絵には思わずつばを飲みこんでしまうほど。
初詣やかるた、羽子板などの新年を迎える楽しみ方や、書き初めや七福神の説明があり、
七草粥や鏡開きまで続きます。1月の気象や旬の草花や食べ物もちゃんと載っていますよ。
ひと月ごとにカレンダーのページがあるのもポイント。子どもたちにもわかりやすくていいですよね。
「行事の由来やお祝いの方法について詳しくはないけれど、子どもの頃には家族でお祝いした記憶は
残っているな・・・。」
そういう方は多いのではないでしょうか。この絵本を読んでいて、ちょっと懐かしいような気持ちになれるのは、
難しい説明ばかりではなく、そんな家族で過ごす楽しそうな時間やすぐに真似が出来そうなさりげないお祝い方法が
読んでいる人の思い出と重なってくるからかもしれませんね。
これから迎える行事についてちょっと調べたいな、という時に。
親子で季節のお話をしたいな、という時に。
そして、ちょっと懐かしく美しい絵本として楽しみたい時にも。
そばに置いておけば、年中大活躍してくれること間違いなし!
「春と夏の巻」と合わせて、幅広い年齢層におすすめしたくなる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者レビューより
おせちや、門松をつけたり、鏡餅を飾ることの意味について
子供たちにも知ってほしくて購入しました。
この本では、お正月のことのほかにも秋から冬の行事について
色々な行事についての情報が盛りだくさんです!
三が日に食べていたおせち料理にも、それぞれ意味があるのですね。
数の子や黒豆は知っていましたが だて巻きは、巻物→知識を意味するなんて知りませんでした。
今日は初詣に行きましたが、その時にも小1の息子は「破魔矢は悪をやぶるんだよ」といってました。
子供だけでなく私もとても勉強になりました。
細かいことまで書いてあるのに絵がかわいく、小難しくなくていいです。
昔の風習を知らない若い親世代(私も含む?)にもいいと思います。
(きゃべつさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子7歳)
合わせておすすめ。
いかがでしたか。
「今週の今日の一冊」の連載も、今回が2024年最後の記事となりました。読んでくださる皆さんが今気になる絵本のテーマはなんだろう? 記念日など楽しい発見につながるテーマや絵本は? など毎週楽しく頭を悩ませながら、記念日や季節の行事、その時々の時勢などを元に、1週間7冊分の絵本や物語をご紹介してきました。楽しんでいただけましたでしょうか。
また絵本を取り上げる時にいつも心強い存在なのが、皆さんからのレビューです。記事で取り上げさせていただいた多くのレビュアーさんの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
来年もまた、さまざまなテーマで、絵本や物語をご紹介していきたいと思います。
2025年もどうぞよろしくお願い致します。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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