【今週の今日の一冊】とろけるしあわせ。甘くて冷たい「ソフトクリーム絵本」で暑さを吹き飛ばそう！

パンダのきょうだい、とんとんくんとらんらんちゃんはソフトクリームやさんです。ある日、くまくんと一緒にはちみつを取りに行きますが、はちの巣は木の高いところにあり届きません。そこで、木の下に運んだ丸太の上に、お店につないだ長いホースからクリームをぐるぐると出していきます。とんとんくんが大きなソフトクリームの山をかけのぼって、はちみつをかけていきますが……。満足感たっぷりの、ユーモラスな絵本です。

ソフトクリームの紳士ミスター・ソフティークリーミーは、自慢のステッキを片手にてくてく街を歩くのが日課です。

けれど、夏は暑いのです。日陰の中を歩くのです。なにしろ日にあたると溶けちゃいますからね、気を抜いてはいけません。さらに街のいたるところにいる妖怪“ヒトクチチョーダイヨン”にも注意が必要です。

「とけちゃうまえに ヒトクチチョーダイヨオオン!」

いや、今はまだその時ではないのだ！ ミスター・ソフティークリーミーはきっぱりと断り……。

おひげをはやした立派な紳士ミスター・ソフティークリーミー。彼が外を堂々と歩けば歩くほど、見ている方はハラハラしてしまう。だって街には危険が多すぎるし、絶対に日陰があるとは限らない。変な妖怪だっているし、とにかく暑すぎる。なのに何て涼しい顔をしているのでしょう。気がつけば、もう誰もがミスター・ソフティークリーミーの運命から目が離せなくなっているのです。

マンガやアニメーションの世界でも活躍する注目の絵本作家くりはらたかしさんが贈る脱力系アドベンチャー絵本。装丁も含めて、すみからすみまで「ソフトクリーム感」満載のクセになる一冊です。

（磯崎園子  絵本ナビ編集長）

みんなでソフトクリーム王子を守れ！ 無人店舗の冷凍庫でアイスクリームたちが大奮闘！

個性豊かなアイスクリームたちがひしめく、無人店舗の冷凍庫。ある日、お客さんに人気のソフトクリーム王子が通路に落ちてしまいます。 だんだんと溶けそうになるソフトクリーム王子を守るために、ふだんはケンカばかりしているアイスクリームたちが協力しあいますが……。冷たい冷蔵庫の中で巻き起こる温かいおはなしが韓国で大人気！累計20万部突破のシリーズ、邦訳第2弾！

やだやだおばけのやだもんは、やだやだ言う子どもがだーいすき。ぴたんとくっついてべろべろーん！ みんなを「やだやだおばけ」に変えてしまいます。

「やだやだ だだっこ いないかな?」

今日もやだやだおばけに変身したにゃーごと一緒に、だだっこを探しに出かけます。するとそこに、ソフトクリームを食べたい！とだだをこねる男の子を発見！

「やだやだ かずくん みーつけた！」

さっそくかずくんにくっついてべろべろーん！ やだやだおばけにしてしまいます。

かずくんがおばけの仲間になったお祝いに、大好きなソフトクリームを食べにいくことにした3人。でも、ソフトクリーム屋さんはおうちが忙しくて、まだソフトクリームができていません。どうやら5つ子ちゃんのお世話でてんてこまいのようです。それならばと、やだもんたちが5つごちゃんたちのお世話を買って出ます。

ひらのゆきこさんの「おばけのやだもん」シリーズの6作目。いつも「やだやだおばけ」を増やそうと画策するやだもんですが、ドジでお人好しの性格が災いしてか、なかなかうまくいきません。今回も5つごちゃんに振り回されて、かなりお疲れのようです。

さて、おばけになったかずくんは、ちゃんと人間に戻れるでしょうか？ 3人のドタバタ劇は、最後まで目が離せません。思わぬ結末に、思わず笑みがこぼれますよ。やだもんを応援しながら、お子さんのイヤイヤ期をどうぞ親子で笑い飛ばしてください。

（出合聡美  絵本ナビライター）

たこさん、まめさん、ソフトクリームさんにトイレットペーパーさん......。ページをめくっておふとんかけたら、
どんなねぞうになるのかな？　登場するみんなのゆかいなねぞうに、おやすみ前に親子でいっしょに大わらい。
「だるまさん」シリーズかがくいひろしによる絵本。

「チリチリリ チリチリリ」
どこにでも自転車に乗って軽快におでかけしちゃう、チリとチリリ。
今回の舞台は、何と地面の下。一体地下にはどんな世界が広がっているのでしょう。

チリとチリリが午後のお茶を飲んでいると、地下の貯蔵庫から大きな音がしました。
駆けつけてみると、壁に穴があいていて、何かが逃げていきます。
二人は早速自転車に乗って追いかけてみることにしましたが、見失ってしまい…。

何だか「地下」っていうと、暗くてせまくてこわいっていうイメージがあるんだけど、今回はそんなお話なの？
いやいや、とんでもない。
二人がライトをつけて、背をかがめて、自転車ですいすいっと進んでいったせまい道のその先に。
ぱっと広がる地下の世界は…なんて素敵なの！！
金色に光る落花生ばたけ、虹色に光るお花ばたけ、そしてそして。
ためいきの連続なのです。
さぁ、結局チリとチリリの家の地下から逃げていったのは誰だったのでしょう。3びきのしっぽが見えていたみたいだけど？

大人気「チリとチリリ」は6作目、第1作目の発売から10年が経つそうです。
色々な世界につれいってくれて、毎回うっとりした気持ちにさせてくれるチリとチリリですが、
今回は二人の部屋を見ることができるんですよ！初公開です。早くチェックしなくてはね。

（磯崎園子  絵本ナビ編集長）

「しろくま」シリーズでおなじみ、「くいしんぼうのしろくま」くん！
今度は白い食べ物の中に入ってみたいそうですよ。
しろくまくんも白いから、とっても似合いそう。

まずは、とうふ。
うんうん、白い食べ物と言えばやぱりとうふは欠かせませんね。
しろくまくんは冷ややっこが好きみたい。表紙ですでに、冷ややっこの中からぬっと飛び出していたしろくまくん。
今度はとうふの横から顔と前足を突き出しています。満足そうな良い笑顔。ぶらんぶらんな前足がなんとも無防備でかわいらしいです。
ちなみに私はしろくまくんとは違って、アツアツの揚げだしどうふが食べたい気分。
読むときによって食べたいものが変わりそうなので、毎日眺めてあれがいいとかこれがいいとか言いたいです。

他にもヨーグルト、そうめん、はんぺんなどが次々に登場。身近な食べ物で白いものって、結構いっぱいあるんですね。
こんな食べ方あったんだ！ と思う料理も出てきて、目移りしちゃいます。
あれもこれもおいしそうだなあと思っていたら、しろくまくん、だんだんと脱線していき……？

作者は「パンどろぼう」シリーズも大人気の柴田ケイコさん。
どっちのシリーズも食いしん坊にはたまらないので、ぜひ他の絵本も食べ尽くし…じゃなくて、読み尽くしてくださいね。

（近野明日花  絵本ナビライター）