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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】夏の楽しさを思い出そう! 夏の人気絵本特集

「夏」といえば、海へ山へ。キャンプに川遊び。スイカにかき氷、花火やお祭りなど、楽しいことが盛りだくさんの季節ですよね。
しかし、猛暑が続く日々に、夏が楽しい季節だったということを、つい忘れていませんでしたか?

今週は、夏といえばこの絵本! というような人気作品をご紹介します。おなじみの絵本や懐かしい絵本の表紙を見ながら、夏のワクワクする気持ちを取り戻して、夏をお迎えくださいね。
 

2025年7月14日から7月20日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

7月14日 「わたしたち そろそろ でばんの ようです」

月曜日は『なつのおとずれ』

なつのおとずれ

気象予報士のかたつむりが「梅雨明けはもうすぐでしょう」と伝えました。すると太陽が「もうすぐ梅雨明けですか。そろそろみんなに知らせますか」と立ち上がりました。

まず、メロンとスイカが誰かに呼ばれたような気がしました。それに続いて、セミ、カブトムシ、かきごおり、ソフトクリーム、せんぷうきとひまわりも呼ばれたようです。いよいよ夏の風物詩たちの出番になりました。

みんなは、夏に向かってまっしぐらに走っていきます。すると、かとりせんころうさんや、とうもろこしぞうさんが一緒に連れていってと走ってきました。そして、きんぎょばちかさんに、うきわのすけさんも合流します。全員がそろうと、目の前に大きな大きな黒い雲が見えてきました。一瞬にして、大雨が降り、雷が鳴り響き、突風までおこりました。そしてながしそうめんのじっちゃんに会うと……。さあ、夏はもう目の前です!

梅雨明けから夏までをユーモアいっぱいに描いた一冊。

読者の声より

ユーモアたっぷりな夏の訪れのお話。
すごく勢いがあって、
やったー!夏が来るぞー!!
という気持ちになる、とても爽快なお話です。

カタツムリの天気予報士がもうすぐ梅雨明けと伝えると、
ソフトクリームやかき氷、蚊取り線香に浮き輪などなど、
夏の風物詩ともいえるものたちが一斉に夏に向かって走り出します。
最後は太陽に飲み込まれ、人間の世界へ。

大人になると子供の時ほど夏が楽しみではなくなっていましたが、この絵本で、無条件な夏のワクワクを思い出しました。
(tori.madamさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子3歳)

7月15日 大きな子に負けじと頑張るなほちゃんの挑戦

火曜日は『はじめてのキャンプ』

はじめてのキャンプ

小さい女の子、なほちゃんは何歳くらいでしょうか。なほちゃんの友達、お隣のともこおばさんのうちへ遊びに行くと、大きい子どもたちとキャンプのお話をしています。すると、なほちゃんは目をきゅっとつり上げて言うのです。

「わたしも いく!」

すると、大きい子たちは口々に言います。

「ちっちゃいこは だめ!」

ちっちゃい子は重い荷物を運べないし、すぐ泣くし、暗いところを怖がるから。そうだよね、なほちゃん。夜、ひとりでおしっこに行けるのかな?だけど、なほちゃんは言います。

「わたし、ひとりで おしっこにいける!」

そうして、みんなと一緒にキャンプに連れていってもらえることになったなほちゃん。重い荷物だって頑張って運ぶし、川で転んだって泣かないし、薪だって一生懸命探します。夜になると、楽しいキャンプファイヤー。そしていよいよ、寝る時間がきて…。なほちゃんは、約束通りちゃんとおしっこにひとりで行けたのかな?

小さいなほちゃんが大きな子に負けじと健気に頑張る姿。読んでいれば誰だって愛おしくなって、応援したくなるこのお話。強がっているなほちゃんですが、やっぱりまだまだ幼い女の子。本当は泣きたいし、怖いし、一人きりで出来ることもあんまりありません。でも、そんなことはみんなわかっているんですよね。大きな子たちも、ともこおばさんも。その上で、しっかりと見守り、さりげなく手助けしながら、なほちゃんに少しずつ自信をつけてあげているのです。

お話は少し長いのですが、全部のページに絵があって、言葉もシンプル。そして何より、なほちゃんの表情から心の動きがよく伝わってきて、なほちゃんと同じくらいの子どもたちでもきっと共感できるはずです。たった一日と一晩のお話ですが、林明子さんの手にかかればこんなにも心を捉まれる物語になってしまうのですね。もちろん、大人だって何度も胸がキュンとしちゃいますよ。

さて、なほちゃんにとっての「はじめてのキャンプ」がどうだったのか。それは裏表紙のなほちゃんの晴れやかで自信に満ちた表情を見ればわかりますよね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=430

読者の声より

こわがりなうちの兄弟。
このお話、とっても良かったです。

ちいさいなほちゃんがおおきい子供達と一緒に
キャンプに行きます。
始めは「すぐ泣くから」とか「お手伝いが出来ないから」
連れて行かないと言われたのですが
「ちゃんとする」と言う約束で連れて行ってもらいました。
大きな子が一体何歳でちいさいなほちゃんが一体何歳なのかは
書いてありませんでしたが、
大きい子もなほちゃんも本当に凄いと思いました。
こんな風にうちの子たちもキャンプが出来るようになると
嬉しいなと思いながら読みました。
子供達も楽しんで聞いてましたよ。
キャンプに行く前にはとってもおすすめ。
キャンプに行かなくてもおすすめです!
(のぽぽんぽんさん 30代・ママ 男の子5歳、男の子3歳)

7月16日 夏の観察といえば、あさがお!

水曜日は『あさがお』

あさがお

さいた! さいた! 自然のふしぎにみちたアサガオの一生を、美しい細密画で描いた絵本。小学1年生のアサガオ観察に役立つヒントがいっぱい!

小さな種から芽がでて、ふた葉をひろげ、つるをのばし、つぼみがふくらみ、美しい花を咲かせ、また種ができる……、アサガオの一生を描いた絵本。あたたかみのある細密画が、自然のふしぎ、命の神秘を伝えます。

読者の声より

写真のように鮮やかな「あさがお」の表紙を見て、
興味を持ちました。
私は植物を育てるのは得意な分野ではないのですが、
3人の子育ての中で、
「あさがお」を夏休みに観察する宿題はとても印象的で
今でも覚えています。
夏休み前の今頃、学校から鉢を持ち帰ってきて。。
3人の子供同様、それぞれのあさがおの成長にも
個性があったのを思い出しました。
この本は絵本というより、リアルでわかりやすく
「あさがお」のことが詳しくわかり、
読み終えると もう1度あのころのように
「あさがお」の成長を観察してみたくなりました。
(koyokaさん 50代・じいじ・ばあば)

https://www.ehonnavi.net/feat/season/?sfn=93

7月17日 真っ白な陽射し、青い草の匂い、響き渡るセミの声。

木曜日は『なつのいちにち』

なつのいちにち

暑い暑い夏の日。子どもの頃に体感したあの記憶の断片が蘇ってきます。
真っ白な陽射し、青い草の匂い、響き渡るセミの声。
そして大きな麦藁帽子をかぶって、山へ向かって一心不乱に走る少年。
広い青空の下に駆け回るこの開放感は、体験した者にしか味わえない感覚です。
我が息子にも、「夢中になって遊ぶ」事でこんな記憶の残像を一つでも多く体の中に残して欲しい、
心からそう思わせてくれる一冊です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=6806

読者の声より

2歳10ヶ月の息子に図書館で借りて読んであげました。

とっても懐かしい気持ちにさせてくれる絵本ですね。
田んぼだらけの田舎で育った私は、この絵本を読んで子供の時の暑い暑い夏の記憶がよみがえってきました。
息子の反応もよく、読んで欲しいと持ってきます。
息子にもこの絵本のように、楽しい夏の思い出をこれからたくさん作って欲しいと思いました。
夏にぴったりの一冊です。

(ポン太さん 30代・ママ 男の子2歳、女の子0歳)

7月18日 ラジオ体操の帰り道、ぼくらに起きたのは…。

金曜日は『ともだちやもんな、ぼくら』

ともだちやもんな、ぼくら

夏休み、小学生、男の子、かぶとむし、そして友達とカミナリじいさん。
小学生男子の息子を持つ身としては、このキーワードの並びを見ただけでワクワク、読む前から思わず購入したくなってしまいます。
舞台は始まったばかりの夏休み。ヒデトシ、マナブ、ぼくの三人はカブトムシを見つけ、喜び勇んで木に登ります。ところがその木は近所でも有名なカミナリじいさんの家の木!カミナリ声にぴっくりして慌てて逃げ出したのですが、ヒデトシは転んでつかまってしまいます。さて、どうなる・・・?
作者は『おこだでませんように』のくすのきしげのりさん。男の子の元気と心の葛藤を描かせたら天下一品。そして画家福田岩緒さんの描く男の子達の表情がすごくすごく面白いのです。あせる顔、泣きだす顔、悩む顔、そして嬉しそうな顔!本人達はいたって真剣、でも母親目線としては可笑しくて仕方がありません。一人ひとりの性格まで映し出しているようです。今どき「カミナリじいさん」という存在もいいですよね。
この夏、大推薦の一冊です!

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=70109

読者の声より

夏休みといえば、真っ黒になり、ラジオ体操があり、朝から晩まで遊んでいました。
近所には何か悪いことをすれば、自分の子どもということに関係なく叱る大人がいましたし、この絵本を読んで子どもの頃にタイムスリップしたような感じがありました。
今の子どもたちの夏休み、暑過ぎて外で遊ぶこともできず、地域とのつながりも薄いので、よその家の敷地に入って虫とりなんてこともないかも。
絵から受ける感じもそうですが、昭和を彷彿されるので、ある年代からはノスタルジーを感じそうです。
カミナリじいさんの存在感がいいなですね。厳しいだけでなく茶目っ気もあり、粋です。
子どもたちも怖さを超えて友だちを助けに行こうとする気持ちもあり、いい友だち関係だなあと思いました。こういう夏休みの一コマって、一生心に残りそうだと思います。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)

7月12日 「ドーン」「パパパーン」「キラキラキラ」

土曜日は『はなび ドーン』

はなび ドーン

あかちゃんと花火。この組み合わせの絵本と聞くと、
「まだ本物の花火だって見た事ないかもしれないのに?」
なんて、ちょっと意外な気もします。
でもそんな心配はご無用。
暗い夜空に「シューッ」と何かが飛んでいって
次のページを開くと「ドーン」「パパパーン」「キラキラキラ」
きれい!
「シューッ、シューッ」ときて
「ポン、ドドドーン」大きな大きな花火が打ち上がって。
また、きれい!
この繰り返しは、理屈抜きで楽しいのです。
まるで万華鏡のように次々に色と表情を変えていく花火の美しさ、
変化のある音と反復するリズム、
そして金平糖みたいに今にもつかめそうな、キラキラな光の粒。
小さな子どもたちがワクワクせずにはいられないはずですよね。
大人になっても花火を見るのがちっとも飽きない、その秘密までわかちゃったような・・・。

カズコG・ストーンさんのあかちゃん絵本シリーズの第4弾になるこの作品。
動物も食べ物もママも登場しないけど、やっぱり赤ちゃんの目を釘付けにしてしまいそう!
読んであげる方が楽しくなるのも、このシリーズの人気の秘密ですね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=85667

読者の声より

息子が1歳3か月の時に絵本クラブより届きました。
ちょうど夏に届き、夏祭りで初めての花火を見せてあげようと思っていたので、夏祭りまで毎日読み聞かせました。
本物の花火を見た時に結構喜んでいたので、それ以降、1歳8ヶ月の現在もたまに読んでと持ってきます。
夏に花火を見せてあげる前に準備で読むのによい絵本だなぁと個人的には思っています。
綺麗な花火が表現されていて、綺麗な絵本です。
(明那さん 30代・ママ 男の子1歳)

7月20日 自由な発想で自分だけの特別な文明を創ろう

日曜日は『たまがわ』

ウエズレーの国

男の子はみんなモヒカン、女の子もしっちゃかめっちゃかに結わえた髪で、だれもが同じ形の家に住んでる、ヘンテコな町。
そこに住むウエズレーには、友だちがいない。
だって、みんな同じかっこうをしているのに、ウエズレーだけはそうしない。
ピザもコーラもサッカーも、みんなは大好きなのに、ウエズレーは大嫌い。

でも大丈夫、ウエズレーには得意なこともある。
いじめっ子から逃げるのと、それにちょっとした発明。

そんなウエズレーが、その年の夏休みに自由研究の宿題として作ろうと思い立ったのは――
自分だけの、文明!?

ここはウエズレーの、ウエズレーによる、ウエズレーのための国、「ウエズランディア」!
その新たな文明の歴史は、風によって運ばれた、ある不思議な植物の種からはじまる――

秘密基地やロビンソン・クルーソー。
そんな言葉に胸躍る、すべての人に届けたい作品です!

「自分だけの文明を作る」という壮大なテーマ。
そして、新たな文明の歴史をつむぐ、ウエズレーの発明と工夫の数々。
舞台は自宅の庭だけなのに、無人島での生死を賭けた大冒険にもまったく劣らないワクワクが、この絵本には詰まっています。

(続きを読む>>>

(堀井拓馬  小説家)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=3402

読者の声より

出会えた!
この絵本を読んだ時の私の一番の感想でした。
素敵な絵本に出会った時、そう思います。

このウエズレーくん、人と違うこと、それでいじめられていることで
くよくようじうじすることもなく、逃げる、かわす術を持っています。
それが自分の個性であることに、自信を持っている、この強み!

食べ物もジュースも、ぼうしも服も、自分だけの時間まで作り、
自分の国を持ったウエズレー。
考え出したゲームを、みんながやりたそうにしているからじゃなくて、
みんなでやるのも面白そうだから、と思って大勢でできるように考える
それがまた凄い。

そして、字のないページ。満点の星の中、空中ベッドで笛を吹いている
ウエズレーの姿は、子ども、子どもだった私たちの憧れです。
(ねがいさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子2歳)

いかがでしたか。
子どもたちもあともう少しすると「夏休み」。子どもたちにとっては心に残る体験ができる特別な機会ですよね。大人も夏の楽しさを思い出して、元気に過ごしていきましょう。
 

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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