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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】名作を絵本で!子どもの読書週間を応援

4月16日~4月22日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

4月23日は「こども読書の日」。

1959年(昭和34年)からスタートした「こどもの読書週間」も今年は4月23日からはじまるということもあって、各所で、こどもたちの読書習慣にも注目が集まっています。

そこで、絵本ナビでは、読書週間にピッタリの絵本が見つかるよう先駆けて、読書におすすめの名作をご紹介することにしました。テーマは、はじめて出会う【名作を絵本で】。子どもが気軽に名作に触れるきっかけとなる絵本を中心に選書しています。大人が読んでもまた新しい世界を魅せてくれる絵本です。ぜひ、参考にしてくださいね。

4月16日 季節の美しさを描く安房直子さんの名作

月曜日は『みどりのスキップ』

みどりのスキップ

安房さん好きな方に教えて差し上げたい
安房さんの作品を紹介した人から「はなびやさんから紹介されて安房さんの作品を読むようになりました。新しい作品が出ないか楽しみにしています」と言われたことがあります。「安房さんはすでに亡くなられているので、新しい作品が出るとしたら、童話に絵がついた形か短編集として編集された時なんですよ」とお返事しました。その後、図書館でこの本を見てびっくりでした。その方の願いが通じたかのようなこの本の出版だったからです。しかも絵が出久根さんということもあり、早速読んでみました。この作品、他の短編集で読んでから私の中でも大好きな作品の一つです。

 

桜の時期になると、桜の中の花かげちゃん、花かげちゃんを守る番兵としてのみみずくの存在を思い出すのです。以前、安房さんのエッセイの中で安房さんご自身が夕方から夜になる一瞬の時間がお好きというようなことを読んだことがあります。この作品も桜の咲く春から初夏へ移り行く一瞬の時間をよく映し出している気がします。そして、中に出てくる「トット トット トット…」という音は宮澤賢治を彷彿とさせます。

ああなんて儚くて美しい作品を描けるのだろうと読みながらまたうっとりしてしまいました。

桜の時期にぜひお読みください。そして、巻頭に書いた安房さん好きな方にこの作品を教えて差し上げたいと思いました。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子11歳)

4月17日 何度読んでも胸を打つ、新美南吉の名作

火曜日は『でんでんむしのかなしみ』

でんでんむしのかなしみ

私は挿絵が好きです
美智子様の愛読書だったと聞き購入しました。
家の子供はでんでんむしが好きで、何かでんでんむしの本がないかと探していた時の一冊です。
幼い子供たちにはちょっと理解が難しいかもしれませんが、本当に心和む一冊でもあります。
悲しみはだれにでもある、じぶんだけじゃないんだよと、子供が小学生ぐらいになるとこの本の意味もわかるようになるでしょうね。
私はこの絵の挿絵がすきです。なぜかぼーと見て痛くなるんです。
(ラベンダーママさん 30代・愛知県大府市  男8歳、女6歳、男3歳)

4月18日 ショートショートの神様!星新一の名作が絵本に

水曜日は『おーい でてこーい/鏡のなかの犬』

おーい でてこーい/鏡のなかの犬

ファンタジー・ミステリーの世界の具現化
星新一さんのショートショートは私が子供の頃によく読みあさったものです。不思議な世界でラストまで読むと『あぁ!』と声を上げたくなるようなオチが用意されていて、人間の心の奥底に潜む物や社会の風刺が効いていて面白く読ませてもらっていました。


絵本化されたのだと絵本ナビで知り、上の息子にも読ませました。「おもしろかったよ」と一言でしたが、彼もママと同じ感性の持ち主なのできっと響いたものがあったでしょう。
絵本ナビでの絵を描いた作家さんのインタビューを読んだ後に読んだのであぁ、捨てるゴミはここまでは描いてここからは描かずにいたのだなと思いながら読みました。必要以上に説明的でなく、でも挿絵ほどそっけないものでなく星新一さんの世界を具現化したいい絵本になっているなぁと思いました。
(うきうきこーんさん 40代・ママ 男の子11歳、男の子5歳)

4月19日 動物が好きな子に!星新一の名作絵本

木曜日は『サーカスの旅/薬と夢』

サーカスの旅/薬と夢

視点を変えると…
昔よく読んだ星新一さんのショートショートが絵本になったとあってこれは読まねばと思いました。
人間が犬より上の立場の地球とは違って犬の方が立場が上の星も存在するかもというファンタジーのような皮肉のような世界が面白いですね。イラストもほんわかしていて犬に曲芸を仕込まれているおじさんに悲哀を感じないところもいいです。2本立てになっていてもう一話もなかなかです。昔話によくありがちな過ぎたるは及ばざるがごとしを楽しい夢を見たいという願望で表しています。


子供にも読ませたいです。上の子は「おもしろい」と言っていました。5歳の子はまだですが、理解できるかな??
(うきうきこーんさん 40代・ママ 男の子11歳、男の子5歳)

4月20日 感性を働かせて味わいたい、宮沢賢治の名作

金曜日は『貝の火』

貝の火

おごりの愚かさ
宮沢賢治の奥深い童話を体感してみようと読んでみました。
既読のような気もしますが、あまり記憶になかったので、新鮮な印象です。
ウサギの子ホモイは、ある日、ひばりの子を命がけで助け、
ヒバリの親子から「貝の火」という宝珠をお礼にもらうのですね。
不思議な輝きを持つ「貝の火」。
でもそれは、心の在り方をも映していたのですね。
ホモイが日常生活でおごりを持つ過程が丁寧に描かれます。
人間の弱さでしょうか。
キツネという、悪の誘いがあったにせよ、ホモイの顛末には心が痛みます。
おくはらゆめさんの絵は、賢治の文章が紡ぐ豊潤な色彩をそっと支えてくれます。
奥深いです。
小学生高学年ぐらいから、じっくり考えてほしい作品だと思います。
(レイラさん 50代・ママ )

4月21日 芥川龍之介の名作も絵どうわに

土曜日は『くもの糸』

くもの糸

芥川龍之介のユーモアたっぷりの名作を絵どうわに。地獄に落ちた、かん陀多(かんだだ)。お釈迦さまは、極楽から救いの糸をたらすが…。

4月22日 母を思う心が切ない浜田廣介の名作

日曜日は『むく鳥のゆめ』

むく鳥のゆめ

母を恋しがる子の思い
この世にいない母を恋しがるむく鳥の子ども思いがとても切なく透明感をもって伝わってくる作品です。母親がどうしていないのかわからない子どもに、お父さんはお母さんが海を越え、山を越えて飛んでいるのだと教えます。いつになったら帰ってくるのか、子どもにはとても長い日々です。むく鳥の子は、風の音を母鳥の帰ってきた音だと思い、音を出している枯葉を大事にします。一枚残った葉を、馬の毛で木にしっかりとくくりつけ、そして慈しみます。母親への思いがひしひしと伝わってきます。お父さん鳥もいつか本当のことを伝えなければいけないのです。その哀れさも思い描かれます。子とお父さんと自然だけで語られる、そして説明よりも感じさせるお話なので、小さな子には難しいかもしれません。
噛みしめれば噛みしめるほど哀しさがにじみ出てくる絵本です。
網中さんの絵もお話にとても合っています。
(ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)

いかがでしたか。

気になる絵本はありましたか。誰もが知る、また子どもに知ってほしい名作を絵本で読んでみましょう。

親子でぜひ語らいの時間を作ってくださいね。

絵本ナビでは、名作が絵本として生まれ変わった素晴らしい作品をたくさんご紹介しています。こちらも参考にしてくださいね。

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絵本ナビ編集部
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