【今週の今日の1冊】ただいま絵本週間。春の絵本を楽しもう。
4月6日~4月12日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
3月27日から4月9日は「絵本週間」。こちらは、アンデルセンの誕生日で「国際子どもの本の日」である4月2日の前後2週間で毎年設けられています。絵本文化の発展と、教育の場や家庭に「絵本読書」がいっそう定着することを願って制定されたのだそう。そこで今週は、今の時期に合った季節感いっぱいの「春の絵本」のおすすめ作品をご紹介♪ さらに今週末の12日(日)はイースターの日がやってきますので、イースターの絵本も合わせてご紹介していきます。明るい色彩の優しい「春の絵本」で、子どもも大人も笑顔がチャージされますように。
4月6日 小さな春をたくさん見つけよう
月曜日は『じっちょりんのあるくみち』
みどころ
なんだかすごくおもしろい絵本を見つけてしまいました。
なんたって最初の場面で主人公達は見つけることのできない位の小ささで登場するのです。
その主人公とは団地のすみに住んでいる「じっちょりん」の家族です。じっちょりんは花びらや葉っぱを食べるけど、種だけは食べないでとっておきます。なんと、コンクリートの隙間や電信柱の根本などにせっせと植えに行くのです!ああ、散歩の途中、あんなところに、こんなところにそっと咲いていた雑草を楽しめるのはじっちょりんのおかげだったのですね。
作者のかとうあじゅさんはこの作品がデビュー作なのだそうですが、ユーモラスなじっちょりん一家の可愛らしさと、あっと驚くスケール感、そして愛にあふれた植物描写などなどに、すでにじっちょりんワールドのとりことなってしまいました。今度のお散歩は細かく細かく色んなところを覗いてしまうに違いありません。
4月7日 美しい写真で味わう春の景色
読者の声より
淡いピンクの写真と、『だって春だもん』という少し肩の力が抜けた感じのタイトルに惹かれました。
写真絵本というと科学絵本が多いですが、詩のような文章に春を感じさせる風景の一場面が静かに展開していきます。
冬の間に眠ってしまった五感を呼びさまして、春を感じてみたくなりました。
寒くてもどこかでは、ほら春がこんな風に目覚め出している。
三月から四月初旬ぐらいの読み聞かせでも使えそうな絵本だなあと思います。
読み聞かせ所要時間は2分18秒でした。
ゆっくり丁寧に写真を見せながら読み聞かせしたい本です。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
4月8日 春の山にあふれる音を聞いてみよう
水曜日は『はるのやまはザワザワ』
みどころ
声に出してゆっくり読んでみて!
春の山がこんなに色々な音にあふれているなんて。
「ピーピー チッチッチッ」「ブンブン」「プーン」鳥や虫の軽やかな音。
「パッパッ」「ツンツン」植物が芽を出す華やかな音。
そして「ゴーゴー」ぶなの木が水を吸い上げる力強い音!
冬眠から目覚めた子ぐまのグルルが耳をすましながらハチミツを探しに出かけます。
なんて可愛らしい絵本。自然を愛する村上康成さんから子ども達への優しい春の贈り物です。
4月9日 穏やかで優しい、ある出会いの物語
木曜日は『やまねこのおはなし』
みどころ
お話は「わたしは やまのおくにすむ やまねこです」という語りではじまります。
ひとり気ままに、のんびりと何不自由なく暮らすやまねこ。ある日、ふと知らない世界が見たくなって街へと歩き出します。ところがその途中、やまねこは道ばたに倒れている白い子猫を見つけ、そのまま山へ連れ帰ることにします。すっかり元気になった子猫は、やまねこと一緒に山で楽しく過ごすのですが、一年が経った頃・・・。物語は思わぬ展開へと進みます。
静かで穏やか、そして優しさにあふれた物語。ひとりで暮らすやまねこの表情、今にも消えそうなほど儚げな子猫、そして春の訪れを全身で感じる感動の場面。柔らかな絵と直接感情に訴えかけてくるような美しい色彩。それらが一体となって読者の心を揺さぶります。
人気絵本作家のどいかやさんと新鋭作家きくちちきさんのコラボレーションにより生まれたこの作品。どいかやさんは、今回は絵を描かれていないのだけれど、だからこそ彼女の描く物語の世界観をより直接的に感じることができるのかもしれません。そして、驚くべきはその世界観を大胆に豊かに、そして時には繊細に描き出したきくちちきさんの絵。何と本作が絵本デビュー(同時期に『しろねこくろねこ』/学研 も発売)というのです。
本当に素敵な絵本が出来上がりました。さて、だれに贈ろうかな・・・。
4月10日 めぐる季節に思いを馳せて
4月11日 たまごの中から春の気配が飛び出した!
4月12日 今日は、2020年のイースターの日
秋山朋恵(絵本ナビ)
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