【今週の今日の1冊】さあ十五夜です! お月さまのお話たくさん読もう
9月28日~10月4日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
夜空にぽっかりと浮かぶお月さま。月齢やお天気によって、さまざまな姿を見せてくれますが、とくに満月の夜は格別な美しさ。子どもたちにとってはもちろん、大人にとっても不思議な存在で、憧れをもって眺めてしまいますよね。だからこそ、たくさんのお月さまのお話が生まれるのでしょう。
今週は十五夜を迎える1週間。お月さまが身近に感じられたり、優しく見守ってくれるような温かさを感じたり、なにか特別なことが起こりそうなワクワクが感じられたりするような、さまざまなお月さまのお話をご紹介します。絵本を通して、よりいっそうお月さまへの想像を膨らませてみて下さいね。
9月28日 大きさも遠さも月の感じ方は人それぞれ
月曜日は『物語 たくさんのお月さま』
出版社からの内容紹介
「お月さまがほしい」というおさないレノアひめの願いをかなえようと、王さまは、大臣や学者、魔法使いに月をとってくるよう命じました。けれどもみんな、そんなことはできないといいます。こまった王さまから話を聞いた道化師は…?
コールデコット賞を受賞し、世代を超えて読みつがれてきたロングセラー絵本を、カラー挿絵たっぷりの読みやすい幼年童話にしました。
(※こちらの幼年童話版は2019年に発売されたばかりのものなので、1994年発行の絵本版の方のレビューからご紹介します)
読者の声より
もうすぐ11さいになるという小さなレノアひめ。
彼女のために臣下たちに月をとってこさせようとする父王さま。
娘がかわいくてしかたがないのでしょうね。
彼女が体調を崩した原因、木いちごのタルトですが読み終わった後に改めて前のほうにあるイラストを見たらすごい量!これを全部食べたのかどうかはわかりませんがこれだけの量ならば体調を崩すのも当然なのでは…。
お月さまをとってくる方法は私も考えつきませんでした。
お月さまをとった後もなぜまた空にお月さまがかがやいているのか、という問い対するレノアひめの答えもすばらしい答えだと思いました。
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
9月29日 月が教えてくれるお月さま入門
火曜日は『もし きみが 月だったら』
出版社からの内容紹介
お月さまみずから、月の動きや地球との関わりを教えてくれます。自転する様子は、バレリーナ? 引力による潮の満ち引きは、海との綱引き⁉ 擬人化したユーモラスな例えと、科学的、具体的な説明がわかりやすい、月の入門絵本。
読者の声より
お月さまみたいに なーんにもしないで 空に ぽっかり浮かんでみたいと 女の子は思いましたが・・・・・
もし きみが 月だったら・・・・・
月が どうしてできたのか そして 私達の住んでいる地球との関係 引力でひっぱっれていたり 月の満ち欠けを見せてもらったり
いろんな事を 月が 教えてくれました
この絵本は お月さまが 教えてくれた 科学絵本ですね
月は不思議なちからで 世界の人々に影響を与えているのが良く分かりました
是非皆さんも読んで 学んでください
お月さま ありがとう!
(にぎりすしさん 60代・その他の方)
9月30日 「次の満月の夜を楽しみにしていてください」
水曜日は『うきわねこ』
みどころ
大きなうきわを持ったまま、じっとどこかを見つめて立っているこねこ。
その有無を言わさぬ可愛さと、タイトルの不思議な響きに引き寄せられ、
表紙を見てしまったらもう、通り過ぎるわけにはいかないのがこの作品なのです。
こねこの名前はえびお。えびおの誕生日におじいちゃんから送られてきたのは「うきわ」でした。
手紙には「次の満月の夜を楽しみにしていてください」と書いてあり、
えびおはその言葉を胸に、ひとり心待ちにするのです。
そしてとうとうその日がやって来て、忘れられない出来事が起こり・・・。
物語も、登場人物も、風景も、全てが驚くほど幻想的。
本当にありそうな、でもやっぱり絵本だからこその美しい世界。そして、優しい言葉の一つ一つがえびおやおじいちゃん、そして家族のキャラクターを浮かびあがらせていきます。
これぞ、子どもから大人まで楽しめる絵本。何度でも訪れ、その特別な体験を味わいたくなるのです。
詩人の蜂飼耳さんと画家の牧野千穂さんの出会いから生まれた物語、幸せな作品ですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
えびおという子ねこが主人公。
えびおのお誕生日に、おじいちゃんからプレゼントが届きます。
中身は、浮き輪。
手紙には、次の満月の夜まではしまっておくように、とのこと。
満月の日を楽しみに待ち、えびおはついに満月の夜、不思議な体験をします。
浮き輪と一緒に宙に浮いたえびおは、おじいちゃんと一緒に旅をするのです。
満月の様子、夜空で出会った翼のある恐竜、そして、海釣り。
焚き火で釣った魚(しかも、とてつもなく大きい!)を食べるなんて、ワクワクです。
それらのシーンが、それはそれは幻想的な絵で素敵です。
一番印象的なのは、えびおの目の輝き。
ねこだからこその、独特の透明感が、えびおの気持ちを浮かび上がらせているようでした。
おじいさんが言った、「秘密の散歩」という言葉が響きます。
おじいちゃんは多くは語らないけど、えびおにはちゃんと伝わっているのですね。
浮き輪って、素敵なアイテムなんだ、と思わず実感してしまいました。
子どもも大人も楽しめると思います。
(レイラさん 40代・ママ 男の子18歳、男の子16歳)
10月1日 まんまるおつきさま こんばんは
木曜日は『おつきさま こんばんは』
みどころ
濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。
屋根の上に1匹、下に1匹のねこのシルエット。
「よるになったよ ほら おそらが くらい くらい」
「おや やねのうえが あかるくなった」
「おつきさまだ」
だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。
もう1匹のねこも屋根にかけあがり、2匹の影はおつきさまを見あげます。
「おつきさま こんばんは」
目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。
小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。
読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。
雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。
雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。
子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。
今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。
「こんばんは」「こんばんは」って互いにごあいさつする幸せ。
1986年発売以来、たくさんの子どもたちに支持されてきた本。
林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。
裏表紙もかわいいですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者の声より
ファーストブックはこの「おつきさまこんばんは」でした。
娘は0歳時代、絵本は全く興味を持ちませんでした。
かんだりなめたりと完全なるおもちゃと化してました。
それが、1歳過ぎたあたりからこの「おつきさまこんばんは」を読むと
とっても目をキラキラして
一緒にこんばんは!とお辞儀をしたり
ダメダメ雲さん!と首を振ったり
あーよかった!と笑顔振りまいたりで
娘がストーリーを理解してる!!と感激の絵本でした。
それからというものこの絵本が大好きで、朝から片手に持ち歩いては
「読んでー」とせがんきます。
ぐずって泣いてても、「おつきさまこんばんは!」とそっと耳打ちすると
泣き止んで、ダー!と絵本棚へ駆け寄りこの絵本を持ってきます。
あんなに興味なかったのが嘘のよう、いまでは絵本大好きっこになりました。
寝る前の絵本タイムは欠かせません。
すべてこの絵本のおかげです。
(ゆんちゃんママさん 30代・ママ 女の子1歳)
10月2日 「わあ! おかあさん、おつきさまだよ」
金曜日は『おつきさま ひとつずつ』
出版社からの内容紹介
月がでています。あこちゃんは、おかあさんと一緒にかえります。「おかあさん、アフリカにもおつきさまある?」「あるわよ」あこちゃんはほっとしました。「おつきさまがみーんなにひとつずつあって、よかったね」
読者の声より
地球上のどの国でもお月さまが見えるという感覚は素晴らしいと思います。
この絵本は、宇宙のお話ではなく、心のお話としてとらえているからです。
お月さまが自分のために、ついてくる、見守ってくれるという安心感は、優しい心を支えてくれると思います。
当たり前のことだなんて思わず、こうして見守ってくれる存在があるって考えると、心は安らいできますよね。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
10月3日 月がいかに遠く大きいかをしかけで体感しよう♪
土曜日は『パパ、お月さまとって!』
みどころ
今夜はお月さまがとても近くに見える。お月さまと遊びたくなったモニカは、手をのばすけれど、とても届きません。そこで、言うのです。
「パパ、お月さま とって!」
さあ、愛する娘からこんなお願いをされたパパ。一体どうするのでしょう。子どもはワクワク、大人はちょっぴりドキドキしながらページをめくると……?
パパは、絵本を大きくはみ出すほどの(!?)ながーいながいはしごを持ってきて、たかーいたかい山へ運んでいき、またまた絵本を大きく突き抜けるほど(!?)上へ上へとのぼっていき、とうとう着いたのは、大きな大きなお月さまのところ。だけど、こんなに大きくては持って帰ることなんてできません。すると、お月さまは言います。
「わたしは、毎晩少しずつちいさくなっていくんですよ」
さて、パパは無事にお月さまを持って帰ることができたのでしょうか。
(続きはコチラ>>>)
読者の声より
娘の素朴な、そしてどう考えても不可能なお願い。
でもパパは想像を超えた手段であっさりお月さまにたどり着き、お月さまを連れて帰ります。
うーん、すごい。お月さまもとっても寛大。
しかも大きく広がるこの絵本は子どもにとって相当インパクトがあるらしく、しばらくの間お月さまを見ると「パパ、とって!とって!」と本気でせがんできました。
おえかきでも、山を描いて、はしごを描いて、丸(お月さま)を描いて、はしごを登ってるパパを描いて、「パパ、とって、がんばって」って言うんです。
娘はわりと多くの絵本を読んでいますが、この作品は特別な一冊。
パパも今のところこの絵本が一番好きです。
(河東碧梧桐さん 30代・パパ 女の子2歳)
10月4日 「こんな遅くに、なにしに行くんだろう」
日曜日は『うみやまてつどう さいしゅうでんしゃのふしぎなおきゃくさん』
出版社からの内容紹介
『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』でおなじみの間瀬なおかたが、
乗り物しかけ絵本で読者を不思議の世界へいざなう「うみやまてつどう」
シリーズ第2作。
いつもすいている「うみやまてつどう」の最終電車が、今日はなぜか超
満員。やがてぽんぽこやま駅に着くと、乗客たちは一斉に下車しました。
「こんな遅くに、なにしに行くんだろう」不思議に思いながら乗客を見
送った駅長さんでしたが、手の中を見てびっくり!
切符だと思って受け取ったのは、すべて葉っぱだったのです。
「どういうことだ」駅長さんたちはあわてて後を追いかけます。
やがて森の中から聞こえてくる太鼓の音。その音に誘われて踊りの輪に
加わってしまう駅長さんたち。今日はたぬきたちのぽんぽこ祭りの日で…。
読者の声より
今夜はなんでこんなにお客さんがたくさん・・・うみやまてつどうで起こった不思議な出来事を描いた1冊です。
朝のラッシュ時のように人がギュウギュウのでんしゃ。
走っているところを見て、娘と一緒に笑ってしまいました。
だって、本当に電車自体がパンパンでふくらんでます。笑
その理由は後半になってわかるのですが、
穴あきの仕掛け、そして見開きの大迫力に、親子で見入ってしまいました。
そして何なんでしょう、その雰囲気にのみこまれたのでしょうか、駅員さんと同じように見ているこっちも楽しくなってきました。
次の朝、みんなが帰る光景も面白かったです。
クスッと笑ってしまう部分もちらほら。
娘は夜に見かけた女の子をまた見つけ(かわいいリボンをしていました)、大喜びでした。
1度だけでなく、何度も読み返したくなる作品です。
(こりえ♪さん 40代・ママ 女の子6歳)
秋山朋恵(絵本ナビ 編集部)
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