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【子どもの読書Q&A】小学校1年生ママからのお悩み「ゾロリ」から読書の幅を広げるには?

「かいけつゾロリ」シリーズが大好き!でも、それ以外読まない…!

 

絵本ナビ児童書担当の秋山です。

小学生のお子さんを持つお母さん、お父さん、お子さんの読書のお悩みいろいろ抱えていませんか?

お子さんが小さいうちは、一緒に絵本を読んだり選んでいたけれど、成長するにつれ、だんだんどんな読みものを手渡していくのが良いのか、迷うことが増えたり、あるいは、お子さんが自分の好きなものしか読まなかったり、全く本に興味を示してくれなかったり、さまざまな悩みがあることと思います。

 

そこで、小学生の読書のお悩みについて、親子の皆さんと一緒にあれこれ考えてみたく、「子どもの読書Q&A」を始めることにしました。
100%これが正解、この本なら絶対に大丈夫!と言い切るのはなかなか難しいかもしれませんが、お子さんが本って楽しい!と少しでも感じられるきっかけとなるように、またその先で本とどんどん仲良くなっていけるように、小学校の図書室での勤務経験を元にしながら頭を捻って、さまざまお答えしていけたらと思います。

ゾロリが大好き!という小学1年生のお母さんからのお悩み

Q.子どもに「かいけつゾロリ」シリーズを手渡したら、ゾロリの大ファンになりました。その後「おしりたんてい」シリーズや「忍たま乱太郎」シリーズに向かっていったので、読む本が男の子っぽかったり、アニメ寄りの本ばかりになりそうなのが心配です。もう少し物語寄りの読書に向かわせたいのですが、何を読ませたら良いのでしょうか?

 

(40代ママ 小学1年生女の子)

絵本ナビ児童書担当 秋山:

こちらの質問、小学校の図書室でもたくさん受けた質問でした。


「かいけつゾロリ」シリーズが本当に気に入って、でもそれ以外の本はなかなか読んでくれない、という声はよく聞きます。
「かいけつゾロリ」シリーズは子どもたちにとって本当に面白く楽しい本なので、このシリーズによって、本を読む楽しさを知った子は多いと思います。しかし、できれば他の本も読んでほしい、次の読書に繋がっていってほしいというのが、多くの親御さんの願いですよね。こちらについては、大きく2つの方法を提案したいと思います。

ゾロリシリーズから続く読書への道、次につなげる方法

答えその1:好きな本と同じ人が絵を描いている他の作品を薦めてみる

A1子どもは読む本を選ぶ時、低月齢であればあるほど絵で選ぶ傾向が強くあります。ですので、「かいけつゾロリ」シリーズと同じ原ゆたかさんの絵だけれども、お話を書いた人が違う他のシリーズをすすめてみるのはいかがでしょうか。
絵は一緒でも作者が違うので、出会うお話の内容や幅が広がります。たとえば……

● 『どっきんがいっぱい!』シリーズ

まずは、ドキドキこわいけど、ワクワク読まずにいられない、楽しい幼年童話シリーズをご紹介します。お話を書かれたさとうまきこさんは、1970年のはじめから作品を書き続けられている有名な児童文学作家さんで、その作品数は80冊以上にも及びます。人気作品には、『ハッピーバースデー』や『9月0日大冒険』『千の種のわたしへ』などがあります。

私自身の印象ではSF的な要素の面白さがあって、とにかく惹きこまれてしまうお話が魅力的な作家さんなのですが、そんなさとうまきこさんが書いたこちらのシリーズは、おばけやしきで、本物のおばけに出会ったり、「サンタクロースがいるか、いないか」を試してみようとしたり、自動販売機の中から、宇宙人が地球人を観察していたり、子どもたちの目線で、子どもたちの興味がたっぷり詰まった楽しいお話です。

読み始めたら、ドキドキハラハラ。止まらない面白さのシリーズ!

どっきんがいっぱい! (1)きょうしつはおばけがいっぱい

「おばけなんて、ほんとはいないし、お母さんたちが作ったおばけやしきなんて」というだいくん。学校の子ども祭りのおばけやしきに、一人で入っていきました。ところが、とちゅうまではしかけがすぐにわかったのですが、着物を着た迷子の男の子に出会ってからは、なんだか変です…。とうとう、本物のおばけたちに囲まれてしまっただいくん。おばけたちに、ある言葉を言うように促されて…!? こわくて楽しいお話、待望のリニューアル!

● 「シルカ小学校のブキミともだち」シリーズ

シルカ小学校はブキミな小学校。学校じゅうにおばけが住みついています。給食室にはカレーおばけ、図工室には小じわが気になるモナリザおばけ。先生や生徒を驚かすのが大好きなおばけたちですが、驚かすつもりが、逆に驚かされることもしばしば。

お話を書かれたのは、『もりのかくれんぼう』などの絵本から「ぞくぞく村のおばけ」シリーズ、「ざわざわ村のがんこちゃん」シリーズなどの幼年童話、その他長編ファンタジーなど人気作品をぞくぞくと手掛けられてきた児童文学作家の末吉暁子さん。子どもたちの心を掴む設定とユニークで楽しいお話が魅力の作家さんです。

学校におばけがいる!というお話は子どもたちの大好物

カレーおばけのあかいぼうし

図書室に住むモジモジおばけ、給食室に住むカレーおばけなど、生徒や先生を驚かせて遊んでいるシルカ小学校のおばけたちのお話。

答えその2:難しすぎない、とっかかりの持てる作品を薦めてみる

A2. 物語だけれども、子どもたちにとって難しすぎない、以下のような条件を満たす本からまず手渡してみるのはいかがでしょうか。


  ・文章が長くない
  ・絵を見ただけで読みたい!と思わせるような作品
  ・お話が楽しい
  ・子どもが惹かれる要素がお話に入っている

  (おばけ、おかし、がっこう、だじゃれ等…)

 

おすすめのシリーズをいくつかご紹介します。

● 「わがままおやすみ」シリーズ

村上しいこさんのユーモラスなストーリーと関西弁のせりふ、長谷川義史さんの豪快で楽しいイラストがぴったりの大人気シリーズ。
春夏秋冬の季節の休みに、梅雨休みや昼休みも加えて、個性的でかわいい家電やランドセルなどが休みを取りたいと大騒ぎ! れいぞうこは夏休みにプールで泳ぎたい、ストーブはスキーに行ってみたい、とびばこは学校を飛びだしたい……など、毎回主人公のけんいちくんにわがままを言いだします。やさしいけんいちくんは、いつでもその夢を一生懸命叶えてあげようとするのです。
笑いの中にもメッセージがあり、絵本から読みものへ移行する時期のお子さんにおすすめの幼年童話。
 

身近なものたちが、突然おやすみがほしいと言い出す、ユーモアたっぷりのお話

れいぞうこのなつやすみ

子どもたちの身近にあるさまざまなものが、突然“おやすみがほしい”と言い出す「わがままおやすみ」シリーズ。今回夏休みが欲しいと言い出したのは、夏にこそお休みされるとちょっと困ってしまうアレ…なんです。

一番はじめに発見したのは、おとうちゃん。夏のある日曜日に昼間からビールを飲もうとして、「あれっ?ビール ひえてないぞ」とびっくり。さらに、アイスも溶けてアイスじるに。おかしいと思ったおとうちゃんがれいぞうこの後ろをなでたり、さすったりしていると…。
「うひゃひゃひゃ。あひゃひゃひゃ。ちょっとさわらんといて。くすぐったい」
そう叫んだのは、いつの間にか、目と鼻とでっかい口ができているれいぞうこ。れいぞうこは「わたしも なつやすみをもらって、いっかいプールへ いってみたい」と言うのです。(続きはこちら>>>)

● 「おばけずかん」シリーズ

「おばけずかん」シリーズは、昔から知られているおばけがいっぱい登場する、「図鑑」という名前の童話。それぞれのおばけが、どんなふうに怖いのか。そうならないためには、どうしたらだいじょうぶなのかを、ユーモラスな短いお話仕立てで紹介しています。登場するおばけはちょっと怖いけど、ちゃんと対応してあげると、意外になさけなくて、かわいいところもあったりします。
 怖くて、笑えて、最後はホッとできる、新しいおばけの童話シリーズです。

怖いけど読みたい!おばけがいっぱい出てくるシリーズ

おばけは家の中にもいっぱいいます。安心してはいけません! 読者が日常を過ごす家の中を舞台に、『ぬらりひょん』『ろくろくび』といった「定番」のおばけや、オリジナルのおばけ『ベランダばああ』も登場。部屋の中で読みたい、怖いけどおもしろい一冊。

● 「ルルとララのおかしやさん」シリーズ

かえでの森にかこまれたメープル通りに、ちいさなおかしやさんがオープンしました。
店長さんは、まだ小学生のルルとララです。森の動物たちから寄せられるおかしの注文は、味も形も好みもさまざまです。ルルとララは、知恵をしぼって工夫をこらしたり、おとなりのパンやさんのシュガーおばさんの助けを借りながら、おいしいおかしを作り上げていきます。

さてさて、今日は、どんなお客さまがくるのでしょうか?お話とクッキングが一緒に楽しめるおかしやさんのおいしいお話です。

小学生のルルとララが、動物たちの注文にこたえてお菓子を作ります

メープル通りにあたらしいお店がオープン。ルルとララのお菓子屋さんです。どんなお客さんがくるのかとドキドキして待っていましたが、全然きません。そこでふたりは…。お話とお菓子作りが楽しめまず。シリーズ最初のお話です。

● 「小さなおばけ」シリーズ

「小さなおばけ」シリーズと言うよりも、おばけのアッチ、の方がピンとくる方が多いかもしれません。こちらは、おばけのアッチとコッチとソッチがさまざまな場面で活躍するお話です。

1979年の刊行以来、40年近く読み継がれている幼年童話の名作ですが、なんと今でも新刊が出続けているんです。親子で一緒に一緒に懐かしみながら読んでみるのはいかがでしょうか?

おばけはおばけでも、とってもかわいいおばけといえば…

スパゲッティがたべたいよう

おばけのアッチは、とてもくいしんぼ。ある日、夕やけの空をとんでいると、下のほうからとてもいいにおいがしてきました。

【ヒント】

絵本ナビ児童書担当 秋山:女の子向けに選ぶ時には、次のポイントに注目して手渡す本を選んでみるのがおすすめです。

 ・ とにかく絵が可愛い。

 ・ お料理やお菓子作りなど女の子が大好きなテーマ

 ・ かわいい動物が出てくる。

 ・ 読み手と同じぐらいの年齢の子が主人公

『つぎ、なにをよむ?』はゾロリからつなげる読書を提案しています!

左から1・2年生、3・4年生、5・6年生。『つぎ、なにをよむ?』では、学年別にご紹介しています。

楽しいチャートで読みたい本がどんどん見つかります!

つながる読書の楽しさを知ることができるシリーズ。
子どもが自分で次に読みたい本を見つけるためのブックガイドです。

いかがでしたでしょうか。
お子さんが手に取りそうな本は見つかりましたか?

子どもに本を薦めるときのポイントは、段階を経てすすめていくこと

子どもに本をすすめる時のポイントとして重要なのは、段階を経てすすめていくことだと思います。まずは、目の前の子が、今どのぐらいの難しさの本が読めて、どんなことに興味を持っているのか、それを観察して把握することがとても大切です。そこを考えずに、とにかく名作を!とすすめてしまうと、難しくて読めないというところから、本が嫌いになったり、苦手になってしまうことも。
まずは、お子さんがどのぐらいの本なら難しくなく、楽しく読めるのかということをしっかり把握するところから始めてみることをおすすめします。

 

また、特定のシリーズしか読まないというところには、登場人物や設定が分かっているからお話に入りやすい、新しく登場人物を覚えたり、お話の設定を知る面倒がないというところもあるように思います。
はじめてのシリーズを手渡した時に、すぐに手に取らない様子があったら、あらかじめ、読む前にどんな登場人物が出てきて、お話の場所はどこで、どんなことが起きるのか、など伝えてあげるのも本に興味を持たせる方法として効果的です。

 

どうぞお子さんが自分でどんどんいろいろなお話を手に取るようになるまでは、しっかり観察してさまざまサポートしてあげて下さいね。

子どもの読書のお悩みに答えたのは...

秋山朋恵 

絵本ナビ児童書担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎなにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部

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