絵本ナビ編集長の思い出の絵本は?
―― 幼少期に好きだった絵本と、そのエピソードがあれば教えて下さい。
ちいさなうさこちゃん
うさぎのふわふわさんとふわおくさんが、仲良く暮していました。
ある晩、天使がやって来てふわおくさんに「もうすぐ赤ちゃんができますよ」と言って飛んで行きました。
そして、まもなく赤ちゃんが生まれ「うさこちゃん」と名付けます。
牛やにわとりなどの動物が赤ちゃんを見にやって来て「おめでとう」と言ってくれました。
でも、うさこちゃんは疲れて眠ってしまったのでみんな静かに帰りました。
とにかくブルーナの絵本の世界が大好きで、どの絵本も擦り切れるほど読み返したおぼえがあります。うさこちゃんはもちろん、こねこのネルやこいぬのくんくんなど、登場するどうぶつたちみんなが魅力的。「洋なし」の形もこの絵本で覚えました。
見ているだけでは飽き足らず、紙に写したり、真似して描いてみたり。今読み返してみると、究極にシンプルな線しか描かれていないのに、とても豊かな経験として記憶に残っていることに改めてブルーナのすごさを感じずにはいられません。
― 大人になって読み返したら好きになった絵本と、そのエピソードがあれば教えて下さい。
「ストーリーは全く覚えていないけど、この世界は知っている!」 書店の児童書売り場担当になったばかりの頃、この表紙を見た途端に様々な記憶がよみがえってきました。小さい頃に読んだのでしょう。佐々木マキさんの描く街並み、おおかみ、動物たちの表情…ページをめくっていくと、なんだか怖くて、でも目が離せなかった感覚を思い出します。絵本の記憶の残り方ってすごいですよね。
でも改めて読み直してみると、これが大人になった自分にグッとくるのです。
どこにいっても自分の場所じゃない、仲間はいない。そう思っていたおおかみが「やっぱり おれは おおかみだもんな」と、自分を受け入れて心が軽くなる場面。それを「け」のひとことで気持ちを解決させちゃうおおかみにしびれちゃいます。また再会できたことが嬉しくなる絵本の1冊です。
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