6歳の子と読みたい絵本ベストセレクションよりこの3冊をご紹介(1)
心に残るお話をみつけよう
絵本を読んできた積み重ねにより、昔話絵本や物語絵本をじっくり理解しながら楽しめるようになっているはずです。深く世界を味わうために、自分で読めるようになっても、まだまだ親が読んであげてくださいね。
サムは図書館に住むねずみです。調べ物コーナーのうしろの小さな穴の中で暮らしています。
昼間はたくさんの人が行き来するにぎやかな図書館の隅で丸くなって眠り、夜になると静かな図書館にサムひとりになるのです。
毎晩、サムは思う存分本を読みます。絵本も物語も、スポーツだって料理だって、それからミステリーも!サムの頭の中は知らない国の風景や空想の世界でいっぱいになっているのです。
・・・ここまで読んで、思わずつぶやいてしまった人もいるはず。
「なんて素敵な暮らし!」
ところがサムがすごいのは、ここからなんです。
自分でも本を書いてみることにしたのです。最初は自分の暮らしのお話から。手ごたえを感じると今度は長いお話にも挑戦します。
昼間、図書館に来てサムの本を見つけた子どもたちは夢中になり、いつの間にかサムの本は大人気に!サムに会いたいと言い出します。
そんな人間たちに対して、サムは思うのです。
「どうしてみんなは、お話を考えたり、書いたりすることを難しいと思うのかな」
なにも躊躇することなくのびのびと空想や冒険に飛び出して行き、気負うことなく自分の好きな世界を創造していくサムの姿を見ていると、本を好きなだけ読める喜び、文章を書く喜びを思い出させてくれるのです。
そして、心の底から楽しんでいるサムの様子を見ながら、子どもたちはきっとうずうずしてくるでしょう。
どうか、一人でも多くの子どもたちが、この素晴らしい空想の世界を体験してくれますように!
学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。
「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)
「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)
教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
1話の長さは見開き1ページ。親子での読み聞かせタイムや、学校でのちょっとした時間の読み聞かせにもちょうどいいボリューム。読み終わった後には「どのお話が好きだった?」と気に入ったお話を交流してみたり、お話のオチをクイズにして出し合ってみるのも面白そう。さらに何かお話を作ってみようかなと、子どもたちの想像力や創作意欲もかきたててくれそうです。
見ているだけで楽しくなるような明るい色使いで、愛らしい教室の仲間たちの様子をユーモラスに描いているのは、ことばあそび絵本『あっちゃんあがつく』でおなじみのさいとうしのぶさん。次は何が出てくるのかな?どんなお話なんだろう?と気になってどんどんページをめくってしまいます。あっという間に読み終わってしまったら、次は台所にある道具や食べものたちが活躍する第1弾『おはなしだいどころ』も合わせて、どうぞ。
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